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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
26シーズン

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全身全霊で確保したい

 俺は一目散に別棟の小さな建物へ走り、扉には案の定鍵がかかっていたので手斧を振り下ろして壊し開けた。中に入り、地下への階段を探すと奥に見つかった。慌てて駆け下り、その先に格子状の壁の扉があった。格子の奥では、髪の長い2、3歳の子が、びっくりした目でこちらを見ていた。


「ねぇね? ねぇね?」


 あ、ここは多分堀江さんしか入ったことがなかったんだ。そりゃびっくりするよな。


「あー、おじちゃん怖くないよー」

「ねぇね〜!!」


 アタリの子はみるみる目に涙をため、泣き出してしまった。あわわわわ、いやとりあえずこの子を確保しなきゃ。

 地下牢の鍵も壊して中に入り、俺はアタリの子の頭をなでた。


「ねぇねの代わりにおじちゃんが来たよ、怖くないよ、一緒にここから出よう」

「ねぇね……ねぇね……」


 アタリの子はしゃくり上げている。俺はアタリの子を抱き上げ、「怖くないからね、大丈夫だからね」となだめつつ、避難用札を張れそうな扉を探した。なかなかないな……もう少し奥に行ったらあるかな?

 アタリの子はぐすぐすいいつつも泣き止み、そして俺の胸のあたりを探って首を傾げた。


「ぱいぱい、ない!」

「そりゃないよおじちゃんには!」

「???」


 アタリの子は目をまんまるにして俺を見る。そんなに不思議なこと? ……あ! この子は多分堀江さん以外の人を見たことがないんだ! 他に見たことあるとしても、アジトにいるのは全員女性……この子、男を見たことないんだ!


「えっとね、おじちゃんは男だよ、ぱいぱいはないよ」


 アタリの子は、心底かわいそうなものを見る目で俺を見た。


「かわいしょう……」

「かわいそうではない」


 俺はアタリの子を抱き上げたまま部屋の奥に入り、廊下の向こうにトイレらしき扉があるのを見つけた。あそこに避難用の札を張ろう。

 そう思って足を踏み出した瞬間、ものすごい音がした。瓦礫と土がぶつかってきて、俺は慌ててアタリの子をかばうように抱きしめた。和束みやびか!?

 地下室なのに日光が差し、俺は恐る恐る顔を上げ、天井が吹き飛ばされているのを知った。

 巨大な赤鬼が、俺たちを覗き込んでいた。


「核は渡さんぞ! うちは永遠に続く同じ世界を手に入れるんや!」


 赤鬼は長い爪の片手を振り上げ、しかし、真っ黒いおばけの姿になった千歳が俺たちの前に飛び込んできた。


『和泉! 逃げろ! 早く! ワシが食い止めるから!』


 アタリの子がびっくりしてまた泣き出した。俺は改めてアタリの子を抱き上げ直し、廊下の向こうの扉へ全速力で駆け出した。

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