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第87項「はじめての妹以外の女性との休日の過ごし方⑤」

映画回あと少しで終わります。

俺は華南さんに言われた”カップルシート”というものを視界に入れる。


椅子のつくりもシートのモケットも恋人を意識したラブラブ感満載を醸し出すのを助けてくれるための設計になっているみたいだ。


そして俺は思った。この座席2人で座るには狭くね?


俺は”カップルシート”なんて一生縁がないものだと思っていたから、ライトノベルやアニメでしかその物を観たことが無かったので実物をこの目で確認するのは今現在が初めてである。


この椅子は意地でも男女の密着度を高める事に特化した椅子のようだ。


「まぁ。そうだなぁ。とりあえず座ろうか?華南さんよ…。」


「はい。そうですね…。」


華南さんもこの椅子の場所に着いてから日頃仕事の時にはあまり見ないように落ち着きを失っている状況だ。


華南さんでも動揺することがあるんだなと感じた。


シアター内が暗くなってきた。

映画が始まる前に流れる他の映画の予告や映画ドロボーの30秒くらいの動画も既に流れたのであとは上映が始まるのを待つだけである。


俺は暗い場所は普段の仕事などで慣れている事から自分の周囲の物はクリアとまでは行かないが確認する事はできる。


俺は手探りで自分の身体を椅子の奥の方に座れるように一瞬立とうとしたら、華南さんの手が触れてしまった…。


「…?あ…。」


俺と手が触れたことから華南さんが少し動揺した声が漏れてきた…。


口の中に入っいるキャラメル味のポップコーンが甘すぎるので塩を間に挟みながら食べる。


映画はまだ始まっていないのに彼女の手に触れたことで口の中にある乾いたポップコーン自体の味覚の感覚が失われつつある状態だ。


俺の緊張感が一層高まりつつある中映画は上映を開始したのだった。


今回俺たちが見ている”お試し同棲してみたら隣の住人が俺の初恋だった件”という作品は4年前くらいにライトノベル作品として発売されて以来人気に火がつきアニメ化が1期、2期と放送された。


今回は2期の最終回からの続きを描いたこの作品における最終章という事で劇場版で作品が製作されることになったらしい。


俺は映画の予約をする時にこの作品について知ったので今観ている作品の印象が良ければ原作小説を近々買いに行こうかなと考えている。


この話の大まかな内容としては、高校入学を期に主人公が恋人と付き合って同棲生活を試しにしてみないかと相手の女子から誘われて同棲生活を期間限定でして問題なければ本格的に同棲生活をするという条件でお試し同棲生活を送る事になった。


お試し同棲生活を始めて5か月、主人公達のとなりに引っ越してきて住み始めた住人が男主人公のかつての幼馴染で初恋でもある女子だった。


彼女とは一度親の転勤で連絡も取れていなかったが時を経て再会することができ主人公達と同じ高校に通う事になる。


実はそのとなりに引っ越してきた幼馴染の女性も男主人公のことが引っ越す前から好きで今でもその男主人公に気持ちがあるというラブコメディである。


最終的に、主人公に同棲生活を誘ったヒロインが主人公にとって初恋の隣人の女子と男主人公が両想いであることが分かり、最終的に初恋の女子と男主人公は結ばれ今まで一緒に住んでいた女の子は初恋の女子と一緒に住んでいた弟と結ばれてハッピーエンドな結末に終わる作品だった。


映画の最後の方は男主人公とその幼馴染兼初恋のヒロインが卒業式の日にお互いの気持ちを桜並木の道の下で伝え合う描写が描かれとても心温まる作品だなと思った。


スクリーンを観ながらもポップコーンを取るときに華南さんの手が触れてしまった時はとてもドキドキした。


そして女の子の指ってシアター自体が暗かったから見えなかったけど綺麗で可愛い指先だなと感じた。


そして華南さんとの距離が近く密着感が半端なくて凄い手汗をかいた。

女性との映画なんて初めてだし、いや色々初めてなんだけどさ…。


緊張感が抜けなくて映画に最後まで集中して観る事ができなかったので再履修でもう一度この作品に一人で向き合う必要があるなと感じた。


内容的には最初の方になるが、初恋の女性と同棲生活をしてそして結ばれるというのもありなのかもしれないけど、現実的になって考えるとそもそも一度別れたしまった初恋の女子と再会するなんて奇跡起きるのかという疑問もあったが、それはしょせん物語なので気にしない。


2次元の世界では奇跡は起きるものなのだ。


そして何よりも一番緊張したのは自分の右手を椅子の上において観ていたら不意に華南さんが俺の手を握ってきたことだ。


「せんぱい。いまとても緊張していますね?手汗かいていますよ?でもわたしは…。わたしは…。」

俺の耳元で小さく囁く。


画面から出る音も聞こえるが、華南さんの透明な声が俺の耳に入ったことで集中力が欠如する事になったのは言うまでもないだろう…。


この人改めて思ったけど、良い声しているなぁ…。

なんか落ち着きがある清楚な声?っというのかなぁ…。


”清楚な声”って何だろ?

表現方法が分からんなぁ…。


「先輩の”手”握ったままでも良いですか?」


この一言は破壊力あると思う。


暗い部屋の中で”カップルシート”という謎の付加価値が付いた本来ならば恋人しか座ることを許されない座席に密着した状態で普段とは違う仕事以外の後輩のこの一言を言ったら

はっきりいってこの後の返事に多くの事を話すことはできないだろう…。


「お…。おう…。」


結局映画が終わるまで俺と華南さんのは手をつないだまま映画の最後の場面に突入し画面に引き込まれながらも自分の手の方は強く握られたのでこちらも強めに握ったことから全集中で映画を観る事ができなかったのが心残りだが、女性との密着度満載の映画鑑賞会は今後の酒の肴として話すくらいはできるようなドキドキ感ある体験だった。



2人のドキドキ感を一緒に味わい方は評価・ブックマークお願いします。

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