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落とし物

 最近、大きな袋を担いで歩くのが趣味になっている。道に転がる落とし物を拾って、必要そうなら届けるのが趣味なのだが、受け取り拒否をされることが多いので、もう大きな袋でいいだろうと思い至った次第だ。

 都会も田舎も、とにかく落とし物というのは多い。昔から多かったけれど、昨今は特に、持ち主が拒否するような落とし物が増えた印象だ。


「落っことしましたよ」


 目の前で拾って見せても、嫌な顔をされて「いらない」と言う。そういう時は担いでいる袋にぽいと放り込むのだけど、目の前で放り込んで見せると、途端に「やっぱり返してくれ」と言う人のまあ多いこと。大袋を揺らして、もう無理ですよぉ、と言うと泣きそうな顔をする。だから、仕方ないなあ、今回だけですよ、と言って手渡す。そういう人は二度と落とさないし、落としたものの大きさがよく分かっているからだ。



 今日はひときわ大きいものを拾った。袋に入らないくらいだったので、まだ空だった袋をしまって、えっちらおっちら担いでいった。持ち主の家のインターホンを押すと、五分くらい待って持ち主が出てきた。


「落っことしてましたよ。あなたの後悔」


 両腕に抱えてもまだ足りないくらいのそれを持ち主に返すと、その人は大声で泣き出した。

 開けっぱなしの玄関から、血の匂いがしてきていた。

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