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第82項「中間報告」

昨日よりは短めですね。

傘をさすことが多くなる日が最近多くなってきた。


そしてまるで少し蒸し暑い風呂に入っているような湿度高めの月といえば6月であろう。

この季節は俺にとっては好きではない。


俺は傘を差すことが好きではない。

まぁ多くの人は梅雨の時期が好きだという人は少ないだろう。


そんな外の窓に滴る雫にときおり目を向けしとしとと降る雨の音色を聞きながら俺は丈瑠の質問に答えていた。


「それで、華南さんにデートの誘いはできたのか?」と.....。


「ああ、水曜日の仕事の帰りになぁ。俺がその話をしようと思ったら、華南さんの口も同時に開いたからさ。華南さんに”先に話して良いよ”って言って話してもらったらさ、彼女の方から”次の休日にどこかに出掛けませんか”と向こうが先に誘ってきたんだ…。」


「ほう。やっぱりそうか…。」


なんかもっと”まじか”とかそういう反応を示すかと思っていたけど…。


”やっぱり”ってなんだ?

まるで丈瑠は華南さんが俺をお出かけに誘う事を最初から分かっていたような言い方だ。


それから丈瑠は口を開いた。


「それを聞いて俊明はどうしたの?」


「俺も華南さんをあの日の帰り道に誘おうと思ったんだけどねぇ。あの時に華南さんに先に言われてしまって彼女に譲る前に先に言えば良かったなぁと後悔の念があったけどさ。先に言われてしまった以上しょうがないから、俺も華南さんをお出かけに誘うと思っていたことを素直に話したよ。」


あの時華南さんの誘いに対してただ、”うん。良いよ”と返事していただけではきっと今も後悔していたままだと思う。


あのとき男である俺の方が後から言う形になってしまったけど一応”誘いたい”という事をあの場、あの一瞬で言えて良かったと思う。


「なるほど。先に彼女の方から言われてしまったけどトシの方もその気持ちと言うかこちらも誘うと考えていたことは本人に言ったんだね?」


「ああぁ。そうだ。」


「じゃあさ、2人ってさ。もしかしたら両想いなんじゃね?」


「はぁ!?いや、そこまでは行かないだろ?ただ、休日にどこかに出かける為に誘った事が両想いには結びつかないだろ?」


実際に普通の大学生は男女の集団で出掛けたりする場合にまぁ知らないけど基本的に男子が女子を誘って行くような感じだと耳にしたことがある。

”お出かけに誘う事=両想い”という概念は通用しないはずだ。


まぁ、俺は男女で遊びに行くほどそもそも友達居なかったからそのような実体験をしたことはない。

あくまで聞いた話の情報だ。


「そうかな。でも華南さんってこの大学に編入してからかなり多くの男子にお出かけのお誘いや告白とかの全てを断っているんだよ。それでトシの場合は、華南さんの方から先に誘ってきたんだから、何かしらトシに何かあるんだと思うよ~~。」


「ふ~ん。」


「まぁ。いまは気づかなくてもいずれトシでも気づく日が来ると思うよ~。それで、その切った髪の毛については何か言われた?気づいてもらえた?」


「ああ。”あ~切ったんだね”って言っていた。」


「いや、たぶん華南さんももう少し何かしらの感情を抱いたと思うけど…。まぁでも気づいてもらえたんなら良かったんじゃね?トシも前の姿より今の方が爽やか系男子に見えるしね。」


まぁ。自分も少し視界が前髪が特に長かった時より視界がクリアに広がった気はする。


「それで、デートの方はいつ行くの?」


デートじゃねーし。ただのお出かけだわ。

間違えるなと言っても丈瑠には通じなそうだから自分の心の中でツッコむ。


「あしたの午後くらいから行くつもり。」


「おお、明日かぁ?俺も後ろから付いて行っても良い?」


にやにやしながら丈瑠は聞く。


「はぁ?さすがに幼馴染歴18年くらいの丈瑠でも嫌だわ。てか、それもうストーカーじゃん?」


「それって俺が仮に付いて行ったらやきもちを焼くとかそういう感じ?嫉妬みたいな?」


「昔はお前に嫉妬したことは何度もあるが、そんなことで今はしないわ。」


「トシが俺の事を普段の会話では”丈瑠”呼びなのに少し機嫌悪くなると”おまえ”呼びになるから冗談はこのくらいにしておくわ。」


「そうしてくれ。」


「それで、デート当日は何をするの?」


「昨日2人でどこに行くかを話し合って映画を見に行こうとなったわけよ。そのあと、少し映画の感想を言い合ってからウィンドウショッピングして帰宅する感じかな。あんまり長くはお出かけしないと思う。」


「なるほど。映画はどういうジャンルで具体的にどういう作品を見るの?」


「ああ、恋愛アニメ作品で、”お試し同棲してみたら隣の住人が俺の初恋だった件”という作品だよ。1週間前に公開されて以来結構人気なようでね。アニメ好きな俺としては是非見に行きたいと思ってさ。」


「それって華南さんの方は女性だけどアニメ見たりする人なの?」


「そうだね。あの人はけっこう見ていると思う。逆を言うと俺も華南さんもアニメ以外をあまり見ないから俳優・女優が出ているドラマは興味ないんだよね。だからこの映画を観ようとなったわけよ。」


「華南さんってアニメ好き系女性だったんだ。あんまりそういうイメージ無かったけどな。」


「俺も最初にそれを知った時は同志が近くに居て良かった~って思った。」


「”近く”ね~。まぁ。楽しんで来いよ。お出かけじゃなくて”デート”なぁ。後で感想とか聞かせてくれよ~~。」


俺は華南さんとの集合場所である駅に丈瑠は次の授業の教室に行くために別れた。


雨はまだ少し降っているようだが、明日が楽しみなような緊張するようなそんな感情が心の中を回っていた気がした。


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