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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第11シーズン

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おいしいものは分け合いたい

 南さんに会いに行っていた千歳が、しょぼしょぼして帰ってきた。


『南さんに隠せなかったよぉー!』

「どうしたの」


 話を聞くに、狭山さんの話を聞いたせいで千歳の様子がおかしくて、それを変に思った南さんにあれこれ聞かれて、金谷司さんのことを話さざるを得なかったと言う。うーん、自分から話したわけじゃないならギリセーフかな、あんまり褒められたことではないけど。南さんも千歳が変な様子だったら、仕事的な意味で理由を知らなきゃいけないわけだし……。


「まあ、その、あんまりいい対応じゃなかったけど、千歳も自分からべらべら喋ったわけじゃないからね」

『うん……』

「南さんもそんなに軽々しく話広める人じゃないだろうから、今後気をつけるということで」

『うん……あと、ワシの最近のこと話したら、南さんなんかすごくニコニコしてて、お菓子いっぱいもらっちゃったんだけどよかったのかな』


 千歳は、玄関先に置いてある六花亭の袋を指差した。


「ありゃ、かぶっちゃったな」

『かぶった?』

「その、俺も同じところの取り寄せてて……」


 千歳がいない間に、千歳にあげたいお菓子詰め合わせが届いたのだ。

 俺は、六花亭のお菓子詰め合わせを千歳に差し出した。

『まあ、千歳最近いろいろ頑張ってるから、何かあげようと思ってて、評判いいところのを買いまして』


 千歳は目をまん丸くした。


『ええっ、こんなにもらっていいのか!?』

「お札に念込めるのも大変だろ、これ食べてがんばりな」

『が……がんばる!』


 千歳は、感激してお菓子詰め合わせを受け取った。


「いろいろあるけど、仕事はきっちりやったほうがいいからね」

『うん!』


 千歳は頷き、お菓子の詰め合わせに目を落とした。


『お前のお菓子、中見てもいいか?』

「どうぞどうぞ」


 千歳はお菓子の包装を剥がし、箱を開けて、マルセイバターサンドだのクッキーだのを嬉しそうに見始めた。


『あ、このキャラメルなら大丈夫かも』

「何?」


 千歳はマルセイキャラメルの袋を手に取り、俺を見て笑った。


『このキャラメルならそんなに油っぽくないから、おやつで一緒に食べよう!』

「えっ、千歳全部食べていいんだよ?」

『お前もたまには既製品食っていいだろ、絶対うまいぞ』

「あ、ありがとう」


 俺は戸惑ったが、少し遅れて、おいしいものを分け合うってよくある親愛の表し方だよな、と気づいた。そうか、千歳は俺とおいしいものを分け合ってくれるんだな。

 バカだなー俺、千歳が親愛を示してくれるなら、それは絶対に受け取らなきゃいけないよな。

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