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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第10シーズン

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不測の事態に備えたい

 朝ご飯を食べつつ、俺はかねてからできればやっておきたかったことを口にした。


「今日さ、防災の日じゃん」

『うん』

「あのさ、俺経済的に余裕出てきたから、災害備蓄始めたいんだ」

『災害備蓄?』


 千歳(朝霧の忌み子のすがた)は目をパチクリした。


「俺さ、なんだかんだで今の暮らしが幸せだから、それを維持したいんだけど、地震だのなんだの多いし、でもそう言うのが来てもなるべくダメージを減らしたいんだ」

『そ、そうか』

「だから、何日かの停電に備えられるくらいはやっときたい」

『ふーん……まあやっといたほうが安心か』


 千歳は少し考えた。


『うちガスコンロだから、停電でも煮炊きは出来るぞ。米も新米が出るまでくらいは持つ……あ、でも、冷蔵庫の中のものはダメになっちゃうかあ』

「断水もあるかもだし、水とレトルト食品と缶詰と、あと携帯トイレなんか揃えておくべきかなあ」

『それくらいでいいか?』

「後はスマホ使えないと困るから、モバイルバッテリーとか」

『そうか。ていうか、土砂災害注意報出てたし、今そこにある危険だよなあ』


 千歳は頷いた。


「このアパート周りは大丈夫だと思うけど……でも、うちよりもっと山の近くに立ててる家は怖いかもねえ」


 うちのアパートは坂の上なので水害の心配はない。ただし少し歩くとかなり山に分け入ってしまい、斜面に無理やり建ててる家がたくさんあるのだ。

 それから千歳と話し合い、今日は休みで時間あるし、雨足も弱いし、駅前とスーパーは土砂崩れの心配ない地域だしで、今日買えるものは買いに行こう、となった。


『ワシ、いつものスーパーに買いに行ってくる』

「食費とはまた別にお金出すね」

『後でレシート渡すな』

「俺は駅前の電気屋とホームセンター探してみるよ」


 そう言うわけで、千歳は近くのスーパーへ水と缶詰とレトルトを買いに行き、俺はバスに乗って駅前の電気屋とホームセンターに行った。いろいろ探し、とりあえずモバイルバッテリーと携帯トイレ詰め合わせは確保できた。

 家に帰ると、千歳が『大漁だぞ!』と帰ってきた。


「いいのあった?」

『缶詰いろいろと、乾燥野菜ミックスと、インスタント味噌汁と、温めなくてもうまいレトルトカレー買ってきた』


 千歳は両肩に下げたエコバッグをドサッと下ろした。


『ペットボトルの水も5本くらい買ったけど、本当はもっと欲しいな』

「Amazonかヨドバシで買い足そうか。俺はモバイルバッテリーと携帯トイレ買えたよ」


 千歳は首を傾げた。


『お前さあ、スマホはそれで使えると思うけど、パソコン用の電源はなくていいのか?』

「うーん、ホームセンターにはちょっとなかったんだよな……これもAmazonかヨドバシだな」

 二人で荷物を整理して押し入れに突っ込んでから、俺はAmazonとヨドバシで非常用電源を探した。ソーラーパネル付きがいいなと思って探したら、10万するので腰を抜かすかと思った。


「……めちゃくちゃ高い……」

『いくらするんだ?』

「ソーラーパネル付きのやつで10万。電気ある時に充電しとくだけのなら3万くらいなんだけど……」

『ふーん』


 千歳は千歳用の物入れ棚に行き、万札を取り出した。


『ほれ、十万』

「え!?」

『ソーラーパネル付きのほうがいいだろ、払ってやるから買えよ』

「いいの!?」


 千歳はなんでもない顔で言った。


『ワシ、お前よりたんまり貯金あるんだぞ? こないだの組紐の大体一億あるし、それ以外にも貯金あるんだぞ?』

「それはそうだけども……」

『停電してもお前が仕事するのにいるだろうし、お前のパソコン以外にも使えるし、買え』


 千歳は万札をより差し出してきた。


「……じゃあ、ありがとう。買うよ」


 俺は万札を受け取り、ソーラーパネル付き非常用電源をポチった。


「本当にありがとうね」

『大した事ない。……お前のしてくれたことに比べたら、本当になんてことない』

「え?」

『この夏、お前ずっと大変だっただろ。必要なものくらい、いくらでも買えよ』

「…………」


 俺は、言葉に詰まってしまった。


『……昼飯作ってくる!』


 千歳は逃げるように台所に行ってしまった。

 ……まあ、確かに大変だったけどね。そうか、千歳は俺が大変だったこと、わかってくれてて、それに対して感謝もしてくれてるのか……。

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