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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第9シーズン

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楽しく遊びに連れてきたい

 博物館行き当日。金谷さんが車で迎えに来てくれた。車の中で金谷さんは言った。


「遠くからの見守り役として、私ともう一人も博物館に入りますが、本当に見守り役ですので、いないものとして扱ってください」

『じゃあ、あくまであの子を一番に扱う感じでいいな?』

「それでお願いします。あの子の心残りをなくすために、好きなものをたくさん見せてあげてください」

『お前も、頼むな?』


 千歳が俺を小突いた。


「できるだけのことはやるよ、それこそ肩車とか」

『それでいい』


 早朝の道路は割と空いていて、車は比較的早く以前の大きな病院についた。金谷さんに案内されて駐車場の裏の茂みに行くと、見覚えのある小さい子が飛び出てきた。


「「「おじちゃん!」」」


 三歳くらいの、たぶん男の子。その子は千歳を見て「おじちゃん、おじちゃんじゃない……?」と首を傾げた。千歳は笑ってその子を抱き上げた。


『いまおっさんの姿になれないけど、ちゃんと前に遊んだおっさんだぞ! 今日はたくさん遊ぼうな!』

「「「あそぶ!」」」


 幼児の霊は大いにはしゃいで笑った。金谷さんが言った。


「私が細工してるので、今のこの子はその辺の子と同じように他の人にも見えます。ご飯食べたりも、この子ならできます」

「じゃ、普通に遊んであげて、お昼とか食べさせてあげれば大丈夫ですね?」

「「「でんちゃのる!!」」」


 千歳に抱っこされた幼児の霊がでかい声で言った。


「電車に乗るのも、普通で大丈夫です」

「じゃあ、大船から普通に乗ります」

 俺は千歳に「荷物千歳の持つから、その子見ててあげて」と行って荷物を受け取り、みんなで金谷さんの運転する車に乗った。幼児の霊は、千歳の隣のチャイルドシートでずっとはしゃいでいた。


「「「きょうりゅういゆ? たくさんいゆ?」」」

「こういう恐竜の化石がいる博物館に行くよ、すっごく大きい化石もあるよ」


 俺は、事前にプリントアウトした、小田原の博物館のリーフレットを幼児の霊に渡した。


「ほら、この恐竜の化石が一番大きいやつ」

「「「きゃー!!」」」


 幼児の霊は小さい子特有の高音を発した。うるさいが、ご機嫌なのはいいことだ。

 車は無事に大船駅に着き、「「「でんちゃ!」」」と騒ぐ幼児の霊を千歳と二人であやしつつ、改札を通った。東海道線のホームに行き、しばらくすると乗る予定の電車が来た。


『ほら、この電車乗るぞ?』

「「「きゃー!!」」」

「他の人もいるから、静かにね。具合悪い人もいるかも知れないからね」

「「「ばんそうこう、はゆ?」」」

「静かにしてたほうがいいからね」


 電車の中でこの子を静かにさせるのは難儀だなと思ってたけど、意外にも幼児の霊はそんなに騒がなかった。窓の外の景色に夢中だったからだ。


「「「びゅんびゅんすゆ」」」

『早いなあ、楽しいだろ?』

千歳は、幼児の霊を膝の上で膝立ちさせて窓の外を見せながら、笑った。

「「「うん!」」」


 電車は無事に小田原につき、そこからバスに乗って、俺達はやっと博物館に着いた。

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