表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/848

あなたになるべく食べさせたい

物価高騰の折である。最近何もかも値上がりだ。千歳には食費を月三万渡してそれでやってもらっているが、たまに千歳が好きな高いおかずを千歳のお金で買ってきていても、このところかなりギリギリみたいだし、ひとまず三万五千円に増やそうかと思う。

朝食の食器洗いを済ませてそう切り出すと、千歳は変な顔をした。

『ワシ、精のつきそうなちゃんとした飯は意識してるけど、わりと自分の食べたいもの好きに作って食べてるし、少しは出せるぞ』

金谷さんちの神社とのサブスク契約で、千歳には毎月十万渡している。以前渡した四十三万円もだいたい残っているようだし、自由になるお金はそこそこある身分だ。でも、千歳が自由に使えるお金は、なるべく取っておいてほしいんだよな。

「うーん、俺今は仕事わりと順調にできてて、追加で五千円くらい出せる余裕あるからさ」

『でもワシ、毎月十万あってもそこまで使わんし』

「俺が出せるときは食費出すから、俺がいきなり調子悪くして仕事できなくなって金が足りない、なんて時に千歳に頼らせてくれれば、それでいいよ。なるべくそうならないように努力はするけどさ」

千歳は首を傾げたが、一応了解してくれた。

『じゃあ、わかった。お前が金ない時用にとっとけばいいんだな』

「よろしく。でも基本は千歳のだから、好きに使っていいんだからね」

「うん、明日は狭山先生の小説の漫画、ワシの金で買うからな!」

千歳の中で狭山さんの位置がえらく上がっている。完全にファンだなと俺は苦笑した。

千歳が来てから俺は本当にいろいろ世話になっていて、おかげで物事が少しずつ順調に回りだしている。体も少しずつ良くなってきているし、仕事もいい条件が多くなっているし、何より体力的に粘りが効くようになって、これまでより多めに仕事ができるようになった。

ここまでしてくれた相手だ、経済的によほど苦しくならない限り、千歳が食べるものの費用は俺が出したい。

二人世帯の食費は自炊でも三万〜四万(物価高の前の統計)なので、近所のスーパーの価格帯が安いことを差し引いてもかなりやりくり上手なタイプの怨霊

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ