第90項「新前華南side⑲~初めての男性との休日のお出かけ編~」
新前華南side休日お出かけ編スタートです!!
私は、いま約束した駅の改札に向かって歩いていた。
いつも大学や仕事の際に着ている地味な服ではなくてたぶん私至上いままでの人生で一番着飾っているような服装に身を包んでいる気がする。
それに服だけでなく私の両耳と鼻の上にあるメガネも普段は四角めの物を使っているが、今回はお洒落に沿ったレンズが丸い形になっているメガネをかけていた。
ちゃんと私の服装が普段高島さんと一緒に居る時と比べて今日の為に違うものを着ていることに気づいてもらえるかが正直なところ一番不安である。
そもそも私が高島さんと今日一緒に出掛ける事になったのはちょうど3日前までさかのぼる。
あの日は高島さんと都内での仕事を終えてラッシュ時間の一番のピークに差し掛かり最寄り駅に着いたけど降りようと思ったら客が乗ってきて降りるのを諦めて隣の駅に着いてそこから家まで日頃より少し長い帰路を歩いていた。
駅を出るとロータリー前にしか照らされている場所が無く家までを行く道には電灯はあるにはあるものの数自体は少なく暗闇の中を必死に黙って高島さんと歩いていた。
私はさと美さんに来月までに高島さんを誘ってどこかに出掛けてみたらどうかと言われていた。
なのでここ何日か男性をお出かけに誘ったことが無い私はインターネットを用いて誘う方法を調べた。
しかし、いくら調べても提示された記事を見て自分的に納得できなかったので素直に自分の言葉で言えば良いのではと思い始めた。
駅から歩き始めて何分か立った時に私はもうここで言ってしまおうと思った。
それを言う為に口を開いたことところ高島さんも同時に口を開いていてびっくりした。
ただ、高島さんの方も驚いた表情をしているのがたまたま電灯の光が顔に当たっていたので分かった。
いきなり誘うのも気持ちが持たないので少し軽めの話からする事に決めた。
高島さんに給料の支払いについて話し、2つ目に恐る恐る話し始めた。
ここからが本番である。
素直に”休日に一緒に出掛けませんか”と誘った。
このことを伝えた際に高島さんは「え?」という少し驚いたような反応を示していたので急に言われても情報の処理が追いついていない顔をしていた。
誘い文句を2回も言うのは恥ずかしさがあって緊張したが、一緒にでかけませんかとはっきりと彼に聞こえる言葉で言う。
2回目で言われた際に「お、おう。」と言う曖昧な返事を高島さんにされて早く答えてくれ~とこっちも恥ずかしい気持ちをおさえながら誘っているんだよと思いながら先輩の回答を待った。
しかしいつまでたっても返答しないので今の反応が一緒に出掛けても良い反応なのか聞いた。
それに先輩の場合あんまり女性と遊んでいるイメージが無いので誘われること自体が無くて自分が誘われていることが急には受け入れられずに反応できないのかも合わせて伝えたら、意外な反応が返ってきてちょっとびっくりした。
それは、先輩も私に週末とかにどこかに出掛けないかと誘うと考えていたらしい。
となると…さっき私に話しかけようと思ったのは私をお出かけに誘おうと思って口を開いたのかもなぁと思った。
そしてなんか悪いことをしたなぁと思った。
タイミングが重なったら目上の人を優先した方が良いとどこかで聞いたような気もした。
でもあの人の場合他の人のために自分の事は後回しにするから次にタイミングがあった時は先輩に譲ろうと思う。
私が今まで男の人におでかけを誘われたことはあるにはあるが、どの場合もどこか下心があるような寒気がして誘われてもそれに乗ることは全く無かったが高島さんが私を誘おうと思ってくれていたのは普通に嬉しかった。
この違いは何だろうと考えた時きっかけは仕事での出会いではあるが、もっと彼の事を知りたいという気持ちがあるからだと思う。
そして急遽6月の第1週目の土曜日にお互い仕事がないことからその日に出掛ける事になった。
その日というのが今日である。
今日のおでかけのルートは2日前に話をすることにした。
一般的に男女のお出かけは男性の方が女性の意見を聞きながらルートをたてるものなのかもしれないが、そのおでかけには私自身も行くので一緒に決めたいと感じた。
また、高島さんの場合、あまり女性と出掛けることが無いと聞いているので少し不安があった。
しかし、その心配は無用だった。
この話し合いをしている時に高島さんは、事前に彼なりのお出かけルートを考えてくれたみたいで私から先に誘ったが、高島さんも私を誘う事を考えていたことからこのお出かけルートについて説明してくれた時けっこう真剣に考えてくれたんだなと感じて嬉しかった。
それに私も考えていた映画鑑賞は当日の行程に組み込むことにした。
映画を見るジャンルについてアニメの劇場版を観るという部分が共通していたので興味を持っていることや考えていることが同じで良かったと思う。
私もこの業界で作品を書いているきっかけとして理由は色々あるが、幼少期からアニメは大好きなので映画を見に行く際もそこらのドラマみたいな話よりアニメ作品に目が行ってしまう。なのでそれが分かり合える人に巡り合えたのは大きい。
そんな中”お試し同棲してみたら隣の住人が俺の初恋だった件”というここ数年で急に伸びている作品の劇場版が公開されることが分かりこれは一度見てみたいなと感じ高島さんに提案した。
私的にも一度離れた初恋の人と再会して最終的に付き合う事ができるなんて良いなと感じた。
作品についてのWikipediaを見たところ小説版ではその初恋の人と結婚する部分までの内容が既に発売されているようでそんな恋をしてみたいなと感じた。
映画を見てそのあとに映画の話をして帰るというのは初めてのその男女のデートと言うかお出かけには時間的にもちょうど良いと思う。
私的にはもう少し長くその時間を楽しみたいと考えているが、次も行きたいと言う時は今日のお出かけの最後に本人に言おうと思う。
私は、黒いメガネをかけ仕事をしている時よりかっこよい服を着た高島さんを見つけいつも仕事で使う改札の前までテンション上げて彼の元に行くとしよう…。
試しに高島さんの背後から忍び込んで突然顔を隠して「だ~れだ?」ってやって高島さんの反応を見てみようかな…。
普段私はそういうキャラではないんだけど…。
ついこのお出かけが楽しみすぎて、好きな人と休日を過ごせるのは嬉しいなと思うよ。
ほんとうに…。




