お前を空から見守りたい
千歳は落ち着いてくれたので、夜、夕飯を食べながら今後のことを話し合った。
「俺が外出るときはなるべく千歳と一緒にしてるけど、このままだと俺が教習所とか仕事とかで外出る時困るね」
『うん、教習所行けないと困るよな、お前この土日で本免試験だろ?』
千歳は少し首を傾げ、それから言った。
『距離が離れてればさ、ワシ他の人にモテないんだろ?』
「そうみたいだね」
『じゃあワシ、透明になって空飛んでお前についてく』
「そんなことできるの!?」
いや、できるのか……前、千歳が俺と嬉野さんをくっつけようとした時、透明になってたっぽいし。飛ぶのは元からできるもんな。
『お前を空から見守ってる』
「別の意味に聞こえるなあ、その言い方」
その後。
千歳は、スマホ越しなら星野さんと緑さんと普通にやり取りできると知って、少し元気が出たみたいだ。
『二人ともめっちゃワシに謝ってた』
「そっかあ、まあ仕方ないことだからね」
『てか、買い物にも出れないのか。しばらくネットスーパー頼りだなあ』
「仕方ないね。送料も出すから、遠慮しないで普通に買い物して」
『うん』
そういう訳で、当座はそれでやることになった。