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第94項「新前華南side㉓~初めての男性との休日のお出かけ編その5~」

長めです。華南sideはもう少しで終わります。

私と先輩はカップルシートを目の前にして佇む。


2人に会話は無くお互い恥ずかしさを隠し切れずどうする?状態になっている…。


私だってカップルシートなんて自分が座る経験をする事はもちろん今回が初めてなのでとても緊張している。


「まぁ。そうだなぁ。とりあえず座ろうか?華南さんよ…。」


先輩も現実を受け入れつつあるが、まだ完全にこの状況を呑み込めていないような少しおどおどしている感じにも見受けられる。


「はい。そうですね…。」

私も暗い空間の中で先輩の顔を見ながらも私自身も緊張しているなぁと自分の胸に当ててみて認識する。


やがて、シアター内が更に暗くなり前にあるスクリーンにだけ光が当たる。


開始まであと数分を待つ間購入したポップコーンを食べようと思ってその器の所に手を伸ばした際に先輩の指が私の指と触れた。


大きくてごつごつとしていてやっぱり男の人何だなぁとお互いの手が接触しただけで分かる。


口に運んだポップコーンには甘さと少ししょっぱさというか塩味が中で転がる。


そして先輩との距離がとても近い。

この2時間の間だったら先輩を仮に襲っても周囲にはばれない気がする。


まぁそんなことをやる根性も無いし先輩には嫌われたくないからそんなことはできないけどね…。


でも私の方が年上だったらもしかしたら.....。


でも物理的に距離が近いから少しでも私の事を意識してもらえるようにこの2時間でできたら良いなあと思う。



映画は結論から言うと面白かった。


”お試し同棲してみたら隣の住人が俺の初恋だった件”の劇場版は笑いあり涙ありの作品で最終的に男主人公と昔の幼なじみの女の子とやっぱりくっついたのは話の構成から予想はできていた。実は女の子の方も転校してからずっと次にその男主人公と再会できるまで彼に見合った人間になろうと自分磨きをしていたしそれにかなり美しいお嬢さんみたいな感じで描かれていたから女性の私から見てもこういう”恋”も良いなと思ったしその再会後の男主人公と幼なじみの初々しさが見ていて可愛かったし両片思いと言うのがまた良い響きだなと思った。


驚いたのはその主人公の男の子は既に同棲していた女の子の事は人として良い印象はあったが、恋人としては違うと思っていたことが発覚しむしろ女の子の方が男主人公への”好き”アピールが強く告白したのも女の子の方が先という設定が驚いた。


最終的に男主人公と幼なじみ同士が気持ちがあることを分かった同棲していた女の子の方が諦める描写は”恋”にはかなわないものがあり全てが上手くは行かない難しい物だなと感じた。


でも最終的にその女の子もその幼馴染の弟と付き合う運びになって良かったなぁと心から思った。


鑑賞者としてもこういった恋愛作品を作っている人との立場から見ても良い作品だと思うし勉強にもなった。


そして映画上映中に私は少しからかってみた。


それは先輩の手を初めて握ったことだ。


さっき手が触れた際にもう少し触りたいと思ったのだと思う。


私は普段話している時より清楚系の声で先輩の耳に小さく呟いてみた。


最初の方は先輩も画面の方に集中していて気づかなかったようだが、少したってから気づき私の声を聞いてくれた。


顔をこちらに振り返る前の先輩の顔が画面から放たれる光に照らされて顔も横からみても改めてかっこよいなぁと惚れてしまいそうだった。


というか…。ここだけの話…。惚れてしまったと実感した。


先輩は暗闇の中でも明らかに動揺しているのが分かり少し身体がぶるっと震えたことで2人用にしては狭いカップルシートが横に軋んだ。


でも嬉しかったのは先輩も私が握ったら握り返してくれてそのまま映画が終わるまでずっと握ったままで最後のフィナーレを迎える事になったのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「映画終わっちゃいましたね?」


「ああ…。面白かったなぁ…。良い終わり方だなと思ったよ。」


先輩は、噛みしめるように話し始めた。


「せんぱい…。結局私達手を握りあっていましたね?私が強めに握ったら先輩の方も強く握り返してくれたので嬉しかったです…。(赤面)」


先輩は最初は少し動揺している感じだったが、映画の最後を迎えるに当たって自然に手を握ってくれたのは恥ずかしさもあったけど嬉しい気持ちの方が強かった。


「俺も最初華南さんが握ってきたときは”え?”ってなってどうすれば良いのか分からなくて困ったけど、握りかえしておけばよいのかなと思って…。」


私はこの人と今日映画を観ることができたのはとても良かったと思う。


「とりあえずこの部屋を出ますか?もう既に人は居ないようですし…。」

私達以外この部屋に居ないことが分かったので急いで外に出る。


「いつの間にか、他の人が居なくなっているな…。」


椅子から離れる時に”カップルシート”の方に目を向ける。


2時間前はこの椅子に座って先輩と2人で座ることに対してとても緊張したが、今になってみると先輩と手をつなぐことはできたし先輩のかっこよさを知り私自身がこの先輩を好きなのかなぁという気持ちが大きくなった気がした2時間だったと思う。


この私自身の経験は作品を今後書いていく中で活かせる気がする。


私達は映画館の建物を出た。

外に出るとまだ日差しが残っていて暑さがある。


でも吹いてきた風は私の頬をさすってくれて無事に映画を観に来れて良かった気持ちと感謝の気持ちで一杯になった気がした…。


「このあとどうしましょうか?」


「ポップコーン久しぶりに食べて美味しかったけど、ずっと食べていると口の中の水分が持ってかれるなとは感じていたからどっか店でも入って、映画の感想でも言い合いながら何か飲む?」


先輩は言った。


確かに気づいていなかったが、乾いたとうもろこしによってこの数時間で水分を持っていかれた気がするのでその提案には賛成だった。


気が利くなぁと感じた。


「そうですね…。そうしましょうか…。私もポップコーンをずっと食べていたので口の中が乾いてしまって水分を欲しいと思っていたので。それで行きたいです…。」



夕方に近づいている事から映画を観る前には多くいた小さい親子連れの姿は無く高校生や大学生のカップルや友達同士といった若者が多く歩いていた。


俺らって傍からみればカップル同士に見えるのかなぁ…。

俺は街頭インタビューで2人の関係を聞かれたら仕事仲間ですと言い切りそうな気がする。


実際その通りだから間違いはない。


俺は微笑みながら歩いている男女の姿を見ながら考える。


それから先ほどから華南さんに注がれる視線が良く目立つ。

カップルの男の方が華南さんの姿に釘付けである。


この人服装関係で目立っている印象はないが、たぶん存在、いやオーラが他の人とは違うのだと思う。


「せんぱ~い、あの店にしましょうよ。」


俺は指で刺された店の方に目を向ける。

お昼ご飯を食べた時のようなビンテージ系の店ではなく若者をターゲットにした外観も明るめのお店だった。


「ああ…。そうだな…。そうするか…。」


「せんぱいは何を飲みますか?」


「俺は無難にジンジャーエールだなぁ…。華南さんは?」


「このアイスティーにします…。」


「ほう…。」


「いま、クリーム系の物を頼むとかじゃないないんだとか思いました?」


「いや、思っていないけど、この店のメニューやたらとクリーム系が多いから入る店間違えたかもなぁっと…。確か華南さんクリーム系苦手じゃなかったっけ?」


「苦手ではないですけど、積極的には食べないだけですよ…。でもそのこと覚えてくれていたのは嬉しいです…。」


「まぁ、一応仕事でも大学でも一緒に居る事が多いからなぁ…。まぁそういう契約を結んだからけど…。」


「嬉しさで終わろうと思っていたのになんか余計なこと言われて少しむっとします…。」


全くせっかく人が良い気持ちになっているところだったのに水を差すようなことを言わないで欲しいなぁと感じた。

こういうところなんだよね…。先輩の欠点と言えば…。

「おれ、間違った事言った?とりあえず飲んで口の中の水分を取り戻そうぜ…。」


「はい…。そうですね…。」


私は溜息を吐きながらこの人になんて言う言葉を言うべきか考える…。


「まぁ。先輩の最後の余計な一言で少しむっとするというか私の事を理解してくれて嬉しい気分に浸れて終われると思ったのに…。先輩の良くないところはそういうところですよ?」


先輩は地雷を踏んでしまったなという顔をしていた。



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