第49項「大学から仕事場へのボディーガード往路①」
15分程度延発してしまってごめんなさい。
俺と新前は、東京方面に向かう電車のホームに立っていた。
ここから仕事先の編集所までは50分程かかる。
俺は、スマホで時刻表を検索かけながらそこまでの行き方を頭の中で行程を作り上げる。
「先輩、なんで、その服何ですか?それに普段大学や家では見ないメガネまでかけていて最初先輩から高島さん本人だと言われて驚きましたよ。」
「ああ、普段仕事する時はこの格好で仕事を勤めるようにするのが、俺の会社の規範なんだよ。メガネの方は人目が多いところでは大学の人や高校の時の友人に会うことでもし自分が依頼された仕事に何かしら巻き込んでしまった場合に赤の他人であることを言う事で対処がしやすくなるからね。」
「じゃあ、スーツでは無いけど、簡単に言うと仕事服みたいなものですか?」
「まあ、そういうことだ。」
「せんぱい、手ぶらですけどかばんとか持ってこなかったのは何でですか?」
新前は更に俺に質問を続ける。
「仮に急に後ろの方から襲い掛かってきた場合まずは依頼人を死ぬ気で守らなくてはならない。その時に片手がかばんとかでふさがっていると鎮圧できないからだよ。基本的にこの上下の服に仕事に必要な物は全て入るような特殊な作りになっているから大丈夫なんだ。」
「なるほど、すごい工夫が凝らしてある仕事服何ですね。何か、どこかの国に雇われているスパイを見ている用です。何か少しドキドキしますね。」
「そうか…?ドキドキ要素は無いと思うけど、基本的に華南さんとの仕事もこの服で任務を全うする感じだからよろしく頼むなあ。」
「了解です。」
右目上にある敬礼のポーズがちょっとかわいい。
電車がホームに滑り込んできた。
車内は高校生の下校時間と重なり思っていたよりも混雑していて席に座れそうな感じではない。
俺と新前は扉の側の所に立つ。
「さっき南口の方から華南さんの隣に居た女性って誰?」
「ああ、あの人は、3、4限の授業が隣の席の人ですよ。確か、名前は宮山彩乃って言っていました。」
「みややま? 何か聞いたことある名前だな…。」
何時間か前にその名を聞いたような…。
「宮山先輩は先輩と同じ学年で文学部英文学科に所属している人らしいです。本人が言っていました。」
あの罵倒し毒を吐きかつ丈瑠の恋人でもある。
あの人文学部出身なのか…。
文学的少女感は微塵も感じなかった。
「あと、その先輩、“授業が始まる前に180㎝くらいの男性とぶつかって転んだ際に消毒してくれてその人の顔を見たら前髪で見え辛かったけど、カッコいい人で、もう1度お会いしたいです”って言っていましたね。このぶつかった人ってたぶん高島さんの事ですよね?」
「ああ、たぶん、そうだと思う。俺には最終的には謝ってくれたけど最初ぶつかった時は“前向いて歩けよ”って罵倒してきたのに…。俺はもう二度とあの人と会いたくないわ。」
「あ、私が教室に入った時に時にそんな出来事があったんですね。…ていうか私にも消毒イベントやってくださいよ。」
消毒作業をイベントだと思っているのはどうなんだろう…。
「前に看病したから良いだろ。それと消毒してほしいとかの理由でわざと怪我とかするなよ。」
「そうですね、そんな嬉しいイベントもありましたね。」
あれ?あの出来事って君にとってラッキーなイベント程度だったんだ。
俺は必死だったのに…。
あの時の俺の苦労返して欲しいわ。
「話しは戻るが宮山は俺はけっこう苦手なタイプなんだよな。以前会った時にも嫌味言ってきたし。」
「じゃあ、もし高島さんの連絡先を教えて欲しいとせがまれたら教えない方が良いですよね?」
「ああ、教えなくてよいよ。てか、あいつが俺の連絡先を必要とする意味がないだろ。それにあいつは恋人がいるから男は足りているはずだし…。」
「あの先輩、恋人いるんですね。何か居そうな雰囲気はしたんですけどね…。じゃあ、なおさら私と先輩の関係について追究されたら意地でも話題を変える必要がありますね。私の方でも対策を練っておきます。もしもの話なんですけど、急に既に付き合っている彼氏から先輩の方に乗り換えてきたらどう対処するんですか。」
「その時の状況にもよるけどたぶん抹消するかもなあ。」
「先輩ってたまに冷汗が出る事言いますよね。それを先輩は本当に実践しそうだから更に恐怖が増すんですよね。」
「まあ、そうなる前に事前に探知して仕事の方にも影響が出ないように頑張る。この話は終わりだ。それで新島先生を担当している今日行く仕事先の担当スタッフってどういう感じの方なんだ?」
「そうですね、作家さんの意見を聞きつつアドバイスもくれる話しやすくい素晴らしい方ですね。あと、女性の方ですね。性格を一言で言えば温厚な方ですね。」
「なるほど、それなら安心できそうだな、人柄もなんとなく想像できる。」
電車は、都内のビッグターミナル駅にまもなく到着するようだ。
車内もさっき乗ったより混雑さが増し新前は電車の扉によっかかり俺はその周りを固めるように立っていた。これ壁ドンじゃね?
ガタンゴトンと列車はポイントを通過し駅構内に入る。
左右へ大きく揺れる。
俺は必死に吊革を探すが見つからず列車の揺れにより扉という名の壁に手を当てて自身の身体を支えている感じだ。態勢も結構辛い。
俺と新前の顔が近い。
彼女の顔も恥ずかしさのあまりか赤面している。
お互い目を合わせ少し恥ずかしい気持ちを何とか隠しながら俺たちは地下鉄に乗り換えるためにホームに降りた。
初夏の暑い季節が近いのか、電車からの熱気がホームや階段に生ぬるい風となって俺たちの頬をさすっている感じだった。
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翌日に更新編集しました。




