見合うサポート与えたい
翌日、早速藤さんが訪ねてきた。
「閻魔大王様からいいものもらってきたよー」
そう言って彼が出したのは、小箱と黒い組紐2本。千歳が目を見張った。
『なんかすごいやつだ!』
俺はまごついた。
「なんかすごいやつなの?」
見た目ではよくわかんないな……霊感がある人はわかるのか?
藤さんは説明してくれた。
「小箱はね、探す魂を捕まえたら捕まえておけるやつ。組紐は、君ら用」
「どういうものなんでしょう?」
「お守り兼位置情報。二人でこれつけとけば、怨霊くんは念じればいつでも和泉さんの居場所が分かる」
『マジか!』
千歳は驚きと喜びを同時に表した。
「私も千歳の居場所わかります?」
そう聞いてみると、藤さんは微妙な顔をした。
「逆は……和泉さんは特に霊感ないから難しいんだけど、素質のある人の力を借りればわかるようになってる。あと、お守り効果は、基本的に宇迦之御魂神様の加護を増幅して支える感じかな。単純な物理的被害を防ぐし、水に落ちても浮くし、霊障も防ぐ。だから怪我しないし、さらわれても即助けに行けるわけ。さらうこと自体は防げるかわからないんだけど」
なるほど……少なくとも俺は、危害を加えられにくくなるってことかな。
千歳は頷いた。
『場所がわかればなんとかする。怪我しないなら、とりあえず安心だ』
俺も頷いた。
「私も、とりあえずそれで平気です」
ひとまず、千歳とお互い、左手首に黒い組紐を結びあう。これで装着完了。
藤さんが言った。
「朝霧緑さんがね、一度人集めて情報整理と共有するって。君らも呼ばれると思うよ」
「わかりました」
『ワシ、がんばるって言う!』
「ありがとうね」
藤さんは微笑み、そして深々と頭を下げた。




