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第79項「世界が色づいていることを自分が認識する為にも髪は切ったほうが良い」

短めです。


12月入りましたね。あと1か月頑張りましょうね!!

俺はいつもの16:30と針が指した壁時計が掛かってあるのが見える駅の改札口の前で華南さんを待っていた。


床屋を卒業し美容院に入学をするきっかけを作ってくれた自称恋愛マスターである丈瑠とは既に別れている。


駅には、多くの下校帰りの高校生や大学生が俺の方に目を向けて歩いている。

何か俺がいる方に指を指しながら話している人もチラチラ見える。


自意識過剰かもしれない。


もしかしたらこれでイケメン男子の枠に入れたかという物は無くたぶん陰キャの俺がどんなに背を伸ばして髪を整えたとしても丈瑠のような美男子になることは難しいという事だろう。


まぁ、俺は別に現在見た目は平均的なそこらへんに居る大学生、中身は極めに極めた陰キャ男子という感じだろう。


俺はスマホでWEB小説を読み進めながら耳だけはイヤホンでふさがす周囲の音を拾っているつもりだ。


画面をスクロールしていると俺の視線に黒い靴を履いた待ち合わせをしていた女性の足音が近づいてきた。俺は足音だけで誰が来たかが分かる。


「高島さ~ん。遅れてすいませ~ん。授業が少し伸びてしまって~~。ってあれ…?た、なんか私好みのカッコイイ青年だぁ。高島さん、髪切るとけっこう爽やか系男子ですね?凄いよく似合っていますよ~~。メガネを取ればもっとかっこよさが増しますけど普段から見ているメガネ姿の方が私的には落ち着くしあまり周囲にかっこよさをアピールしてほしくないから.....。か、っかっこいい~~~です。でもどうしたんですか?さっきまで一緒にいた時はすごく長かったのに…。」


丈瑠に髪を切れと最初に言われた時は”ええ~~”と思っていたけど、いざ切ってみると世界が広がった気もする。いや、今までが狭すぎたんだろうなぁ…。


「ここ最近全然髪を切っていなくて前髪が目にかかって何かを見る時に結構苦労していたからもういっそ切ってしまえという事で切ったんだよ。」


「そうだったんですね。なんか、駅のコンコース入ってからすれ違う人の会話から高身長のイケメンメガネ男子がかっこいいという話を聞いたんで、誰だ、誰だと思ったらまったく見た目が異なる高島さんが居たのでもう私も二度見、いや三度見してしまいましたもん。」


俺、ただここで立っていただけなんだけどなぁ。あの視線はそういう事だったのね…。

イケメン俳優とかって大変なんだね(棒読み)


「いや、高島さんは髪を切れば身長も高くて良い体格なんでかっこいい男性になると思っていましたけど、その予想をはるかに超えてきましたねぇ。聖奈ちゃんと全然似ていないと思っていたんですけど、こうしてみるとよく似ていますね。」


なかなか失礼な発言だなぁと思ったけどそういえば俺自身もそう思っていたんなぁ思い出しこの発言は普門にしておこう…。


「そ、それでさ、華南さんが仕事が終わったらさ話があるんだけど、良いかな?」


「あ、私も高島さんに話したいことがあるんですよね。」


「華南さんも?それは今この場では言えないこと?」


「そうですね、もう少し人がいない時に言いたいです。」

少し頬を赤らめて言う事からあまり人が多い場では言えないことなのだろう…。

まぁ、俺もこの人の多さでは言う勇気は無く俺の心が持たないことは無いが緊張感があってちゃんと話せるか自信がない。


「じゃあ。とりあえず仕事に行きましょうか?お互いここでは話し辛い感じがするので。仕事が終わってまた、この駅の改札を出てから家までの道のりで話しましょう!!たぶん昼間より人は少ないと思いますし。」


「そうだな。そうしてくれると助かる!! よし仕事行きますかね?」


「はい!!」


華南さんも普段よりテンション高めで改札に入っていくのを後ろから見ながら俺も後に続いた。


俺はこの後彼女をお出かけに上手く誘えるかが不安で普段より仕事に集中できなかった気がする。


でも髪の毛は定期的に切った方が世界が色づいて見えるなと分かったことが今回学んだ大きなポイントだと思う。






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