僕たちが生きる一瞬を。
2021/06/19に撮影する短編映画の脚本です。この作品はYouTubeへ投稿します。
シーン1 ライブハウス(楽屋)現在
お客さんの風景・ライブハウスの様子が分かるように映像を切り取る。
芽衣、楽屋の椅子に座って鏡を見ている。
緊張をしているが、この置かれている立場を楽しんでいる様子。(幼い時の緊張(親からの虐待)とは違い、これから夢に向かうワクワク感を楽しんでいる様子。幼い時虐待から怯えてた様子からの成長を表現したい)
客席の方からはBGMをかき消すぐらいの騒がしい会話声が聞こえる。
芽衣、耳をふさいで目をつぶり深呼吸をし、過去を思い出す。
スタッフ 「芽衣さん、お願いします」
芽衣 「はい!」
と返事をして振り返る。芽衣、今いる場所を思い出す。
バンドの前奏が始まり、お客は静まり返る。
客席まで明るかったライブハウスも暗くなり、皆がステージに注目する。芽衣、楽屋から舞台裏、ステージへ堂々と歩いて向かう。芽衣のステージ登場に拍手や歓声で客席が盛り上がる。芽衣、ステージ上のギターを握る。マイクの前に立ち、一呼吸する。スポットライトがステージ中心に集まる。
芽衣「幼かったあの日、私には何にもなかった。人の言うことを聞いて。存在を消して。おびえて。逃げて。でも、これ(音楽)に出会えて自分を見つけて、今ここ(ステージ)に立ててる。だからと言って昔のことを消したいわけじゃない。しっかりここ(心)に残ってる。だから、今ここで皆さんと会えてます」
芽衣のMCに客席が盛り上がる。マイクから1歩下がりギターのボリュームを上げる。また、マイクに近づき話し始める。
芽衣「……今日は私たちをこのステージで迎え入れてくれたこと、とても感謝しています。……今見ている景色が素敵な時間になりますように。聞いてください○○(曲名)」
バンドメンバーは目配せをして、ドラムの4カウントで〇〇(曲名)を始めようとしてバチを振りかざそうとする。(フルショットでバンドメンバー全体が映るように)
シーン2 自宅アパート10年前(回想シーン)夕方15時~16時頃
聡子の足音。芽衣の荒い呼吸。
静かな部屋には小さな音が響いていて緊張感が走っていた。
聡子の階段を登ってくる静かな足音を聴き取って芽衣が急いで押し入れに隠れる。
(いつもとか、今日は、とかを使ってるのは、毎回、いつも怯えているってことを伝えたい。芽衣が家から飛び出すのも我慢の限界ってところにも繋がると思う)
聡子階段を登りながら、
聡子 「芽衣ちゃん、おやつ買ってきたよー食べない?」
芽衣はその声をかき消そうと耳を塞いで丸くなる。
聡子 「また隠れてるの? 今日はどこ? なんでいつもあんたはママから逃げるの?」
芽衣、耳は塞いでいるが、微かに聞こえる声に怯えて、もっと体を硬らせた。
聡子が部屋の中で歩く音が鳴り響く。
芽衣は耳から手を離して、耳を澄ませる。聡子の音は止んでいた。
聡子、勢いよく押入れの扉を開ける。芽衣、驚く。
聡子 「なんでいつもいつも隠れるの?」
芽衣 「……」
聡子 「いいから来なさい。ママの言うこと聞きなさい」
聡子、芽衣の手をとって押入れから出す。そのまま部屋を出て行く。
シーン3 自宅アパートとその付近10年前(回想シーン)夕方15時~16時頃
聡子、家で暴れ狂う。机の上にあるものをひっくり返す。飲み物が入っていたコップが床に転がる。その時に飲み物が飛び出ている描写。
聡子 「(聡子、芽衣に近寄って)あなたのせいよ。全て! いい子にいなさいって言ったでしょ? なぜ 悪ことするの!」
芽衣 「怯えてなにも返さない」
聡子 「何か言ったらどう?」
なにも返してこない芽衣に、また苛立ち、聡子は芽衣から離れた。机の上に置いてあったお酒を飲み干して空き缶を芽衣に向かって投げる。空き缶が芽衣に当たって奇妙な笑い声をあげる。
それでも物足りなかった聡子は狂ったように発狂し出して色々な物を芽衣にめがけて投げる。
芽衣、何も答えない様子に更に狂う様子の聡子。(母子家庭で話し相手がいない寂しい聡子。だが、芽衣の大人しい言い返せない性格に腹が立ってしょうがない様子)
芽衣、頭を守って小さくなりながら家を飛び出す。
芽衣、アパートを出て住宅街の路地裏まで走り続ける。
微かなアコギの音(走っているシーンから徐々に音量を上げて流す)が、芽衣の耳に届く。
彼女は音が鳴る公園へ歩いて行くと、少年がアコギを弾いていた。(気づいたらたどり着いた様子にする。汚れた姿で初対面の人と話すような性格では無いため)
芽衣は、恐る恐る、その少年に近づく。彼はベンチに腰がけギターを弾いていた。芽衣は、彼の前に座り、呆然と音楽に引き込まれた。彼の歌うメロディー(〇〇(曲名)の1部)に引き込まれた(アコギに憧れを持つのももちろんだが、少年にも憧れを持って(恋愛では無いが)演奏している姿に見とれている様子の芽衣)
少年が自分のことを見ている気配に気づきギターを弾くのをやめた。
少年 「音楽好きなの?」
芽衣 「(首を横に振る)」
少年 「そっか(悲しげに)」
芽衣 「でも、今、芽衣、感動したかも。音楽っていいかも……。(目を擦る。涙跡を消す描写)」
少年 「もしかして、初めて? ギターとか生でも見るの」
芽衣 「………(恥ずかしそうに)う、うん」
少年 「弾いてみたい?」
芽衣 「(首を縦にふる)」
少年 「じゃここおいで」
少年は隣を手で合図する。
芽衣、少年の横に座る。少年がギターの弾き方(簡単なコートひとつ)を芽衣に教える。
芽衣、ギターが鳴ったことに驚く、感動して、
芽衣 「すごい! これすごい! 楽しい!!」
今まででいちばん大きな声を出す。
芽衣、同じコードを繰り返し楽しそうに弾く。
少年は、立ち上がって帰り支度をする。芽衣はなおもギターに夢中。それをみた少年は嬉しそうにした。
少年 「それ、あげるよ」
芽衣 「え? これ高いんじゃないの?」
芽衣、手を止め少年を見上げる。
少年 「夢よりは安いよ」
芽衣 「(ポカンとして少年を見上げる)」
少年 「なんてね(微笑む)じゃ俺の夢、そのギターにいっぱい詰まってるから、よろしくな。頑張れよ」
ギターとギターケースを置いたまま少年去る。芽衣は、その後ろ姿を訳がわからないと言った表情で見つめる。
芽衣、彼を見送ってからギターに手をかける。さっき教わった通りに弦をおさえる。右手で音を出そうと振りかざした。(ギターを弾く直前でシーン5に移る)ギターのアップの映像で終わる。
シーン4。シーン1に戻る。
(説明。動画では使わない)
芽衣がステージに立つ隣で、少年からもらったギターを立てかける。そのギターはあの時の夢を追うことを辞めた先輩からもらったものだった。
シーン1に戻り、ドラムの4カウントがここで入る。
シーン4の歓声などのボリュームが徐々に上がる。
(多くの歓声の中、実際のライブに近い形の様子を多方面の角度からつなげる)
曲の終わり間際、カメラがアコギのアップになる瞬間に画面が暗くなり、エンディングに入る。
この脚本を読んでエキストラで出演したい方、以下のリンクからご連絡待ってます。https://filmovies.jimdosite.com/