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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第9シーズン

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まともな服を着させたい

 目のやり場に困りつつ、千歳と朝ごはんを食べる。

 とりあえず、このままじゃ千歳を外に出せない。誰かに診てもらうこともできない。とにかく千歳の服を手に入れなければいけないが、女性用下着を買いに行くのは気後れするし、女の子のファッション全然わからないし!


「あのさ、女の子の下着とか俺買えないから、星野さんに事情話して、服買いに行くの手伝ってもらうの頼めないかな?」


 そう提案すると、千歳はしょんぼりした。


『ワシ、こんな体で星野さんに会えない……』


 え、千歳的には今の格好、評価低いのか?

 ……うーん、すごくかわいいんだけど、千歳が忌み子とされた理由が頭をよぎる。

 孕むことも孕ませることもできない体。さっき千歳のフルヌードを見てしまったが、胸とご立派な竿はあったけど、睾丸はなかった。もし女性器もないなら、孕むこともできない認定されてたのに筋が通る。まあ、あんまりない体つきではある。でも、生まれつきなんだし、千歳は何も悪くないんだし。服着れば超絶美少女だし。


「えーと、服さえなんとかなれば、ぜんぜん大丈夫だよ! 星野さんに連絡できないなら、俺からするけど」


 千歳は首を横に振った。


『いや、ワシのことだから、ワシから頼む』

「じゃあ、よろしくね。俺からもちゃんと言うけど」


 朝ご飯後、俺が食器洗ってる間に千歳はスマホをいじり、星野さんにLINEしたようだ。


『いろいろあって、姿が裸から変えられなくなっちゃって、服買って欲しいけど、ワシは行けないって話した。星野さん、サイズ教えてくれって』

「サイズ……」


 す、スリーサイズとか!?


『背丈とウエストがわかればいいって』


 よ、よかった……。

 定規があったので、千歳の身長と俺の身長(171cm)の差を測ってもらい、千歳の身長を類推した。うーん、154か155cmか。

 スマホで身長とサイズ対照表を調べてみたら、Sとのことだった。俺が調べている間、千歳は定規をお腹周りに添わせてウエストを調べていた。


『ウエストはちょうど60cmだ』

「じゃあ、サイズはS、ウエストは60cmって星野さんに伝えて」


 俺のスマホにも星野さんからのLINEが来た。


「女の子の下着って、要するにブラとショーツでしょう? ユニクロのブラトップが楽だし、ユニクロなら他の服も揃うから、とりあえず駅ビルのユニクロまで車出すわね」

「ありがとうございます、助かります。下着以外の服は私の方で買いますんで」


 と言っても、女の子のファッションわかんないんだよな……。

 千歳に「どんな服がいいとかある?」と聞いたら『スカートはちょっと恥ずかしいから、やだ』とのことだった。じゃあ、パンツとかデニムとかか……。

 星野さんは「九時半に迎えに行くわね」とのことで、俺はお礼を言って時間を待った。

 時間通りに玄関のチャイムを鳴らした星野さんを出迎え、俺は頭を下げた。


「本当にすみません、千歳、姿が変えられないこと以外には特に問題ないんですけど、恥ずかしがって星野さんに会いたがらなくて」


 千歳は今、『星野さんに嫌われたらやだ!』と寝室に引っ込んでしまっている。


「そうなの? なんだか変な格好なの?」

「いえ、すごくかわいい女の子なんですけど、本人的には恥ずかしいらしくて」


 ごく一部、あんまり女の子じゃない部分があるが、服着れば見た目は完全に女の子だ。


「そうなの……まあ、お年頃だといろいろあるわよね」


 星野さんは頷いた。


「まあ、さっと買ってさっと帰って、千歳ちゃんにまともな服着せてあげましょう」

「ありがとうございます」


 俺はまた頭を下げた。

 ユニクロでは、星野さんに女性下着を見繕ってもらい、俺は店員さんに「すみません、中学生くらいの、サイズSの女の子に似合いそうな服を、スカート以外で4セットくらい見繕ってもらえませんか?」と全てを丸投げした。いや、俺女の子のファッションなんてわかんないんだもん!

 店員さんは涼し気なブラウスやショートパンツをいくつか選んでくれて、俺は言われるがままにそれらを買った。星野さんが下着を持ってきてくれたので、それも買った。


「じゃあ、すぐ帰りましょうか。千歳ちゃん、気にいるかしら」

「スカートじゃなければいいって話だったんで、多分大丈夫です」


 車はかなり飛ばして、すぐ家についた。星野さんに言われた。


「ね、やっぱり心配だから、千歳ちゃんの顔少し見たいんだけど、ダメかしら?」

「まともな服着れば変なことはないと思うんですけど……とりあえず着てもらって、恥ずかしくないよって説得してみます。少し待っててもらえませんか」


 俺は「ただいま」と家に入り、寝室のふすまをノックした。


「服買ってきたよ、店員さんに選んでもらったから全然変じゃないよ。ね、星野さんが心配してるから、服着たらなんにも問題ないから、着て星野さんにちょっと会わない?」


 ふすまがそろそろと開き、千歳が顔を出した。浮かない顔である。


『服だけでどうにかなるかなあ』

「服さえどうにかなれば全然問題ないよ! すごく見栄えするよ!」

『……とりあえず、着る』

「はい、服。好きなの着な」


 俺は服が詰まったユニクロの袋を千歳に渡し、しばらく待った。

 ふすまが開いた。


『変じゃないかなあ?』

 ふんわりドレープの効いた水色のシャツ、すんなりした足がかわいいショートパンツ。いや、足に目をやるな俺! いやでも、十分外出られる格好だし、かわいい!


「すごく似合うよ、全然変じゃないよ」

『星野さんに嫌われないか?』

「全然そんな心配いらないよ!」

『……じゃあ、会う』


 玄関を出て星野さんに千歳を見せると、星野さんは目を見開き「まあ、まあ、まあ」と言った。


「ずいぶんかわいくなっちゃって!」

『か、かわいいのか?』


 千歳は、明らかに戸惑っていた。


「すごくかわいいわよ、いつにもましてかわいいわ!」

『そ、そうかな……』


 千歳は嬉しそうでなく、本当に戸惑っている。うーん、今の千歳すごく美形なんだけど、それをあんまり理解してないのかな?


「今の千歳、すごく美人だよ。あんまりピンとこない?」

『び、美人!?』


 千歳はものすごく驚いた。


「鏡見てわからない?」

『は、恥ずかしいからあんまり見なかった……』


 星野さんが千歳の頭をなでた。


「まあまあ、恥ずかしがることなんてないのに。本当に、すごくかわいいわよ」

『あ、ありがとう……』


 千歳は、恥ずかしそうに首をすくめた。

 とりあえず、これで千歳の服装問題は解決だ。あとは……緑さんや南さんに相談だな。狭山さんや高千穂先生に診てもらって、異常なかったら、単に疲れってことだしな。

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