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第65項「男性1人と女性2人 修羅場」

久しぶりのまるまる妹と華南と俊明回。

俺と華南さんと学校帰りで妹である聖奈の3人はGWに兄妹で大宮スカイビルで開催された新島先生(新前)のイベントの帰りに来たOCCショップにやってきた。


この店に入った時に店内に居た客は一斉に俺の後ろにいる女神⁉2人の美貌に見惚れていた。


それに飲み物を注文する時に客だけでなくスタッフの人も何度も2人の顔を見ていた。

見ていたというよりは拝んでいたという言葉がふさわしいかもしれない。


まあ、確かにこの2人に関しては他の人とは美しさの面では偏差値が高いもんなあ。


俺は思った。少し場違いな場所を選んでしまったのかと…。

ただ、どの場所に行ってもこの考えに及ぶ可能性があるからどこに行っても結局変わらないし考えても無駄になるなという考えにとりあえずは落ち着いた。


「それで、なんで、華南さんとおにいが一緒に歩いているの?」


聖奈の冷たい無機質の声がこの空気の場を切り裂いた。

尋問の開始のようだ。


「さっきも言ったけど、今日17:30から大宮で仕事があるから大学終わってから来てるんだ。」


俺はその”siri”みたいな声で聞いてきた妹の質問におそるおそる答える。


「じゃあ、なんで、華南さんも居るの?おにいの仕事はボディーガード関係の仕事でしょう?それでなんで華南さんと一緒に歩いていたの?」


頬杖ほおづえをして、感情が籠っていない声で次の質問が飛んでくる。


それを聞いて今度は華南さんが返事をした。


「…っき、きょうは、先輩の普段の仕事ぶりを見せてもらう為に来たのよ…。ね?先輩?」


「ああ、そうだ。は、いや、新前が昨日くらいに俺の仕事を具体的に何をやっているのか聞いてきたからさ、話したんだけどあまり納得してもらえなかったから見れば分かるんじゃない?と言ったんだ。」


俺に振られたので少し歯切れが悪い答えになったが答えた…。


「ふ~ん。2人とも私がそんなウソに引っかかると思っているの?それにおにいは仕事においても実家で一緒に暮らしていた時も一人で居る事がほとんどだからその行動は不可解な点があるわ。ま、まさか、恋人同士になったりしたの?可愛い可愛い私と言う人がありながら…。」


このウソどこまで通しきれるかなぁ。

ていうか…既に聖奈はそれが嘘であることを見抜いているから正直に話した方が良いのだろうけど…。

そうなると、華南さんの仕事についてどう隠し通すかが問題になってくるなぁ…。

”可愛い可愛い”って自分で言っても実際可愛さは半端ないから否定はしないが、今別に言わなくてもいい気がするんだよな…。


「私と言う人がありながらって、聖奈はそもそも恋人と言う前に俺の妹だろ?」


聖奈にそれを言うとすぐに切り返してきた。


「いや、義理の妹だよ。忘れちゃったの?私とおにいは血は繋がっていないのよ。」


絶対違うわ。俺が6歳くらいの時に聖奈は生まれてきたんだからその理論は絶対あり得ないだろ。

聖奈こそなぜウソを突き通してまでも俺との恋人設定にしたいのだろうか…。


「それはありえないから。俺が6歳の時に悠梨さんから生まれてきたのちゃんとこの目で見たし聖奈の世話も一部は俺がやっていたんだから仮に義理の妹設定だとしたらたぶん聖奈の面倒を見たの俺では無いぞ。その持論はもう通用しないはずだ。」


「ッチ」


聖奈の奴舌打ちしやがった。


それにしてもさっきよりも周りの視線がとても冷たい。

この店のスタッフの人も俺らの机を見ながら手が止まっている。


手を動かせよ。そう言いたい。注文した品はまだ来ないの?

ていうか…。俺らがこの店に入って注文すらしていないのか…?


「そうですよ。聖奈ちゃん。私と先輩が恋人同士なんてあり得ませんよ。私と先輩じゃ釣り合うわけないよ~。」


華南さんに一応聞きたいところだが、俺が華南さんと釣り合っていないという認識で良いんだよね?

(ここ大事!!)

たぶん。そうだ。いや、絶対そうだよ。何を当たり前の事を…。


俺も仕事で関わることが無ければ一生ここまでの美人お姉さんと遭遇する事は無かっただろう…。


「私の事はトシ君の心にはもう無いのね…。残念だわ。私とデートもして…。最後は夜も一緒に寝たのに…。」


これいつまで続けるんだろ…。


もう周囲の視線を見なくても嫉妬の波が伝わってくる気がした。


「何がトシ君だよ。お前が俺を呼ぶときは”おにい”か”おにいちゃん”って呼ぶんだからその”トシ君”呼び妹の口から今まで生きてきた人生の中ではじめて言われたわ。いい加減、義理の兄妹設定外せよ。」


ここまで俺と聖奈が義理の兄妹という設定が持ち込まれて話しが進んでいるが、違うから。

2人とも厳さんと悠梨さんの子供だから…。


「先輩、私と聖奈ちゃんとどっちが良いんですか?今この場で決めてくださいよ。」


こらこら悪乗りしないよ。君も…。更に混乱を招く発言しないでね…。


「やっぱり私だよね。私の方がずっとトシ君と一緒に居た時間長いし。」


妹にトシ君呼ばわりするの何か微妙な気持ちになる。

もしかして実は義理の兄妹だったのかなとふと思ってしまう。

いや、でもそれはないな。


仮に聖奈と血が繋がっていなくて義理の兄妹だとして恋人になれるという状況下似合ったとしても俺はこのバラのような美しいた女子と恋人になる可能性は皆無だと言い切っても良いと思う。


「いや、私の方がトシ君の事…。」


華南さんも聖奈に続いて俺に対して何かしら言いたそうな感じだが、語尾言った言葉が小声で良く聞こえない。しかも顔を赤らめて俺の方を見て言うのは俺の心臓に負荷がかかるので勘弁してほしい。


「おい、そこの陰キャ。陰キャの分際で両手に華の状態でかつ二股とは良い度胸だな…。」

俺を指さして急に斜め前の机の30代くらいの男性が言い始めた。


「そうだ、そうだ。俺にも幸福を分けろ~~。」

その周りの男性も俺に攻撃をしてくる。


俺は何も悪くない…。勝手に会話に介入しないで欲しい…。


ついに周囲の客は俺の机まで来てそれぞれが俺に向かって言いたい事を全て言って店内から次々と俺ら以外の客は出ていった。


なにこの尋問大会は…?


聖奈の奴、周囲の客に聞こえるように言って彼らも巻き込んで俺が悪い状態を作り出して…。


俺は思った。

たぶん日本人男性は恋に飢えているのではないかと…。


そして女性と一緒に居る男性を見て悔しいのでとりあえずその人に対して攻撃してその場での気持ちを和らげようとしているのかと…。


俺はただ、コーヒーを飲みにこの店に来ただけなのに…。

まあ、この店内には少し場違いな二輪の花があるのは事実だが…。


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