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第37項「~寝坊助の彼女を起こす①~」

ただの大学の知り合いで家が隣人である関係から契約を結び小説家とボディーガード兼

マネージャーといったビジネス関係になった

2人。


第2章が始まります。

先日新前姉妹と契約をした際に決めた仕事の依頼が昨日の夜に舞美さんから連絡が来た。


契約終了後に舞美さんとも連絡先を交換したのだ。


(女性からの連絡先は家族を除いて2人目だと思う。)


新前を起こし朝ご飯を食べさせ大学まで同伴するのが初めての仕事内容らしい。


俺は、昨日までどういうふうに彼女の依頼をこなしていくかを考えていた。


彼女に対して行う仕事の内容は下記の通りだ。

「華南さんのスケジュール管理と身辺サポート、仕事までの往復のボディーガード」が主な業務となる。

しかもこれを彼女が大学や仕事がある日は

こなしていかないといけないそうだ。


俺は大学に行く服に着替え軽く朝食を摂り

最後に野菜ジュースを流し込んで準備を整える。


俺は自分の家を出て徒歩3mの新前姉妹が住んでいる302号室の家のインターホンを押す。


今日も日差しが強い一日になりそうだ。


インターホンに自分が来た旨を伝えしばらく待つと妹の舞美さんが出てきた。


栗色髪ヘアで美しいが横の毛が少し跳ねている。癖毛なのだろうか…。


服は前回実家で会った時とは異なり寝間着のような部屋着のようなラフな服装であった。


「おはよう~。きょうから仕事よろしくね~♪♪じゃあ、早速だけどまず最初に私達の家の部屋を大体紹介するわね~。」


え、いくら家が隣同士でかつ4日前くらいに

会ったとはいえほぼ初めての人に部屋を紹介

されることになるとは思わなかった。


また、女子の部屋なんてどんな感じなんだろ。


部屋中が甘い香水の匂いとかするのだろうか。


「お、おじゃまします…。」


「ふふふ、そんな緊張しなくてもよいよ~。」


俺は靴を脱ぎ既に用意された来客者用スリッパを履いて彼女について行く。


台所、リビング、洗面所と個室の部屋が2つ

あるという感じで間取りもほぼ同じだと思う。


もちろん天井の色や壁紙のヤマドリの模様も同じだった。


しかし、リビングは明るい色の基調で整っている。


最後に姉妹それぞれの部屋を紹介された。

最初に妹の舞美さんの部屋に入れてくれた。


部屋の壁紙は薄い水色基調に変わっている。


また、学習机の周りに本棚が並びその中には漫画がぎっしり揃っている。


本棚の横にはベッドがありさっきまでそこに舞美さんが寝ていたんだと思うとちょっと

冷汗が出る。


「あんまり、私の部屋見ないでもらえる?」


「あ、ごめん。いや、やっぱ女性の部屋ってけっこう整理整頓されているんだなと思って。」


「そうね、私の方が華南より部屋は整っていると思うわ。じゃあ、華南の部屋は隣だから。じゃあ、行くよ~~。」


俺は舞美さんの部屋を出て華南さんの

部屋の前に立つ。


「はな~もう朝だよ~いい加減起きて~~~。舞美もう先に大学行くから~~。」


扉の向こうから返答は何も無い…


俺の横では大声で話していてけっこう耳に

来たが、向こうの彼女にはこの声の大きさでも聞こえないらしい。


「悪いんだけどさ、華南を起こしてきてもらえる?方法はどんな方法を使っても良いよ?襲ってしまっても良いし?台所と冷蔵庫は好きに使って良いから。何か簡単に朝食を作ってもらってよい?じゃあ、私もう行くから~~~。」


そう言って舞美さんは家を出ていった。


待って…


”今襲っても良いから”とか言わなかったか?


おいおいそれ女性がいう台詞じゃないだろ。


残された俺は腕時計の時刻を見る。

時計の針は8:25を差していた。


俺はさっきの舞美さんと同じように朝であることを大きめの声で言ってみた。


全く効果はない。


俺は、部屋の中に突入をするか考えた。


いくらこの家から大学まで距離的に近いとはいえ途中の高低差を考えると俺の足で片道15分くらいはかかる計算になる。


となると8:45には家を出たい。

残りは20分程度しか無い。


俺は彼女がいる部屋に続く扉を開けた。


開けた先には多くの本や紙が散乱していた。小説家の人の部屋って何か物が散乱しているという偏見かもしれない勝手なイメージが

あったがそれをしっかり体現していた。


俺が想像していた女性の部屋とは全く異なっている惨状だ。


そしてベッドの方に目をやると寝間着の

ボタンの下の方が取れかかっていて上半身のおへそのところ見え隠れしていて肌が露出している。


俺はすぐに視線から離す。


紙のように理性が薄い健全な男子高校生・

大学生が朝から見て良い物ではない。


完全に理性が持っていかれる。


理性を保っていなければ襲い掛かってしまう可能性があるなと思った。


俺は仕事として今はこの部屋に居ると

何度も自分に言い聞かせる。


舞美さんが起こす方法として襲ってしまっても良いよという軽い感じが今になってその

意味が分かった気がする。


俺は床にばらまかれたのか散乱しているのか分からないが足元に注意して新前の部屋の

カーテンを開ける。


太陽の光が一気に部屋の中に入る。


太陽の光がちょうど新前の顔に当たったのか急に彼女が反応した。


「たかしましゃんがボディーガードを引き受けてくれて良かった~~ハハハ。」


彼女は半分目が開いた状態で話している。


「あれ~~舞美じゃない知らない人が居る~?誰だろ?舞美の彼氏かなああ?」


あの人に彼氏が居るのかどうかは知らんけど俺はあのの恋人になった覚えはない。


この人全然起きてくれないですけど?


「お~い!俺は今日からお前の身辺サポート等をすることになった4年生の高島俊明だ。お前の家の隣に住んでいる?」


すると…

「え、なんで高島さんが家に?そして私の部屋になんで居るんですか?私の事を朝から襲いかかろうとしているのですか?」


俺はこの人に言いたい。

契約をしたいと言ったのあなただよね?

覚えている?

仕事で忙しいのかもしれないけど?

早く思い出して?


俺がずっと応援していた作家さんのプライベートでの朝の様子がここまで酷い物だとは

思わなかった。


たぶんファンの人がこの部屋と彼女の姿を見たら驚愕してしまうだろう。


(現に俺もこの部屋に入ってから驚きの連続だ。)


「ねえ、高島さん、いつまでそこにいるの?私の生着替えシーン見たいの?変態さんですね。あなたの妹に言いますよ。早く出てもらっても良いですか?」


なんか急に冷たいし俺の目の前では掛け布団から出て手に今日着るであろう服を持った新前が立っていた。


彼女の寝間着姿も普通にかわいいとは思う。

でも妹に連絡という手はずるい。


しかし、ゆっくり拝んでいる場合ではなかった。


彼女の目が”早くこの部屋出なさいよ”と言っていた。


怖い。はいはい、俺は出ていきますよ。


毎日この人を起こすのは苦労しそうだ。


俺は部屋の外に出て扉を閉めた。


俺は溜息をついた。


彼女を起こすのに10分以上もかかってしまった。


これは何とかしなければならないな。


この仕事引き受けない方が良かったかもしれない。精神的にもかなり疲弊する。


本当にこれから先の毎日の任務がこんな感じだと先が思いやられる気がした。



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