第59項「初めて送られたメールの相手への返信に苦戦する」
俺の目元にカーテンの隙間から漏れた太陽の光が当たりもう朝を迎えたことを知った。
枕元にある目覚まし時計の針を見ると5:30をちょうど過ぎたところだった。
どうやら目覚まし時計を4:30に設定はしたが、昨日の疲れが出たのか音が鳴ったことに気付かなかったようだ。
俺の横にある目覚まし時計はけっこう音が大きいのが特徴的な目覚まし時計で音が鳴ってボタンを止めないと何度も音が鳴る仕組みなのだが、その音もしていないという事はたぶん3回くらいは鳴ったが、目覚まし時計の方も疲れてしまい俺を起こすと言う仕事を諦めたのだろう。
いつもならこのうるさい目覚まし時計が1回鳴り始めるくらいで起きるのだが、何回も鳴らしてしまったという事は久しぶりに働きすぎを強いてしまったかもしれない。
目覚まし時計にも働き方改革を導入しなきゃいけないかもしれない。
俺は布団を剥ぎカーテンを開ける。
窓の外を見るとこのマンションの近くにある西武蔵公園をランニングをしている若い人や散歩している老人の人が居る。
新前を起こす時間が7:30ではあるが、朝ご飯を作る為に7:00には彼女たちの家に入ってよいと昨夜言っていたから、まだその時間までは1時間半くらいはある。
毎日の日課であるランニングに行きますかね。
俺は立ち上がり洗面所で顔を洗い台所で白湯を飲んだ後に野菜ジュースも飲もうか迷ったがランニング後にそれを飲む方が上手い(美味い)事を思い出して今はやめた。
動きやすい服装に着替え靴も普段仕事している時に使っている黒い靴ではなく運動用の靴を履く。
俺はマンションをの階段を駆け下り近くにある公園に向かう。
この都立西武蔵公園は昔は国が管理する某機関で新規に働く社員を教育する為に大きな学校が建てられていた。
その跡地を市民向けの公園に整備し直したのだ。
公園内は木々が茂っていて日差しが緑色の葉を照らしていて爽やかな気持ちになる。
この公園は朝の時間帯は高齢者や付近を通う大学生などがランニングやウォーキングしていて夕方の時間帯は付近を通う小学生などの絶好の遊び場になっている。
都内でも比較的大きい公園な為思いっきり遊ぶことができるはずだ。
俺は毎朝7.5㎞程度を走ることを目標としている。
公園の広場の周りのランニングコースの1周の距離がだいたい1.5㎞なので5週する感じだ。
最近仕事が忙しくて毎日の目標と決めたとはいえ走れていなかったので久しぶりに走れて
気持ち的にも浄化される。
決めた距離を走り終えて俺は公園のベンチで一休みをする。
持参していたスマホを開くと2通のメールが届いていた。
この時間帯にメールが来るという事は大体親父のパソコンから前日の夜遅くに送られてきた物だと思う。
その内容としては仕事関係の事が多いのでいま確認するのはめんどくさいが無視する訳にもいかないのでとりあえず受信ボックスを開く。
普段受け取る親父のパソコンから送信されたメール以外が一番上に掲載しているので少し
慎重になりながら見知らぬ人っぽいメールを開く。
内容としてはこのような内容だった。
“おはようございます。昨日は朝起こしてもらい朝ご飯作ってもらって大学まで一緒に行きそして放課後も私の仕事にサポートしていただきありがとうございました。夕食時も高島さんの高校時代に話とか聞けて楽しかったです。また今日からもよろしくお願いします。追伸時間割は画像で添付しました。”
文章の最後に送信した人の名前が記されていないが、文の内容は昨日の一日について書かれているという事とメールアドレスが”hanasinnmae@jmail.com”と名前を基にしたメールアドレスが書かれているので送信者はおそらく華南さんではないかなと考えられる。
さらに付け足しとして俺に時間割の資料を添付して送りかつ昨夜の夕食で俺の高校時代の話しをした時にその場にいた人は編集部のさと美さんと華南さんだけなのでそうと考えるのが自然だろう。
俺はそう判断した。
これは新前から俺に充てたメールだという事を。
そして何か返事をしなくてはならないなと同時に思った。
そういえば、華南さんとメールアドレス交換してから月日がだいぶ立った今になって初めてメールのやりとりをすることになるとは思わなかった。
一つ気になったのは、このメールを送信した時刻が昨夜の23:40とあるのにこの文章の最初になんで”おはようございます。”と書かれているか疑問だったが、よく考えてみると昨日新前と話していて22:30には寝る事を伝えたことからそのメールを確認するのが翌朝だろうと思って文章の最初に朝のあいさつ文を入れたのだろうか…。
まあ、結果的にこのメールを昨夜ではなく翌朝に見ているので良いのかもしれない。
俺は家路を歩きながらスマホの画面を見て返信の文章を考えている。
しかし、思ったのは7:30になったら華南さんを起こして一緒に朝ご飯を食べるんだからその時にメールの返事をすれば良いかと思ったが、彼女もたぶん何回も推敲をして文章を考えて送ってきた可能性もあるので、こちらも文章で送るのがマナーな気もしてきた。
でも俺はどういうふうにメールの返事をするべきか分からなかった。
なのでネットで女性とのメールの際の返事の返し方を検索かけてみるがあまり参考にならない。
何回も画面に文章を打ち込んでは消しての繰り返しをして結局シンプルに短文でまとめた。
”こちらも仕事ではあるが、昨夜の夕食時は先生の昔の話しが聞けて楽しかったです。今後もよろしくお願いします。”
と打ち俺は送信ボタンに触れる。
まあ、一応俺なりには初めて華南さんのメールを返したことになるがまた何か彼女に言われたら正直に謝って伝えるしかないなと思った。
俺は妹も含めて女性とメールのやり取りをしたことがないことを。
いや、妹は数回だけあるか…。
俺はシャワーを浴び運動後の野菜ジュースを一杯飲み仕事服に着替え
姫たちの朝ご飯を作る為に自宅に出た。
今日もまた初夏の暑さになりそうだ。
やっとメールのやり取りが始まりましたね。
”hanasinnmae@jmail.com”はこの物語上の架空のメールアドレスなのでそこはご注意を!!




