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「反政府サーセット」


「着いたよ、ここからは、歩いて研究室に行く」と地下の通路は、培養液に全身浸された動物達がブクブクと液体の中で揺れていた。


 その奥に研究室があり、扉を開けると広々とした空間にたくさんの研究者がホログラムを見ながら話し合いをしていた。その中にサンド博士がいて、アーノルドに気づき手を上げた。アーノルドは挨拶し、アスカも会釈した。


「あれ、この子は?」とサンド教授はアスカを見ながら首をかしげた。

「この子はハルスの作り出したホログラムに、パラシュートで降りて来た。そこをたまたま通りかかって、すぐに助けたんだけど、ハルスの侵食の影響か、記憶が曖昧で、今、一緒に行動を共にしてもらってるんだ。名前はアスカ」とアーノルドは答えた。


「アーノルドに巻き込まれてアスカさんも大変だね」とサンド博士は笑った。

 サンド博士は、生物と宇宙の研究を行っていてアーノルドと同じ三十歳代の女性。サーセットのトップだ。サンド博士は二人を自分の研究室に案内した。サンド博士の机には、DNAや星、動植物、人間のホログラムが映し出されていた。


 アーノルドがサンド博士にワイズマン博士や大統領の話しをしている間、そのホログラムを見ていた。星のホログラムが気になりTA496の星をよく見ると、アスカが知っている地球ではなく、海が北極よりに多く、陸が南極側に多かった。見間違いかなと思いワイズマン博士がやっていたようにホログラムの中に指を入れ拡大してみた。赤道付近に街が集中し、さらに拡大すると、地下にあの横断シャトルが走っている図が現れた。

 

 アスカは頭を抱え座り込んだ。それに気づいたサンド博士とアーノルドがアスカを抱えベットに寝かせた。

「額が熱いわね。少し連れまわしすぎたんじゃないの。休ませてあげましょう」とアーノルドに伝えた。

「そのようだね。ところであの計画はどこまで進んでいる?」とアーノルドはサンド博士に確認した。


 サンド博士は、机のモニターに移動し、これを見て欲しいとアーノルドに伝えた。

「DNAは二重螺旋構造にし四つの塩基の仕組みで、その星の環境に合わせて、配置が変化出来るように自己修正能力を入れて見たの。これだと、最小限の質量とこの星の生命を司る情報が必要最小限でカプセルに集約出来るはずだわ」とアーノルドに伝えた。


 アーノルドは、自身のボードモニターを取り出し、カプセルの形を映し出した。

「この形状で生命が成長出来る許容温度で、外側の岩が溶けてその岩から必要な成分が出るようにしておこう。」とその場で、サンド博士とカプセルの最終調整を始めた。


「打ち上げの準備は整っているけどいつにする?」とサンド博士が質問した。

「そうだな。隣の星への打ち上げは政府がハルスの暴走を止めるために一時システムを停止せざるを得ない時がある。その瞬間に打ち上げよう。その時は、通信で直接連絡するよ。合図とともに打ち上げを頼む」とアーノルドは伝えた。


 その時、ワイズマン博士の研究室から連絡が入る。「アーノルド君、今、システムエラーの表示が数カ所に増えて、ハルスの侵入が防ぎきれない。このままでは、重力制御装置およびバリアフィールドの崩壊は目前だ」とワイズマン博士。


「分かりました。政府の人間に連絡し、一度、ハルスがある、都心部のシステムを一時、全停止するように伝えます」とアーノルドが言うと、サンド博士の空中車キーを掴み、「借りるよ」とサンド博士に伝えた。


「止めてるところは遠いからスタッフに送ってもらって、あの子はどうするの?」とサンド博士。

「分かった。アスカは、サンド博士に任せるよ」と言ってアーノルドはスタッフと共にl研究室を後にした。


 サンド博士は、外側の岩の構造を修正していると、アスカが目を覚ましたことに気がついた。

「大丈夫?」とサンド博士が心配そうに尋ねた。

「大丈夫です。少し動揺してしまいました。この星は、いつから陸と海が別れてしまったのですか」とアスカが答えた。


「この星が誕生して間もなくかな」とサンド博士がアスカの目を覗き込んだ。「黒色の目」とサンド博士が呟いた。

「アスカさんが覚えていることの話しを聞かせて」とサンド博士は椅子に座った。

 アスカは、地球と言う星に生まれ、車に乗って、飛行場でヘリコプターに乗って、でもパラシュートが初めてで、降りたったら、花畑で、アーノルドさんに助けられたことを話した。

 サンド博士は、アスカに「DNAを採取してもいい?」と承諾を得て、アスカのDNAを採取した。


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