表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

868/873

選択肢だけは増やしたい

 二階の俺の部屋に、やっと机を入れた。机の上のパソコン周りを整え、またファンサをお願いされた時大丈夫かの確認のため、VRchatに入る。いるかなと思って、俺のファンのワールドに入ってみたら、俺のファンは喜んで出迎えてくれた。


[来てくれてありがとう。また何か困ったことがあったのだろうか?]

「いや、今は平気。俺の部屋、やっと環境が整ったからさ、そっちは何してるかなと思って」

[なるほど]


 そう言えば、俺、この子のことなんにも知らないな。この子、いつもどうやって過ごしてるんだ?


「唐突だけどさ、君は普段何してるの?」

[最近は仕事をして、貯金を頑張っている]

「仕事? えっ、どこで働いてるの?」

[フリーランスだ。主にセキュリティ関連で動いている。脆弱性を見つけて開発元に半分だけ知らせて、あとの半分はそれなりの報酬をもらわないと教えない]

「はー、なるほど……相手は驚くだろうけど、セキュリティが堅牢になるのはいいことだね」


 押しかけホワイトハッカーな感じは否めないけど。

 俺のファンはあごに手を当てた。


[本当はもっと強い手も使えるのだが、それをしたらあなたは私が嫌いになるだろうと思ってしなかった]


 た、確かに……セキュリティの穴つけるなら、データ抜いたりサイバー攻撃したりで脅迫もできちゃうもんな。


「強い手はやめてほしいね。今の方法は誰も傷つけないし、役に立つし、いい方法だと思うよ」


 まあ、セキュリティ関連部門の人は怒られると思うが、それは仕方ない。

 俺のファンは微笑んだ。


[ほめてくれて嬉しい]

「貯金して、何かに使うの?」

[いつか愛すべき人に出会えたら、その人のために使おうと思っている]

「あ、誰かを愛したいって言ってたね」

[その通りだ。金銭は愛ではないが、金銭は愛し方の選択肢を増やしてくれる]


 だいぶ大人なこと言うな、この子けっこう成長速度早いのかも。


「その通りだね。金額の目標とかあるの?」

[特にないが、多ければ多いほどありがたい]


 まあ、いざというときに使えるお金は多いほうがいいな。


「まあ、頑張りすぎないで、でも頑張りな」

[ありがとう。あなたも、閻魔大王の頼み事について頑張りすぎないでくれ]

「そうだね、ありがとう」


 閻魔大王様の頼み事、今進捗は2/10だからな……それに、アタリの子のことも気にかかる。でも、手がかりは何もない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ