第97項「2日続けて女性との食事をすることになる①」
遂に妹の舞美さんも出てくるとは…。
あと1話続きます。
※クリスマスって何であるんですかね?
俺は、舞美さんとの朝のランニングを終えた。
最近は仕事が忙しくて俺はこのモーニングランニングに参加できていなかったので、久しぶりに舞美さんの走る姿を見たところフォームも綺麗になっていた。
毎朝走っているおかげか舞美さんもだいぶ体力もついてきたのかなぁという印象を受けた。
それに前より痩せて見えるのでこの練習はちゃんと意味がある物だなぁと感じた。
もちろんこんなことは本人には言えない。
俺は、舞美さんと別れ汗をかいた服をそのまま洗濯機に突っ込み他の洗濯物と一緒に洗っている間に自分もシャワーを浴びて汗を流す。
仕事服に着替え髪を整えて洗濯機から湿った服を取り出し外に干す。
梅雨がもう間もなく入ると天気予報で言っていたので一応中干しにする。
今は晴れているから外に干したいんだけどなぁ。
帰ってきたら干した服が濡れていたら嫌だからなぁ…。
仕事をするにおいても梅雨の時期程嫌なものは無い。
仕事というか任務に当たっている際は基本傘をさしてはならないのだ。
他のボディーガードさんがどうしているかは分からないが、うちはそういう決まりになっていた気がする。
俺の今日の仕事としては、11:00に都内で人と会う事になっている。
相手の人はGWの始めの方に仕事を依頼されてそれの御礼という事で食事の場を設けさせてほしいと言われた。
ただ、俺も華南さんの仕事を支えるという新たな仕事も増えたので中々予定がつきづらく1ヶ月以上経った今日になってしまったわけだ。
仕事のお礼をさせて欲しいというこっちは受け取る側ではあるが、かなり相手に待たせてしまったなと反省の気持ちが大きい。
俺は毎朝のルーティンである野菜ジュースを注いで飲み干したあと家を出る。
「あら、高島さん、先ほどのランニングご一緒させていただいてありがとうございました。これから仕事へ行かれるのですか?」
扉のカギを閉めているととなりの家の扉が開き舞美さんの声が聞こえる。
「おう、さっきぶりだなぁ。お疲れ様~。このあと都内で人に会わなくてはならなくてなぁ。」
華南さん関係以外の仕事はかなり久しぶりな気がする。
「あ、そうなんですね、その取引相手先の人って男性ですか、女性ですか?」
「たしか、女性だったと思うよ~。一度しか仕事を依頼されたことが無くてあまりどういう職業をやっている人なのかは良く分からないんだけどねぇ。」
確か、前に少し聞いた時は都内にあるIT企業の女性社長だと聞いたことを思い出す。
「え、まさか、その女の人に会いに行くって浮気ですか?私という人がありながら…。」
なんか“会いに行く”という言い方が、悪意を感じるけど、仕事なんだから会いに行くというか…。何と言う言い回しならこの人理解してくれるかなぁ…。(汗)
「な、そんなわけないだろ?その人とは単に前に仕事を依頼されてきた仕事関係だけの人だよ?」
実際問題その通りだからなぁ。俺は服装を整え歩き出そうとする。
「高島さん、私がポロっと言った最後の文章ちゃんと拾って何か言ってくださいよ?」
「え?あ、“私と言う人がありながら”の部分の事?俺、舞美さんといつそんな関係になったかなぁ…。舞美さんの思い込みとか?」
「高島さんって時々酷いこと言いますよね?わざと言っているのか、鈍感で天然だからそう言う言葉がこぼれるのか…。まぁもういいです。これからはこっちから仕掛けますからね?覚悟してくださいよ?」
なんかこのセリフ昨日のお出かけの最後帰る前に華南さんにも似たようなことを言われた気がする。
「ええ、それは嫌だなぁ…。」
さすがに考えていることが双子姉妹似ているからと言って両方にそんなことを言われたら手に負えない。
俺はマンションの敷地を出て駅に向かう。
駅の改札に入りICカードをかざしてホームに降りる。
既に朝ラッシュに時間帯は終わっているのでそこまで車内も混んでいなくて普通に座れた。
それにしても昨日の華南さんとのお出かけはけっこう楽しかった。
最初は陰キャ男子代表みたいな俺が、あんな文才女子大学生と遠出すると言うのは自信が持てなかったが、丈瑠の父親である健さんのアドバイスや丈瑠本人からも女性とのお出かけで注意する点を教えてもらったり服装や身だしなみなどの監修もしてもらったりしたので、なんだかんだあの半日は上手く振舞えたのかなぁと思う。
ただ、想定していなかったのは目的地に着いて映画が開始する前にお昼を食べた時に華南さんがオムライスを食べさせてほしいと言われ食べさせたは良いけど、その口づけのスプーンのまま俺も残りのオムライスを食べ続けるかどうか葛藤した経験は一生忘れないと思う。
食べさせ合うという行為も普通は恋人になっていない男女がやる物ではないだろうと俺はラノベとかを読んできて思っていたのであの展開は驚きと謎の歓喜が交錯していた。
そんな昨日の事を振り返っていたら、電車は東京駅に着いた。
さっき俺が乗った駅と比べ明らかに人の出入りが多い世界的に見てもトップクラス級の人流の多さだと思う。
それにこの駅は大正時代に建てられた駅舎を多少復原作業とかをしているみたいだが、
日本でも最も美しい駅舎と言っても過言ではないと前にテレビで言っていたのを思い出す。
俺は事前に指定されているレストランを探すために改札を一度出る。
駅を出ると左側には郵便局の“〒”が記載された大型商業施設が見えるが、俺が向かっている場所はそっちではない。
むしろ東京駅丸の内口を背にして右側の方の建物の方にその店はあるらしい。
後ろを振り返ると赤レンガを積合わせた駅舎が見え今日もこの駅周辺では報道陣が居たりする。
事前に送られた地図を見ながら歩くと目的地のビルが見えてきた。
そこの4階のレストランの前に集合らしい。
俺は東京駅に降りること自体がかなり久しぶりで前に来た時はまだ復原作業をしていてこの指定された建物も建築されていなかった気がする。
まぁ前に来たのはもう8年くらい前の話ではあるが…。
腕時計の時刻を見ると10:55を差していた。
建物内は、レストラン街以外にも本屋や文房具屋などが並んでいる。
それらの共通点として、1つの店舗に対するフロアの面積がとても大きく広く空間を使っているようだ。
「あ、すいません、あなたが高島俊明さんですよね?」
スーツを着た40代くらいの女性が俺の目の前に現れ声をかけてくれた。
見た目は40代よりはもう少し下かなぁ。
前に会ったのは1カ月前ではあるが、また違った印象がある。
決して老けていることは無く若いOLに近いのかなぁ。
「あ、そうですけど…。」
「今日は来ていただいてありがとうございます。じゃぁ早速中に入りましょう。」
その女性は微笑みながら店の方に入っていた。
俺はその人に黙ってついていくしかなかったのだ。




