俺の本音を伝えたい
千歳にとんでもない誘いを受けて、自分の下半身のことを忘れて思わず本音を言ってしまった。
「そ、その、俺、そういうことは千歳としてみたい」
『え? ワシだろ?』
あ、この言い方だとピンと来ないか。
「いや、その、千歳の核の人の、今の大人の姿って意味で」
『えええ!?』
びっくりする千歳。俺は、千歳が核の人の姿から戻れなくなった時、『この体やだ、恥ずかしい』みたいなこと言ってたのを思い出した。
「でも、その、嫌だろ?」
『嫌だよ! 恥ずかしいよ!』
千歳は飛び退いて自身の身体を抱きしめた。
俺はそこまで全然自分の下半身のことを考えてなかったが、やっと思い出した。いや全然回復の兆しないだろ! 無理だよ!
俺は、努めて落ち着いて、千歳にサラッと言った。
「そうだろ? だから、いいよ」
千歳はいまだ驚き冷めやらぬようだ。
『ていうか! お前わかってるだろ! ワシ女じゃないんだぞ! ついてるの男のだけだぞ!!』
「それはそうだろうなと思ってたけど」
孕むことも孕ますこともできない体。睾丸ついてなかったし、女性器もついてないだろうと思ってたけど、やっぱり。
『それでなんでそうなんだよ!』
千歳は吠えた。
「いや、だから、千歳が嫌ならいいんだよ。別に俺が童貞なことに責任感じないで」
『そ、そうか……』
千歳は静かになって、いったん引いてくれた。
俺は、もし千歳とそういう機会が持てるなら、千歳の中の他の人の姿じゃなくて、千歳の真の姿を抱きしめたい。千歳の芯に触れたい。
千歳とそういうことしたいなあ! できないけども! 俺の一身上の都合によりできないけども!
まあ、千歳は核の人の姿では、セックスどころか裸を見られるのも嫌みたいだし、何もなしに落ち着くのか。人生、そういうこともあるよな……。




