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これからに向けてがんばりたい

 メルカリのローズアカウント販売品について。

 これまで和束みやびがよそに収めた術式から、和束みやびの指紋は取れている。メルカリの梱包と藁人形の指紋を取ったところ、和束みやび以外の指紋があると判明したそうだ。

 ただ、和束美枝さんの指紋を取れるものがない。和束みやび以外の指紋が誰のものなのかは確定していない。ただ、和束みやび以外の指紋の数を数えると、確実に10より多いということ。

 やっぱり、3人目がいる。3人目について、霊能業界でも警察の方でも洗っているそうだが、はかばかしくないそうだ。

 そして、俺のファンから報告があった。


[ヤフオクとメルカリのローズアカウントは全てbanさせた。もう危険なものは出回らない]

「ありがたいけど、何を一体どうしてそんな事ができたの?」

[至って正攻法だ。20ほどアカウントを作って、その全部でローズアカウントの違反報告をした。「宗教的にいけないものです、人を害する恐れがあります」と。あなたが嫌がるかもしれないと思って、運営自体をいじるのは避けた]

「そうか、本当に正攻法だ、本当にありがとう」


 金谷さんによると、確かにあの藁人形はもうヤフオクにもメルカリにも見当たらないとのことたった。世に出回った藁人形の回収は必要だが、もう藁人形が増えることはないだろう。

 それはそれとして。俺は、仕事で新たなる局面に立たされている。

 リモート打ち合わせで、萌木さんがにこやかに言った。


「じゃ、領収書くれれば補助するから。頑張ってね!」

「はい、ありがとうございます……」


 俺はそう言ったが、まったく自信ない。学科はともかく、技能がまったく自信ない……。

 萌木さんから、運転免許を取ることを要請されたのだ。俺の働く会社グリーンライトはこれから取材仕事を増やす。それで、どこでも俺が取材仕事できるように、運転免許をとれと。まあ、車使えたほうが確かに行動範囲広がるけども……。

 夕飯の席で、俺は千歳にぼやいた。


「土日がしばらく消えるよお……」


 教習所に行くとしても、週末くらいしか無理なのである。

 千歳に聞かれた。


『2〜3ヶ月かかるか?』

「最短で2カ月なんだけど、申し込みにも時間かかるし、今は夏休みシーズンで教習所混んでるし……」

『うーん、3ヶ月以上かかるかもな。どこで受けるんだ?』

「バスで通える教習所あるから、そこかなあ」

『ふーん』


 千歳は首を傾げた。


『ワシも取ろうかな、免許』

「千歳も!?」

『だって、お前と離れて過ごすの危ないかもだし、教習所ついてきたいし、そしたら一緒に取るのがいいかなって』

「あー、まあ、和束みやび関係はね……」


 先日、魂10体のうち1人を確保した。それは和束みやびにも伝わってるだろう。魂確保を誰がやったか見当つけてるかもだし、明確に俺たちを狙ってもおかしくない。

 千歳はぐっと拳を握った。


『じゃあ、同じ教習所申し込もう!』

「そうしますか」


 藁人形のことは一段落したし、自分たちに必要なことにも力を費やしたい。千歳も俺についてくれるんだし、頑張ろう。

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