番外編 金谷千歳と永遠
クリスマスイブだ!
料理は万全。トマトと生ハムのブルスケッタ。丸鶏のローストチキン。牛すじのビーフシチュー。ブロッコリーとマッシュポテトのクリスマスツリーサラダ。スパークリングワインも添えて。
クリスマスケーキも万全。和泉が前にチョコミントタルト買ってくれた高級ケーキ店で、フルーツリースタルト予約した。
そういう訳で、夕飯はいっぱい料理を並べて、ケーキも並べた。
和泉は、それを見て感嘆の声をあげた。
「いやー、ごちそうだね」
『けっこう頑張ったぞ』
「ありがとう」
和泉は、ワシのリクエスト通りのチョコミントをクリスマスプレゼントにくれて、ワシはホクホクだった。
ブルスケッタをかじり、生ハムがおいしすぎると2人で言い合う。ワシはローストチキンに豪快にかぶりつき、和泉はローストチキンの詰め物の鶏の味がよく染みたじゃがいもに舌鼓を打つ。ビーフシチューでとろとろの牛すじを味わい、2人でクリスマスツリーサラダを崩して食べる。
それで、お待ちかねのフルーツタルト! ツヤツヤにゼリー掛けされたマスカット、イチゴ、ブルーベリー、オレンジ、キンカン。目で見るだけでもおいしそう。
『ほら、切るぞ! お前にはオレンジとキンカン乗ったとこやるな』
「おっ、ありがとう!」
少食の和泉には小さめのひと切れ、いっぱい食べるワシはおっきなひと切れ。ひと口食べると、果物の果汁が弾け、その後ミルキーなホワイトチョコクリームがまったりと口の中を支配する。最高だな!
和泉が食べながら言った。
「リースケーキか……クリスマスリースってよく見るけど、リースってどういう意味があるんだろうね?」
ワシは珍しく答えを知っていた。
『なんか、輪が【永遠】って意味なんだって。タルトの説明に書いてあった』
「そっかあ、永遠か」
和泉はタルトを一口食べ、そして呟いた。
「なんか、こうやってずっと一緒に毎年クリスマスケーキ食べれたらいいね」
しみじみした口調は、嘘偽りない本音だと感じさせた。でも、ずっと2人だけじゃダメだろ!
『そうだけど、ワシとだけじゃ意味ないんだからな! いい加減、お前の好きな人口説くか他の女に乗り換えるかしろ!』
「難しいことを言うなあ、少なくとも乗り換えは無理だよ」
和泉は苦笑した。
『そんなに好きなのか』
「そんなに好き」
『ちょっとくらいどんな人か教えてくれてもいいのに』
「相手に迷惑がかかるから」
『むー』
どういう事情なのか全然わかんないけど、こんなに思われてるんだから和泉とクリスマスデートくらいしてやってくれよな、和泉の好きな人。




