第77項「初デートのプランを幼馴染に相談する ~急~」
「だから、映画とかに行くのは良いという事になるのか?」
「そういう事。華南さんみたいな少し距離を縮めるのが難しい人でも映画は基本的に上映中も暗い状態が続くから心の距離も縮まりやすいとおもうんだ。」
「本当にそんな魔法みたいに距離が縮まりのかなぁ…。」
俺は半ば信じられなかった。
「デートの最初の方は、お互い緊張してしまって距離が遠く感じるかもしれないけど、慣れてくれば縮まるかもしれないよ。」
「そういうもんなのか…。」
「4つ目が、ミラーリングを意識することだね。」
「ミラーリング?」
車の端に付いているミラーは知っているがミラーリングって何だし…。
「ミラーリングというのは食事をする際に相手の行動を真似る事で無意識に好意を感じる心理効果の事だよ。例えば、相手が食べ始めたら自分も食べ始めてとか、相手がお酒を飲んだら自分も飲むとかさ。」
「なるほど、その人所作に一緒に動くことで親近感を湧かせるっていう認識であっている?」
「まぁ。そういう感じだなぁ。ただ、これは意識する必要なくてさりげな~くやると良いと思うよ。」
そこまで意識を働かせてできるものなのだろうか…。
「ここまででもけっこう情報量多いなぁ。あとさ、食事に関して聞きたいんだけどさ店の予約などの注意するべき事とかってある?」
「そうだなぁ。トシは今のところ夕方に映画を見てその後に食事をして帰るという流れをイメージしている?」
「うん、まだ確定ではないけど、そういうイメージはあるよ。」
「お店は予約できるならした方が良いと思うよ。ただ、どういうものが食べたいかは事前に何個か聞いておくと良いと思う。そうすると意見をきいてあげて気遣いができるんだなと分かってくれるからなぁ。」
「なるほど、意見は聞いて実際のお店に問い合わせとか予約は男性側がやるっていう感じだね。場所とか値段はどうした方が良いと思う?」
「そもそも映画だとしたらどこで見ようと考えているの?」
「まぁ大学近くに映画を見れるような場所って一番近くて二子玉川当たりなんだよね。後は、さいたま新都心とか浦和とかかな?この2つは高校時代に使ったことあるし。」
「だとしたら、大学周辺も探せば良い店とかあるんだろうけど、さいたま新都心とかの方がトシはある程度は知っているだろうからその方が良いんじゃない?この大学の生徒の人とかそこまで住んでいる人いないと思うし。できるだけ人が少なくて騒がしくない所を選ぶのが良いと思うよ。あとは食事の値段だけど、高すぎても安すぎてもあれだから5,000円以上のコース料理が出てきそうな店を探すのが良いんじゃない?」
「なるほど、5,000円以上の店かぁ。これは少し探さないとあれだな。座席とかは個室の方が良いのかなぁ?」
「そうだね、できるだけ個室を完備していたらそういう店の方が良いと思う。あんまり周りがうるさかったりすると2人の時間に集中して楽しむことができないからあればそういう店が良いと思う。」
「分かった。初デートにおすすめのお店のジャンルとかある?」
「まぁ、ランチとかだったらカフェレストランとかが良いと思うけど、居酒屋とか少しリーズナブルな価格で提供されるフランスやイタリヤ料理とかが良いと思うよ。」
「下調べをする必要があるなぁ。」
「初デートをする際のお店選びのポイントしては、①騒がしくないこと。②落ち着いた程よい明るさがあり居心地の良いお店であること。③お店の清潔感があり衛生面にも気を配っている店であること。④オシャレなお店であることだ」
「オシャレなお店と言うのは夜景が見えたりインテリアに力を入れている店とかという事?」
「そうだね。まぁ、伝えるべきことは大体伝えたかなぁ。」
「いや、ありがとう。この課題が出てどうしようと思っていたから自分の周りに恋愛マスターが居て助かったよ。ここまでの話を聞いて今からなんとなくプランを考えてみたんだけど言ってみても良い?」
「良いぞ。」
「まず、夕方から始まる映画館に行く。映画は大体2時間くらいだからそれを見終わったら良い時間だからそのまま夕食であるレストランに行く。そこで映画を観た感想と自分達の話をしてもう少し一緒に居たいと思ったところで帰宅する。どう?」
「まぁ。概ね良いと思うけどさ。せっかく華南さんとデートに行くんだからさ簡単にでも良いからさ次のデートの約束でもしたらどうだ?」
「ああ、確かに。次があるとは思わなかったからそこまで考えが及ばなかったわ。」
「いや、次の約束しなかったらきっとデートが楽しくなかったのかなと思われるぞ。」
「確かに…。言われてみればそうだな。」
「次に繋げるためにいつ行くかは決めなくても良いけど、次もどうですか?って誘えば乗ってくれるかもしれないだろ?」
「そういうもんなのか…。」
「だから、必ずデートの最後は次のデートの約束を取り次いで別れたらメールでデートのお礼と感想と相手を気遣う言葉を添えて送ることも忘れなるなよ。」
「そこは普段の仕事の取引先の人ともやっていることだからそれをやり忘れる心配は無いと思う。」
「間違って仕事先の人に送ったりするなよww。」
「変なこと言うなよ。ぞんなことは絶対に無いと思う。」
「まぁ、トシは慎重だから大丈夫だとは思っているけどさ。よしこんな感じで良いか?」
「うん。有難う。めっちゃ勉強になったわ。」
「また、なんかあったら相談してくれ。」
「助かる。そうさせてもらうわ。」
「まぁ、初デートは2人の物なんだから華南さんと一緒にどういうふうに過ごしたいかを考えるのも楽しいかもしれないね。」
「そもそも計画の時点から一緒に考えるってことか…。それもそれで楽しそうだなぁ。」
「じゃあ、トシの髪を切りに行くぞ。まだ時間あるだろ?仕事まで?」
「ああ。そうだな。」
こうして俺は大学生になって恐らく2度目の髪を切りに行ったのである。
そして髪を切り終えた時に俺の足元には大量に髪の毛が落ちていた。
この毛で筆が何本も作れるなと丈瑠と笑いながら話していた。
俺はさっきの左の前髪が長い陰キャの状態はどこかに行きちょっと爽やか系陽キャ程ではないがさっぱり系陰キャくらいの様になっていた。
でも安心してほしい。中身はオタク陰キャのままだからな。
丈瑠が普段通っている美容院は1万円以上するのかと思ったが、5000円以内で収まったので意外と助かった。
それに久しぶりに現金しか使えない店に出会った気がする。
キャッシュレスを次自分が来た時に導入していたらまた来ようかなと思う。
俺は少しずつではあるから清潔感を出すために初デートを上手くやる為に髪を切り落として変身したのであった。
丈瑠は似合っていると意外と良い評価を貰えた。
本当は気遣っているだけかもしれないけど、まぁ良いや。
俺の外見というか髪型が大きく変わったことで華南さんがとても驚いたのは言うまでもないだろう。




