第35項「幕話新前華南side⑨」
sideストーリーです。
姉妹の性格が少しずつ分かります。
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私達は急遽大宮スカイホテルの一番安い部屋に宿泊する事になった。
明日は、会場を出る時に舞美が言っていた会社に足を運ぶことになった。
私達は夕食を摂りシャワーを浴びて今は濡れた髪を拭きながら自分のスマホで明日訪ねる会社の事について調べる。
その会社の名前は“株式会社ストロングガード”と言う名らしい。
会社概要を見てみると簡単にいうとボディーガードを主な活動として行う会社のようだ。
社長は高島巌と記載されていた。
ホームページの従業員の紹介ページの所で一番上のところに知っている人の名前が出てきた。
その人は、毎週水曜日の一限の授業で同じ授業を履修していて、先日公園で雨に濡れていた私を看病してくれた。私の処女作のファンであり、私の家の隣に住んでいる人でもある。歳が上の先輩でもあるあの男性だ。
そう、そこには“高島俊明”と名前はあった。
これって、彼もボディーガードとして活動しているということ?
私は思った。
いままで引っかかっていたしこりが少しずつほどけていく気がした
前に私が風邪をひき彼の部屋で寝ていた時に聖奈ちゃんから聞いた高島さんが空手をやっていた理由と過去に全国大会で優勝するほど強い選手であった事が分かった気がした。
高島さんは空手で全国優勝を目標にしていたのではなく、もっと長いスパンでの目標でもあったボディガードになる為に習っていたとも考えられる。
同じホームページの“ボディーガードという職業とは”という紹介ページのところにボディーガードを志す人は空手の有段者である人が多いと書かれている。
また、彼のリビングルームの壁に掲げられていた「観見二眼」という言葉は、この会社の大事にしたい理念でもあるようだ。
私は“観見二眼”という言葉の意味が分からなかったので検索をかける。
“目の配り方は、大きく広く見るようにする。「観」「見」の二つがあり、「観」の目は強く、「見」の目は弱く、遠い所をはっきりと見て、身近な所をはなして見ることが、兵法の上で最も大切である。敵の太刀筋を知るが、太刀筋にとらわれないということが、
大事である”
何か難しい言葉だなとは思ったが、目にみえるものだけに頼らず捕らわれず、もっと主観的または客観的に心の目で全てを捉えるという認識で良いのかなと思った。
それにしても高島さんがボディーガードをやっているとは今まで全く知らなかった。
でもこれで納得した。
彼が空手をやっていた理由が解決できた。
恐らく舞美は自分がやりたいことと私のサポートの両方をやりながらは難しいと判断し親戚にこの会社について知っている人が居る事からここにお願いする形にしようと思ったのだろう。
いままで、舞美は自分の事よりも私の事を優先してくれたからこれからは彼女も自分がやりたい事に挑戦してほしいと思う。
でもこの会社の中で誰が私のボディーガード兼サポートをしてくれるのだろうか。
会社の従業員数もそこまで多い感じではないし。
舞美がシャワー室からタオルを巻いて出てきた。
私以上のモデルのような体型に濡れた金髪が部屋の薄い間接照明により一層色っぽさを醸し出している。
私が男だとしたらこの妹に告白しても絶対付き合うことは無いだろうなと思う。
「とりあえず、明日は7時に起床して7時半に朝食、8時にチェックアウトだから、よろしく」
分かったと頷く。
「さっきイベント会場出る時に言っていて明日訪問する会社について調べたんだけどさ、どの人にボディーガードをお願いするとかあるの?」
「私の考えとしては、前に華南が言っていた高島俊明さんにお願いしようと考えている。それに彼は私達と同じ大学でキャンパスも同じ、それに同じマンションの隣の部屋の住人だからもう彼にお願いできなかったら考え直すけどたぶん何とかお願いすれば行けると思うんだよね。でもその質問は華南は高島さんにボディーガードだったら良いなという願望をお願いしたいけどそれを彼に自分の口から伝えるのは恥ずかしいからこういう聞き方をしたわけ?」
うっ。図星過ぎて次に続く言葉が出ない。
とにかく早く返事しなきゃっ。
「え、え、そういう訳ではないよ。でも知っている人だったら良いなと思って」
実際のところ私は高島さんの事についてもっと知りたいと思っている。
「え、本当はこの間看病してもらいその後メールアドレス交換したのに一度もメールでの会話をしていないからその機会を作る為とかじゃなくて?」
はい、それもあります。
だって、どんな文章送れば良いか分からないんだもん…。
「え、そんなことないよ…たぶん....」
たぶん、私の顔は赤く染まっていると思う。恥ずかしい....
心臓の鼓動を少し早い。
最近私は高島さんの事を考えるとドキドキ感が止まらなくなる。
「え、本当~?怪しいなあ。もしかしてあれ以降会えていないからもしかして今すぐにでも会いたいとか思っているんじゃない?」
「そ。そそそんなことはないよ」
舞美に言いたい。これ以上煽らないでと。
本当の事を言うとすぐにで会ってお話ししたいです、彼についてもっと知りたい。彼は何を考えているのか。
「なに、その慌てぶり。図星なのね。まあ確かに華南があれだけ目を輝かしながら前に高島さんについて言っていたけどかなり人間としてできているわね。まあ、私も実際のところどうなのか確認してみたいというのも私の本心であるかな」
「もう寝るね。おやすみ」
私は急いで掛け布団を頭にかぶせて寝たふりをする。
「あれ~?急に恥ずかしくなって逃げるんだ?でもおねえちゃんの可愛いところ見れたから満足だけどね」
舞美め。私のことからかいやがって。
私は思った。
昔から舞美は私が欲しいというものを簡単に目の前で奪い去っていく節があった。
私より勉強も運動も家事もそして容姿も良くて私が舞美に勝てる分野は何一つ無い。
このままだと舞美は高島さんの良さに気づき私の前から奪おうとするかもしれない。
それだけは嫌だ。私の作品のファンである彼を守りたい。
だからまずは舞美より先にメールを交換しているだから彼に何かメールを送ろうと確信した。
一歩リードしているいまだからこそ。
そして少しでも彼の事について知る努力をしたいと改めて思った。
”観見二眼”は私の座右の銘の一つでもあります。
俯瞰して自分を見ることも大事です。
言葉の解説は文中でもされていますが、
さらに知りたい人はインターネット等で調べてみてください。
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