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第57項「帰宅」

やっと1日が終わった~。

新宿駅前まで戻ってきた。駅に掲げられている時計の針は夜の9:25を差していた。


しかしまだかなりのスーツ姿の人が駅に吸い込まれていく。

帰宅ラッシュはまだまだこれからのようだ。


「じゃあ、私は37分の埼京線通勤快速で帰るから。今日はありがとうね。楽しかったわ。」


「いや、お会計全部払って貰ってありがとうございました。ご馳走様でした。」


俺達2人は頭を下げてお礼を言う。


「じゃあ、金曜日の詳細については家着いたら健さんに聞いてみて決まったら俊明君のメールの方に資料を添付して送るから。確認しておいて~。たぶん遅くても明日の夜までには届くようにするから。」


「分かりました。ありがとうございます。」


「じゃあね、気を付けて帰るのよ~。ばいばい~」


そう言ってさと美さんは駅の改札口の雑踏に消えていった。

俺らよりけっこうお酒飲んでいたはずなのにあまり酔っているようには見えなかった。

歩いている後ろ姿を見てもバランスを崩したりはせず普通に歩けている。

あの人は本当にお酒に強いんだなと思った。


「さあ、私達も帰りましょうか。明日も授業ありますし~。」


「そうだな。明日は何時から授業だっけ?」


俺らは話しながら改札口の方に歩を進める。


「明日は1限の授業は無いですけど、さっき居酒屋で話したけど金曜日までに提出する原稿があってそれの作業を起きたらすぐやろうと考えているので、明日は今日より早めに7時半くらいに起こしてもらってよいですか?」


「分かった。じゃあ、帰宅したら舞美さんの方にも俺が7時くらいには家に入る事を言っておいて貰えないか?」


「ああ、そうですね。でも毎度毎度今日みたいに部屋の出入りに関して聞くのもめんどくさいので高島さんとは仕事の関係なので私の家のカギを鍵を渡した方が高島さん的にも仕事やりやすいですよね?」


女性が暮らしている部屋のカギを渡すかどうかの提案がされるとは思わなかった。


「まあ、そうだな。確かにそれがあると便利だなとは思う…。ただ、それはちゃんと舞美さんもこの意見に賛同してくれるかが大事なんじゃない?」


「確かにそうですね。でもちゃんと説明すれば大丈夫だと思います。家に着いたら聞いてみますね。」


「分かった。了解だったらあとで俺の方にもメールを入れてもらえないか?」


「えぇ?高島さんも家に来てくださいよ。それで一緒に説明をして舞美の許可が出ればその場でカギを受け取れば効率的じゃないですか?」


意外とまともなことを新前は言った。


「それもそうだな。じゃあ受け取ったら自分の家に戻るわ。」


俺は発車掲示板を見ながら次の列車を確認する。


「37分の通勤快速で良いか?」


「え~。そうですね。それで帰りましょう。」


俺らは、ホームに降りるとこれから自宅があるであろう都内を離れ自宅に帰ろうとする人で溢れていて乗り口にしっかりと整列待機している。


頭にヘッドライトを輝かせて闇の向こうから列車はすぐに入線してきた。


車内の方に目をやるとけっこうな乗客が乗っているが、この駅で多くの人が降りると思われるので次の列車を待たないと乗れないという心配は無いだろう。


俺らは列車に乗り込み奥に詰める。


俺らは吊革や手すりを握り列車はまもなく夜の新宿駅を発車した。

動く列車内からホームにある発車標を見ると3分後には後続列車が入線するようだ。


「座れはしませんでしたが、ちゃんと乗れましたね~~。」


新前が言った。


「ああ、俺も車内が満杯になってもう1本待たなければ乗れないかなと思ったけど混んではいるが普通に乗れるし掴める場所があったから安心したよ。まあ、できれば座りたいけどなあ。」


「そうですね。まあすぐ着きますよ。」


俺はそれ以降話すことはなく気づいたら最寄の駅に着いていた。

改札を抜けると駅の壁に掲示されてあるデジタル時計は22:00と表示されていた。


駅のコンコースは先ほど自分達が乗っていた列車の乗客がそれぞれの方面に散っていく。


ここからマンションまでは徒歩で15分くらいだからまあ普通に大学生が行動しても特に問題は無い時間帯だから大丈夫だな…。


「先輩は、明日は仕事とかあるんですか?」


「明日は朝、新前を起こして朝ご飯を作り食べさせた後大学まで一緒に行きその後に大学のキャリアセンターで名刺を作る作業した後に自宅に戻り金曜日の会議について連絡があったらそれについて読み込み会議を行う場所までの行き方を調べたりする感じかな。」


「なるほど。明日は授業は2限で終わりなので私の授業が終わるまで帰らないで待っていてくださいよ。」


「木曜日って2限だけなのか?…ていうか今日じゃなくても良いんだけどさ新前の授業の時間割教えてくれないないか?それによって仕事を組み直したいからさ。」


「分かりました。家についたら送りますね。」


「で、明日の件は了解した。じゃあ、新前が授業をやっている時に名刺づくりをしていれば良いという事だな。」


俺は頭の中にある明日のスケジュールに訂正・加筆をする。


「それで明日は7時半に起こせば良いとさっき言われたが、当然朝ご飯作るんだよな?」


「はい、そうですね。お願いしても良いですか?でも今日より起きるのが早いし高島さんも起きる時間が早くなってしまうし、朝ご飯食べる時間無くなりますよね?そうなると私達の家で作って高島さんもそこで食べていけば良いじゃないですか?」


「まあ、俺は朝4時には起きているから起床時間に変化は無いんだが、確かに朝ご飯は纏めて作って食べられるんだったら効率的だからその考えは良いかもしれない。ただ、俺が女性の家で普通に朝ご飯を食べていて問題ないのか心配だがな…。」


「まあ、高島さんも仕事でやってもらっているから私は全然気にする必要は無いと思いますが、これもカギの件と同じく舞美にも聞いてみましょう。」


こうして明日を含めた今後の朝のスケジュールが仮決定した俺らは駅を出て誰もいない家までの暗い道を歩いて行った。




最初に掲載した話は少しいまいちだったので少し改稿しました。

※10月15日午後改訂


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