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第69項「「幼馴染の父親と2人サシで話す~前編~」

「ご馳走さまでした~」


俺と華南さんは口を揃えて健さんに挨拶した。


普段から和食を食べているが、ここまで高級な日本料理は今までで食べたことは無かったので満足した。


「良いんだよ。俺も良い話ができたからね。それで提案なんだが、新島先生」

「はい、何でしょうか?」


華南さんは答える。水曜日程はお酒を飲んでいないので顔もそこまで赤くないようで一安心だ。


「1時間だけ、トシをお借りしても良いかなぁ?」

健さんは掌を合わせて頼むように華南さんに言った。


俺は急な提案に驚く。俺を借りるという事は男だけでしか話せない何か重要な内容だろうか…。


「え、ああ、私は大丈夫ですが、高島さんはいかがですか?」

「あ、う~ん、たぶん健さんの事だから、たぶんまだ話し足りていないことがあるんだと思う。行ってきても良いかね?新島先生」


俺も急な提案に困惑している状態だが、健さんの願いなので聞かないわけには行かない。

夕食をごちそうしてくれたのでなおさらだ。


俺は、華南さんの目を見る。


「ええ、大丈夫ですよ。行ってもらって構いません。でもこの後は家に帰るのでどこかで集合してから一緒に帰ろうと思うんですが、どこに集合が良いでしょうか?」

「豆の木に21時に集合なら十分家に帰れるんじゃない?」


いつの間にか華南さんの隣にお酒のせいで顔というか頬が赤く染まっているさと美さんがつぶやいた。

水曜日の飲み会の時よりは全然普通の様子だ。


「そうですね、ありがとうございます」

「じゃあ、21:00に豆の木に集合でも良いかな?」


「わかりました。それで行きましょう」

「決まったねぇ。私も新島先生に聞きたいことがあるからね。じゃあ行くわよ~。一緒に女子トークでもしましょう~~」


そう言ってさと美さんは華南さんの腕を引っ張ってどっかに行ってしまった。


「俺たちも行くか」


健さんの良い声が響く。


「あ、はい」


健さんの後ろについていき、このビルの2階にある健さんの行きつけの店であるコーヒー屋に入った。

それそれホットコーヒーを購入して話し始めた。


「いやぁ、まさか丈瑠の幼馴染であるトシとこういう機会で出会って仕事をする関係になるとは思わなかったよ~」


コーヒーを片手に話し始めた。


「そうですね。私もです。昔から付き合いがある幼馴染の丈瑠の父親である健さんがアニメ制作関係を仕事にしていてこうして会議の場で再会する形になるとは想像つきませんでした」

「そうだなぁ。それで最近大学の方はどんな感じなんだ?」


「一応取るべき単位は全て取得した感じですね。あとは就職して卒業するだけです」


俺も2杯目のコーヒーを口に含む。

会議前に聖奈達と行った店と香りが全然違う事が庶民の俺でも理解できた。


「そうか、もう4年生で来年には丈瑠もトシも卒業だもんなぁ。本当時が進むのは早いもんだぜ。就職はどうするんだ?」


「そうですね、父や祖父がやっている会社に入る感じですね。今は授業とかも週に1度しかないので休日とかはボディーガード関係の仕事や新島先生のアシスタントなどで生計を立てています」


「そっかぁ。丈瑠の方とは大学でも時々話したりするのか?」

「そうですねぇ。自分は週に1科目しか授業を入れていないのでその授業がある日にたまに会って話すくらいですね」


「男2人でどんなこと話すの?」

「そうですね、授業の事とか、就活の事とかですかね…」


「意外と真面目な話が多いなぁ。丈瑠の事だから、"めっちゃ可愛い子見つけてきたぞ"とかそういう話題なのかなぁと思ったんだけどなぁ」


「そうですね、基本的にそう言った話も含めてあいつがけっこう一方的に話してそれに俺が返事する感じですね」


「ああ、そんな感じだろうな…。そういえばこの間さ丈瑠の自室の机にラブレター見たいのが置いてあったんだけどさ、丈瑠の奴さ恋人が居るとかそういう話聞いている?」


「いやぁ、全く聞いていないですね…。えへへ」


本当は相手の名前も性格も知っていますけど、俺の口からは言えないので黙っておこう…。


「そうか、あいつ幼い時から告白されるようなやつなのに一度もOKしていなくて付き合っている姿とか見たことないんだよなぁ。でもバレンタインのチョコは毎年大量に貰ってくるんだよなぁ」


この話2日前くらいにもしたような…。気がするんだよな…。


「それに毎年バレンタインデーの時とかさ、あいつが貰ってきたチョコをさ一週間くらいで約1年間分くらいの量のチョコを食わされるんだよなぁ。俺も何度も息子が貰ってきたチョコを食べてきたか分からないなぁ。俺は高校生時代にチョコなんて貰ったことないのに」


「失礼ですが、貰ったことないんですか?今話している姿とかカッコイイなと思っているので高校時代も丈瑠と同じように凄い女性から人気なのかと思っていましたが」


「いやいや、そう言ってくれて有難う。高校時代の俺は全然駄目だったよ。当時の俺は究極のオタク陰キャ男子だったからね。クラスでも相手にされることなんて無かったからチョコを貰うなんてさと美さんと婚約するようになってからだよ。初めて貰ったのだって」


「なんか、ちょっと信じられないです」


「そうかもね、厳とかに聞いてみると良いよ。当時の僕のひどさがよくわかる証人だからさ。ハハハ」


「そういえば、一昨日くらいに久しぶりに厳と話したんだけど、トシ、聖奈ちゃんが渡したバレンタインのチョコのお返ししていないって聞いたぞ」


え、それって俺がGWに実家に帰った時に終わった話だと思っていたのに…。


「いくら仕事が忙しいとはいえもっと構ってやった方が良いぞ。聖奈ちゃんトシが実家を出てから少し元気なさそうな感じだったしなぁ。それにあの子は意外と寂しがりやだからなぁ。たまには構ってやった方が良いぞ」


「あ、はい。そうですね。できるだけ努力はします」


俺はコーヒーを飲みながら健さんの様子を伺う。

まだまだ話は続きそうな感じがした。


時間を作ってまで話がしたいと言うくらいだからそろそろ本題が来るだろう。

2022年6月15日改訂済み

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