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たくさん使うし奮発したい

 こたつを出してるけど、今年はこたつ仕事だと腰が痛い。なので机仕事だ。というか、腰が痛いのに土曜の今日も仕事だ。

 千歳には哀れなものを見る目で見られた。


『かわいそうなやつ』

「まー、しゃーない。在宅ってだけで相当楽させてもらってるし……うわっ!」


 伸びをして椅子の背もたれに背を預けたのだが、ボキッと音がして背もたれが消失した。俺はそのままひっくり返って後頭部を床に打ち付けそうになったが、すんでのところで千歳が支えてくれた。


『大丈夫か!?』

「あ、ありがとう……え、何事!?」


 立ち上がって振り返ると、椅子の背もたれがバッキリ折れている。うわー……。


「ああー、そうか、もう10年以上使ってたもんな……」

『ボロだったもんな』

「どうしようかな、当座は俺の部屋の椅子代わりに使うとしても……」


 さすがに中腰で仕事したくない。今日の仕事は二階の俺の部屋の椅子で代用するにしても、新しく椅子を買わないといけない。

 千歳が言った。


『新しく良い椅子買えよ、金あるんだしさ』

「そうだねえ……」


 座り仕事だしな……腰の負担も減らしたいし……。

 頭に浮かぶのは、体の負担が少ない高級椅子。仕事で座っている時間が多いし、その間体に負担かけたくないし、奮発するか? 買うか?

 俺は千歳に目を向けた。


「二十万くらい奮発してもいいかな?」

『え、そんな高い椅子あるのか!?』

「なんというか、体に負担がなくて長時間座れるやつ。高級ブランドにあるんだけど、安くてもそれくらいじゃないかな」

『へえー……』

「座り仕事だし、高くてしっかりしてて座りやすいの買って、何十年も使い倒したい」

『ふーん……まあ、お前の仕事道具だし、いいやつがいいんじゃないか?』

「じゃあそうしよ」


 仕事終わりに調べると、体に負担が少ないのはアーロンチェアとエルゴヒューマンらしい。どっちがいいんだろう。

 調べていると、千歳も覗いてくる。


『へえー、こういうのなのか』

「どんなのだと思ってた?」

『なんか革張りの偉そうな椅子。これはメカっぽいな』

「まあ、人間工学にのっとって作ったとかいうやつだからね。今これとこれで迷ってる」


 俺は、アーロンチェアリマスタードとエルゴヒューマンプロオットマンを指差した。


『ふーん……値段もそんな変わんないな』

「アーロンの方は仕事専用、エルゴはリラックスにもって感じなんだけどね。迷う」

『座り心地とか試せないのか?』

「あ、そうだね」


 通販取り寄せしか考えてなかった。そうだ、身近に使うものこそ、使い心地で選ばなきゃ。


「ありがとう、試せるところないか調べてみるよ」

『離れてなんかあるとまずいから、ワシもついてく』

「ありがとう」


 調べてみると、横浜駅近くでにオフィスチェアを試せるショールームがあった。ここならアーロンチェアもエルゴヒューマンも、他にもいろんな椅子を試せる!


「ここ、いいかなと思うんだけど」

『じゃあもう明日にでも行こう。ワシも色々座ってみたい』

「じゃあ、明日よろしく」

『うん。あ、久々に腰もんでやろうか?』

「助かる!」


 千歳との暮らしは楽しい。仕事にも恵まれている。そんな暮らしを良くするために、ある程度は出費してもいいよな。

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