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フリーゲーム

 その日は何か嫌な夢を見て、朝の四時ごろに目が覚めた。毎日八時間以上は寝ていたい私なのだけど、その嫌な夢の中で抱いた恐怖がなかなか去らなくて、すっかり目が冴えていた。


 夢の中で、私はフリーゲームをしていた。あまりゲームはしない私が、パソコンの前でせっせとゲームを進めていた。内容は覚えていないが、頭に残っている映像は、古いRPGのような画面だったと思う。山も草も村も全て押しなべて一枚のマップにされていて、その中をドット絵の勇者がうろついていた。

 一つのゲームなのだけど、ウィンドウは二つ開いていて、一つは白いフレームに黒地で白い文字が出ているだけだった。アニメのタイトルのような感じで、普通のゲームの画面と連動していて、ヒントなんかを出してくれるようだった。夢の中だからか知らないけれど、私は既に一度ゲームをクリアしていて、色々な情報も既に知っていて、無駄なくダンジョンをクリアしていく。そしてあるダンジョンで、そのゲームに関するうわさを思い出した。


『このゲームは、あるダンジョンで条件を満たすとホラーゲームになる』


 きっと、それはただのバグで、元のルートにプレイヤーを戻すための警告として恐ろしさを仕込んでいるんだろう。けれど、夢の中の私は構わず、少しずつグラフィックがおかしくなっていくゲームを進めていた。

 そこで、黒地のウィンドウの方の文字が動き出したのは覚えている。何と書いていたかは覚えていないけれど、私は、取り返しのつかない『何か』がその画面の向こうにいると感じ取って離席した。


 私の夢ではよくあることなのだけれど、夢の中の私がいなくなっても、夢を見ている私にはパソコンの画面が見えていた。プレイヤーがいなくなった後、勇者は崩れていくグラフィックの中を徘徊している。最後に残ったのは、バグを発生させたダンジョンへの入り口だった。

 そして、黒地の画面の文字だけはいつまでも動いていて、何かが、そこから私に向かって呼びかけていた。夢の中の、プレイヤーではない。それを映像として眺めている、夢を見ている私にだ。

 何かが近付いてくる。これ以上進んではいけない、ウィンドウを閉じなければいけない。けれど、



 目が覚めた。


 目が覚める寸前に、耳元で何かを言われたように思った。

 こうして思い返すとただの奇妙な夢なのだけれど、これを書いている今現在も、背中にぴったりと何かが張り付いていると感じる。


 ゲームを終了してから目を覚ませばよかったと、少し後悔している。


 というのも、夢の中で見たゲームと同じものを、今、自分のパソコンの中に見つけてしまったからだ。

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