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第48項「ダブルフェイス」

最近、忙しすぎて書く時間が取れませんでした。

構想はできているんですけどね。

結局、丈瑠となんだかんだ1時間くらい話してしまった。

普段、男子と話す事が無いのでこういう肩の力を落とす時間も必要だなと感じた。


新前の事を根掘り葉掘り聞かれて、無視を突き通したのにあいつは勝手に推測して答えを出してきた。


改めて新前が男子大学生に告白されるくらい人気な人で全ての告白を断っている点を丈瑠から聞いて驚きだった。


また、新前と俺が歩いているところや食事をしているところが見られているというのは少し恥ずかしいが、それだけ新前は容姿的に恵まれ誰もが目を追いかけてしまう女性だという事が分かった。

でもこれは仕事の一環で彼女の側でサポートしているだけでけして彼氏という訳ではないからと言いたい。


丈瑠に関しては妹に連絡しようかの所で嘘でもいいから連絡を止めるような素振りを見せるべきだったのだろうか…。

まあ、いつかあいつの口からこの件を俺に聞いてくるのは時間の問題だと思っていたから予定より少し時間が早まったと思うしかない。


一番気になったのはあいつは新前が表面上は仕事のサポートで内面は彼女自身が俺と恋人になる為に仕事の依頼をしたのでは無いかと言っていたことだ。


これに関しては俺も謎な点だ。

確かにそういわれてしまうと俺もなぜ他の大学生は知らないが2つの顔を持ち容姿端麗な小説家のボディーガード兼マネージャーをする事になったのか今でも疑問に思うことがある。


まあ、俺も大学と仕事と2つの世界の顔を持っているが、彼女の方は俺に対して疑問に思うことは無いだろう。


俺は、自宅の扉を開け手洗いうがいを済ませて冷蔵庫の中を見る。

お肉、野菜、米と揃っているので仕事から帰る際に”食品スーパーマーケットマーター”に行く必要は無いようだ。


次に米が入った袋から米を3合分取り出してボールとざるで良く洗う。

最初は浄水器の水で良く洗う事で汚れが落ちるのでそれを3回くらい繰り返して次は普通の水道の水で3回程度洗い米を10分程放置しておく。


この間にシャワーを浴び仕事用の服に着替える。

いつどこで複数人に襲われるか分からないので、お腹に防刃チャッキと防弾チャッキの両方をつける。

多少の動きづらさはあるが彼女を守る際に仮に刺されたり撃たれた弾を受ける際に俺自身も負傷したくないので一応身につける。


この防弾・防刃チョッキは”株式会社ストロングガード”と関係がある軍関係者が実際に用いている物を購入して配布している。


ズボンや上に羽織る服も”株式会社ストロングガード”が服飾メーカーに特注で依頼して作ったものでこの会社に属している従業員は全員決められた服を着ている。


服の内側には携帯救急箱を入れられたりできるポケットが沢山ある。

服の色は藍色っぽい色をしている。夜とかは黒にも見える設計になっている。

また、袖の所に反射材が付いているので光が当たると反射する仕組みになっている。

かなりお金がかかっている。


一応夏服も用意されているので時期に合わせて服を選んで仕事に集中できるのが嬉しい限りだ。

こういった仕事服を夏・冬服それぞれ上下3着ずつ支給されている。


この服の欠点を一つ挙げるとすると普通のクリーニング屋では扱える物ではないので、シーズン後にクリーニングに出す際には会社が独自に契約している専門のクリーニング屋に出す必要があることだ。


俺は再び台所に戻り炊飯器に米を入れ3号と書かれたラインまで水を注ぎ込み蓋をして予約機能を使って炊くようにセットする。


その後俺は、変装用の伊達メガネをかけタブレットを左胸ポケットに入れて準備はできた。

腕時計の針は16:20を指していた。


俺は家を出て、駅までの坂道を上がる。

大学に向かう生徒が数人いたが道はそこまで混んでいない。


冬の時期と違いまだまだ暗くなる気配は無いので活動時間が長いのが嬉しい。

冬は日中の活動時間が少なくて辛いのだ。


俺は約束の10分前に着いた。


駅のコンコースには、下校する高校生が改札に一気に吸い込まれていく。

高校生の下校時間と被るから東京方面の電車は混んでいるかもしれないな。


南口の方を見ると新前の姿が見えた。

隣には女性が居た。今日どこかで見たような顔の人物だった。誰だっけな。

誰かの恋人だった気がするが…。


新前は俺を探しているようだ。

見た感じさっきまでと服の色合いが異なるような感じがした。

仕事モードの新前華南、いや新島先生のスイッチが入ったのかもしれない。


俺は思った。

普段外で仕事をしている服装を見たことが無いから俺を全力で探しているに違いないと。


俺は新前がいる所に足を踏み出す。


「すいません、180㎝くらいのイケメンで左顔は髪の毛で覆われている男性を見ませんでしたか?」


声の方を見ると新前その人だった。

首につけているアクセサリーが天井の光に反射して眩しい。

何かの宝石かな。俺にはよくわからない。


ここで彼女にどう切り出すか迷った。

一度高島から新前に伝言するために代理人として来ましたと俺自身の仕事での正体を隠して他の人になりすますか。

それかあなたの前に居るのがその条件にほぼ当てはまる人ですと言うべきか。


ここで代理人と言ってその場で逃げてもいずれこの仕事服で左の長い前髪を整えた姿を見られてしまうのでここは正直に言おう。


「あなたの目の前にその条件にほぼ合っている人がいるでは無いですか?」

俺はメガネを取って新前に普段の大学の時の姿を見せる。


「え、?あ、高島さんじゃないですか?どうしたんですか、その服とメガネは、え、わたしびっくりです。普通に大学生に見えなくてどこかの会社の社長感がありますよ。」


会社の社長は大げさだが、前に丈瑠に見せた際は、どこかの国のスパイみたいな服装だなと言われた。


「この格好が普段の俺の仕事で活動するうえでの服装なんだよ。時間通りに揃ったし仕事場へ行こうぜ。」


俺はICカードを取り出す。


「あ、はい、でもカッコいい。大学でもこの格好して一緒に大学登校したい…。」


後ろで小声で何か言っているので内容は俺の耳には届かなかった。


俺は彼女の横を歩きながら周囲への警戒に注意して改札へ入ったのだ。



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