第40項「幕話新前華南side⑪」
新前華南sideストーリーです。
私は机に出されたワンプレート朝ご飯を食べていた。
誰が作ったのかというと私の隣の家の住人でかつ今日から私の身辺サポートや仕事のアシスタントマネージャーを舞美の代わりにやってくれる事になった高島俊明さんだ。
ちょうど今日から彼が私の家に出入りし仕事をしてくれる事になったのを昨日の夜までは
覚えていた。それに楽しみでもあった。
彼にとっては依頼された仕事だから何もそれに対して感情は湧かないかもしれないが、
私にとっては憧れでもあり興味深い人でもある。
今後仕事を通してどんな人柄が見れるのか楽しみにしている。
でも私は、朝起きた時はショックだった。
理由は小説を書く際に必要な数多くの種類の紙の資料の山が床に散在している私の部屋を
彼に見られたことだ。
小説家として例え彼が私が連載し出版しているラノベのファンであっても小説を書く上で
参考にしていたり文章表現の勉強として使っている情報の漏洩は避けたい。
高島さんも自らの意志で私の部屋に入ろうとしたわけでは無いと思う。
多分、1限の授業が9:00から開始するので朝ご飯を食べる時間や準備する時間の為に早く
から私達の家に来て私の部屋の扉の外から声を何度もかけてくれたんだと思う。
(その声に私は申し訳ないが気づかなかった。私は昔から一度寝ると中々起きることができない。ずっと解決できない悩みでもある。克服方法教えてほしい。)
そして始業時間が刻々と近づくなと感じ私の部屋に入り起こしてくれようとしてくれんだと思う。
でも私はよく彼に当たってしまった。
彼が私を襲うなんてそんなことはできない。なんたって彼は草食系男子だからだ。
彼の妹といる時は若干シスコンが混ざり草食系男子が抜けるがこの人は99%は女性に対して興味を抱かない。でも困っていたりすると女性でも助けけして雑に扱うなんてしない人である。そうだと分かっているのに…。
私は今日まで特に男性に強く冷たく当たることで、私自身を守っていた。
このような態度をとってしまうのは過去の出来事が理由だと思う。
私は小学校時代はクラスの男子にからかわれ、中学生の時は男子からのいじめに遭っていた。それによって高校時代は女子高に行きたかったけど家の近くに女子高が無かったので
しぶしぶ共学高校に通った。
東京のように自分が住んでいる地区にいくつも高校があるわけでも無いので、中学の時同じクラスだった人が同じ高校に何人も入学していた。
私に対するいじめも続いていた。その時男子だけではなく女子からのいじめや嫌がらせ行為が深刻だった。担任の先生は見て見ぬふりだった。
教育者なのに自分が担当する科目の授業における仕事以外は何もしてくれなかった。
それは予備校の先生と変わらないじゃんと私はその時思った。
大人は頼りにならないと理解したのはこの時だ。
だけど私の見た目だけを判断して私に告白してくる男子も何人か居た。
でもそれは大体罰ゲームで負けた人が1カ月付き合うみたいな奴だった。
学校という狭い社会コミュニティで公開処刑されている気分だった。
彼らにとっては楽しいのかもしれないが、私にとっては地獄だった。
私はその時から人と話すのが嫌になり人間不信状態になっていた。
道内の短期大学に入学しても私は男性と話したり遊んだりする事は全くなかった。
私が本当にちゃんと男性と会話するようになったのは高島さんが初めてだと思う。
彼は最初会った時から悪いオーラが感じなかった。
それに普通に話しやすかった。私は完全に男子嫌いを克服できなくても改善はした方が良いと思い授業が彼と重なる日は極力話すように工夫した。
私は、最後の一口の食パンを食べ”ごちそうさまでした”と言う。
今、私の人生の中ではかなり楽しいと思う。これも彼と出会った縁なのかもしれない。
私と高島さんは家を出る。私はカギをかけドアを閉める。
私たちは大学までの道を並んで緩やかな坂道を歩いて行く。
「それでこの仕事毎日やるんだよな?…となると明日も新前の家に行って朝お前を起こしに行く必要があるという事だよな…。さっき部屋に入るなといったけどどうやってお前を起こせばよい?これから俺は…。」
高島さんは私に振った。
「今朝の事は私の方も反省すべきごとだとは思っています。明日から朝は今日より早く起きれるように目覚まし時計をセットするように努めます。高島さんが私の家に来て私の部屋に声かけて反応が無かったら私の部屋に入っていいですよ。朝起こして欲しいとお願いしているのは私の方なので。でもその時あんまり部屋じろじろ見ないでくださいよ。」
私は、反省していた。私は彼なら別に自室の部屋に入っても大丈夫だと思う。
今朝も特に大きな問題は起こらなかったし…。
「分かった。お前も目覚まし時計を時計とスマホと2つ時間差でセットすればいいんじゃないの?さすがに2回も鳴り響けば気づくだろう?」
「そうですね、試してみます。あと朝ご飯も作って貰って良いですか?先日看病してくれた時も思いましたけど料理できる男性はモテますよ~。」
私も結婚する機会があれば料理上手な人だったら良いなと思う。
「分かった。明日お前ん家に8:00くらいには行くから。今日の時間帯に行ったらゆっくりと朝ご飯食べる時間や準備する時間無いしな。そのつもりで頼むよ~。」
「分かりました。了解です。あと…話変わるのですが、その私の事をお前と呼ぶのはやめてください。新前華南という名前がありますから…。」
できれば華南って呼び捨てで呼んでほしい。
「じゃあ、新前に統一するように努力する。」
う~ん、それは微妙だと思うよ~~。
「できれば、新前という苗字読みもやめてください。今この場に舞美は居ませんが彼女も同じ苗字の新前です。それに舞美だけ名前呼びなのに私の事も名前で呼んでくださいよ~。
ほら華南って…。」
「てか、名前呼びか…。さん付けはダメか?華南さんとか?」
高島さん動揺している…笑
「いずれは呼び捨てで呼んでもらいたいですが、今は良いでしょう。その呼び方でも。
じゃあ試しに呼んでみてください。」
私はドキドキした。彼の声で私の名前を呼ぶ感じがどうなるのかと。
「じゃあ、行くぞ…。は、はな(華南)さん…。」
「は…はい。」
私はすぐに返事できなかった。声に聞き入ってしまった。もう1回呼んで欲しい。
この人声も良いなあ。
私達は互いの赤い顔を見て笑った。
私は高島さん事を俊明の事を舞美や俊明の家族がいる場合は”トシさん”と呼び2人でいる時は”先輩”と呼ぶことに決めた。
「じゃあ、早速呼んでみますね。”せ~んぱ~い”早く歩かないと間に合いませんよ~。ほら早く早く~~。」
私は何か恋人みたいだと思ったが、信頼できそして気になりつつある先輩の事をフレンドリーに呼べるようになって嬉しかった。
4連休皆さんはどこかへお出かけしましたか?
ニュースを見ると観光地がどこも混んでいてびっくりでした。
私は山積みのタスクを片付けるだけで4連休終わりそうです。(汗)




