第34項「彼女らとの契約~ビジネスパートナーになる~」
けっこう大事な回です。
今後の彼らの関わりが大きく変化する事になると思います。
俺と姉妹は部屋に入った。
漏洩防止のために扉を閉め席に着き湯呑にお茶を注ぐ。
「はじめまして、あなたが先日公園で雨に打たれて居た姉を看病してくれた高島俊明さんですね。この度は突然の訪問でご迷惑をおかけして申し訳ありません。ほら、華南も礼して」
2人の目の前にいる美人女性は謝る。
これまでの依頼人の中でここまできれいな人は前例がない。
(この言い方だと過去に依頼された女性が美しい人では無かったという言い方だね。失言だった)
「いえ、特に大きな病気になったり体調が悪化したりしなくて良かったです」
俺はビジネス返事をする。
「それにあなたが隣人だとは知らずに挨拶もまだできていなくて」
まあ、新前華南いや、新島先生が隣の部屋の住人だという事を俺もそれを翌朝に知ったからね。
「お互い忙しいからしょうがないと思いますよ。今日お会いできて良かったことにしましょう」
舞美さんの方が口を開いた。
「それで、高島さんは私達と同じ首都圏総合大学西東京キャンパスに通われているんですよね?そうなると所属している学部は経営学部とかでしょうか」
「そうですね、お二人と同じ大学で属している学科もおっしゃる通りです。こちらからも質問したいことがあるのですが良いですか?」
"どうぞ"と言われる。
「お二人は姉妹なのでしょうか?どっちが姉でどっちが妹なのか一応はっきりさせておきたいので」
「私が妹で華南が姉になります。私達は双子の姉妹なんです」
まじか、双子なのか。これには少し驚いたなあ。
全く同じではないが、基本的な顔などのパーツは類似している気もする。
「ありがとう、それで本題の依頼について聞きますね。仕事内容は姉の華南さんのスケジュール管理と身辺サポート、仕事までの往復のボディーガードだと言っていましたが、細かく説明してもらっても良いですか?」
「はい、分かりました。まず、スケジュール管理は、仕事の依頼や原稿の納入日、イベント等の参加の有無や当日のイベントの流れについての管理を指します。」
「次に身辺サポートとは、今後大学の授業と並行して午前中に仕事が入る場合があります。その際に私達の家まで来て華南を起こして欲しいんです。華南は一度寝ると起きるのに時間がかかります」
「それに家事も得意ではなく私が居ないと食事のバランスが悪くなります。高島さんが料理上手だと華南から聞いたので料理も用意してくれると助かります。ただこれについては私もできる範囲で手伝うのでそこまで心配しなくて大丈夫です」
「最後にボディーガードは家や大学から仕事先までの往復のボディーガードをお願いしたいです。華南はかなり可愛い田舎娘なので男からストーカーされることもあって怖いのでここは重点的に毎日行ってほしいです。大体こんな感じです」
けっこう仕事内容多いな。仕事がある日は毎日起こしに行くのかあ。
それに彼女の身辺サポートが一番めんどくさい。まあ依頼だからしょうがないか。
新島先生とその関係者のお願いだしな。
妹の舞美さんは姉の華南さんの事が色々心配であることが伺えた。
「支払われる金額はいくらくらいでしょうか」
「月に40万くらいからスタートさせるのはどうでしょうか。その後何年もやって歴が長くなってきたら少しずつ昇給する感じで。また、華南が昇給しても良いと思うくらい彼の仕事に満足しているのであれば給料がアップすると思います」
まあ、特別高くもないがとても低い訳でもないな。
「なるほど、なんとなくは理解できました。でもなぜ私のもとにきたのでしょうか?」
ここは一番聞きたい事だ。
「まず一つ目。私のお爺さんが高島強さんと若い頃仕事仲間でありボディーガードの会社を経営していることを聞いたことです」
「2つ目は先日の雨の際に華南を看病してくれてかつ隣人も苗字が高島であったこと、そして華南が妹の聖奈さんから聞いた事で高島さんが空手といった武道に関してかなりの好成績を残しているという点。もしかしたらこの2人は同じ家系の人なのではないかと思い調べたところ株式会社ストロングガードの従業員の名前の所にあなたの名前があったので今日訪問しました」
「あとは、出来れば私達姉妹と同じ大学に通っている人が良いというのが最大の条件でした。なので出来れば高島さんにやっていただきたいです」
なるほどな。
…という事は俺が中学校で空手の全国大会で優勝していることやこの会社の従業員として大学と並行して仕事をしているの事も相手は把握済みという事か。
これを受けるか迷ったが、これだけ相手が俺を把握し助けを求めているから依頼は受けるとするか。
「分かりました。できるだけのサポートはさせていただきます。ただ、私も別の仕事と重なる場合もあるのでそこは把握しておいてください。あと、華南さんが、私が担当することに問題なければ契約しましょう。いかがでしょうか」
「え、是非ともお願いしたいです。」
彼女は少し顔を赤らめながら答える。何か顔が赤らむ理由あるかね?まあ、良いか…。
「分かりました。それでは契約を取り付ける事にします。この契約書に記入事項を書いてください。私は父にこの件を報告するので」
俺は外を出て親父に報告し了承を得てまた部屋に戻る。
「書けました。確認お願いします」
「はい、ありがとうございます。これで正式に契約できました。それでこちらとしてはいつから仕事に入ればよいでしょうか?」
「そうですね。GW明けの水曜日とかはいかがでしょうか?」
「大丈夫ですよ。詳細は私のメールに送ってください」
向こうの2人も頷いた。これで取引は成立した。
こうして俺たちはただの隣人からビジネスパートナーとして新たな関わりを持つことになったのだ。
次は新前華南sideの話を数話書いて1章は終わりです。




