第52項「クロマツビルでの談義④」
クロマツビルでの談義は終了ですが、居酒屋での談義は続きます。
俺と新島先生は首都圏文庫の高久さと美さんと会議をしているところである。
「じゃあ、会議を行う日は毎週月・水・金の17:30からこのビルでこの部屋で行う形で決定ね。」
俺ら2人は頷く。
「え~とね、GW明けくらいの会議で出してもらった”昨日別れたはずの生徒会長である彼女が翌日から自分の家族の妹になった件”の第12巻のところに関して原稿内容確認したから、付箋が貼ってあるところが書き直して欲しいところだから、家に帰ったら確認して金曜日までに持ってきてもらえるかしら?」
「分かりました。有難うございます。」
「あと、アニメ化の方なんだけど、金曜日に監督の先生とお話しする機会を設ける予定だからそこも把握しておいてね。」
「そのアニメ化の際の監督の人の名前は何て言うんですか?」
俺はタブレットにメモしながら聞く。
「あら、俊明君も過去に会ったことがある人よ。まあ、最近は会っていないと思うけど俊明君が一人暮らしする前の埼玉の家から大学に通っている時までほぼ毎日会っていた人よ。」
この人俺が埼玉の家を出て一人暮らししていることも把握済みなのか…。
たぶん母さんが漏らしたのかもしれない。
でも俺が毎日会っていた大人の人って…。家族以外だと…。
あ、もしかして、丈瑠のお父さんか…?
あの人とは高校・大学に行く際に良く途中の駅まで一緒になることが多かった。
「もしかして、丈瑠のお父さんですか?」
「思い出したね。そう、私の夫である高久健よ。仕事名はタカジケンと名乗っているけどね」
「タカジケンってあの有名なアニメ”僕が欲しいのは君の涙では無く君の唇だ”の総合監督した人ですよね。確かアニメでは5期くらいまで放送したと聞いています。それ以外にも…」
新島先生は少し興奮して言った。
俺もこの作品は内容も良い出来上がりで更に出演している声優さんがとにかく声優界の第一線を歩いてる人達がキャスティングされていて何回も観直した覚えがある。
確かあの作品はまだ完結はしていなかったと思う。
「そうよ、あの人は若手ながら完全にエリートコースで短時間で総監督まで上り詰めたのよね。それで私が新島先生の作品の担当のスタッフをやっていて、この作品について彼に紹介したら是非一度話を聞きたいと言ってくれたのよね。」
「え、嬉しいです。私も憧れの人だったので機会を頂けるなら是非お願いしたいです。」
「それで、次の金曜日の夜なら空いているって聞いたから。時間はそちらで決めて良いって言われたんだけど何時開始が良い?」
「そうですね、さと美さんの会議もありますから19:00頃とかどうでしょうか?」
「分かった。それで良いか聞いてみるわ。俊明君もそれでよい?」
「え、僕も出席して良いんですか?」
「当たり前よ、新島先生のマネージャー兼アシスタント兼ボディーガードなんだから。それに健が言っていたけど”トシとも久しぶりにどこかで話したいとか”前にぼやいていたからね。場所についても後で追って連絡するわ。あと、俊明君のメールアドレス知らないから教えてもらっても良いかしら?仕事の事で今後連絡とることも増えてくると思うし。」
「ああ、いいですよ。」
俺は、メールアドレスと電話番号、名前と言った個人情報が記載された名刺を渡す。
「名刺渡しておきますね。」
「あら、良いの?この名刺って俊明君の手作り?」
「まあ、そうですね。実家の事務所に名刺製作用の基本フォームがPC内に入っているのでそれで作りました。」
実際この事務所に出入りする人達は名刺を依頼人に渡すというのは意外と少ない
なのであのアプリを導入する必要は無かったと思う。
「なるほどね、この四葉のクローバーのデザイン可愛いね。名刺作るセンス良いね!!」
「いえいえ。」
まあ、ネットに作り方検索すれば出てくるし。
「高島さん、わ、わたしその名刺受け取ってませんよ~~。ください。その名刺。」
新島先生は少し食い入るようにおもちゃをねだる様に椅子から立ち上がる。
「いやいや、先生は別に仕事の際は基本一緒に行動するから良いかなと思ったのであげなかったんですが。まあ、良いでしょう。」
俺はもう1枚名刺を取り出し先生の手に載せる。
これが最後の1枚なのでまた実家に行った際に名刺印刷してこなければなあ。
「じゃあ、金曜日やることについてはこんな感じかしらね。そうだ、俊明君の新島先生のマネージャー兼アシスタント就任記念としてどこかで飲み会でもやろうよ~~。」
そうだ、この人お酒飲ますとめんどくさくなると母から聞いた気がする。
大丈夫かな…。
俺ら2人は互いの顔を見てどうするか判断する。
「どうしますか?高島さん?明日高島さん仕事ありますか?」
「あるけど、そんなに早い時間からでは無かったと思う。」
「…というか高島さんってお酒好きですか?」
「う~ん、そんなに量は飲めないけど普通に好きだよ。」
一人暮らしの時はお酒は高くて飲まないが、実家に帰った時は親父の話に付き合う為に飲んだりする。
「好き…ですか…。じゃあ、行きましょうよ。高島さん。」
「ああ、そうだな。たまには行くか。」
こうして俺たち2人とさと美さんは夕日がまもなく沈みそうな外の中居酒屋を探しながら街に出た。
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何か第54項になっていたので編集しました。
恥ずかしい…。




