番外編 金谷千歳と朝霧の忌み子の姿
和泉の童貞はワシの一存に左右される。困る。
別にワシ、和泉にドキドキもムラムラもしないけど……でも、他の女を捕まえる練習ってことなら、別にいつだって和泉の好みの女の姿でやらせてはやれる。前にそう言って迫ったし、朝霧の忌み子の姿以外なら全然恥ずかしくないし。
でも、一応話をはっきりさせておこうと思って、夜2人でソファに座ってまったりしてる時、隣の和泉に聞いてみた。
『なあ、変なこと聞くけどさ』
「なーに?」
和泉はスマホから顔を上げた。狭山先生のDiscordで楽しくやってたみたい。
『お前さ、前にミクズメとかいうすごくいい女に迫られたじゃん』
「あー、あったねそんなこと」
『その時さ、お前「そういうことは好きな人としたい」って断ったんだろ』
「え、ま、まあ、そうですけど……はい……」
和泉は、ワシのことを意識したらしくて目が泳いだ。ワシは重ねて聞いた。
『つまり、ワシ以外とやる気ないってことか?』
「そ、そんな直接的な言い方されると……その、困るけども……」
和泉はうろたえ、そして観念したように言った。
「まあ、そうだと思ってください」
『そうか、やっぱり、お前ワシがやらせなきゃ童貞のままのつもりなのか』
「まあ……うん……結論としては、そうなる」
『そうか……』
和泉は気まずそう。ワシは身を乗り出した。
『ワシ、お前が童貞のままってのも責任感じるからさ』
「え?」
『ワシ、お前の好みの女になってやれるぞ? いい女引っかける前に練習ってことで、一発やらないか?』
「ええ!?」
和泉は目をかっ開いた。
『ほら、お前の好きなAV女優でも何でも』
「あ、あわわわわ……」
和泉は、いっそ面白いくらい狼狽した。
「そ、その、俺、そういうことは千歳としてみたい」
え? どういうことだ?
『え? ワシだろ?』
ワシが自分を指差すと、和泉は少し落ち着いて言った。
「いや、その、千歳の核の人の、今の大人の姿って意味で」
『えええ!?』
「でも、その、嫌だろ?」
『嫌だよ! 恥ずかしいよ!』
ワシはとっさに自分の体を抱きしめた。なんでこんな忌み子の体晒さなきゃいけないんだよ!
苦笑する和泉。
「そうだろ? だから、いいよ」
あっさり!
『ていうか! お前わかってるだろ! ワシ女じゃないんだぞ! ついてるの男のだけだぞ!!』
「それはそうだろうなと思ってたけど」
『それでなんでそうなんだよ!』
「いや、だから、千歳が嫌ならいいんだよ。別に俺が童貞なことに責任感じないで」
『そ、そうか……』
そんなら、別に無理言わないけど……ええー、じゃ、やっぱり、和泉はワシ以外とやる気ないのか……。




