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第26項「やっぱり母の味噌汁は美味い」

家族のだんらん回です。

「おかえり~。トシ、聖奈。」


母さんの声が聞こえる。

母さんは相変わらず美人だ。

これで40代後半には見えない。

まだ、20代と言っても全然通ると思う。


「ただいま。」


「トシあんた、また身長伸びたんじゃない?」


「さすがにもう伸びていないわ。てかまだ伸びていたら怖いわ。」


「それもそっか。でも久しぶりに会えて母さん嬉しいわ。あ、どうする、お風呂先入る?それとも食事にする?」


「食事がいいな、久しぶりに母さんが作る味噌汁が飲みたい。」


「あんた、男のくせに味噌汁好きだよね?そう言うと思って作っておいたよ。」


俺は心の中でガッツポーズをする。

男でも味噌汁が好きな人だって一握りだと思うけどいると思うよ。


「とりあえず、手洗い、うがいしてお父さんとお爺さんに挨拶してきな。」


頷いて手洗い場に行く。


玄関の方からは母と妹の会話が聞こえる。


「聖奈はどうだったの、お兄ちゃんとのお出かけは?ちゃんとエスコートしてもらったの?」


「う、うん。楽しかったよ~。」


「そう、良かったわね。あんたたち昔はそこまで仲良くなくて当時は心配したけど関係が元に戻って少し安心したわ。トシに言い忘れていたけど、あんた妹だとしてもちゃんとバレンタインのお返しは返しなさいと言ったでしょう?聖奈からまだ返されていないと聞いて驚いたよ。貰ったら何か返すのはあたりまえでしょう?」


母さんが言いたいことは良く分かる。

その時は俺は父さんの代わりに仕事していたからな。


でもそれはマル秘の任務だったからな。


どうやってごまかそうか考えていた時…。


「まあ、あれは俺がホワイトデーを含めた1週間依頼人の仕事を俺の代わりにやってもらったからな、そこまでトシを責めるな。その件は俺の責任でもあるからな」


背後から図太い声がする。


「フォローありがと。あと、ただいま。」


親父に挨拶する。


「おうよ。前会ったのは3月の2週目くらいに仕事先でその1週間の任務の事について聞くために落ち合った時以来だなあ。」


「親父、それは言わない約束だったと思うぞ。親父の方がこれは母さんや聖奈には伝えるなっと言っていなかったけ?」


俺はあの時このことは家族に漏らすなと親父に念を押された気がする。


「あ、そうだった。やべっ。」


ちゃんと今の話は聞こえていたと思う。この近さなら。


「ちょっと、厳さん、お父さん、どういうことなのか説明してもらおうかしら?」


後ろ側にいる女性陣2人の目が一気に冷たい目線になり声が揃った。


厳と言うのは俺の親父の名前だ。

説明兼女性陣からのお説教は親父に任せて、俺はお爺さんの書斎に向かう。


「ただいま帰りました。俊明です。」


俺はふすまを開け部屋に入る。


「おお、良く帰ってきたな。元気だったかい?」


「元気だぜ。中々帰れなくてごめん。」


俺は謝る。


「大丈夫じゃ。仕事の方も大学あるのに手伝ってもらって悪いの~。」


「大丈夫、大学は卒業に必要な単位は全て取得したから時間は比較的にあるから大丈夫だよ。」


「そうか、まあそれなら良いんだが、仕事だけでなくちゃんと青春するんじゃよ。」


「あ、うん。分かっている。」

本当この人、いいお爺さんだ。


「トシ~、おじいちゃんご飯ですよ~。」


聖奈の声が響く。さあ、飯だ飯。


「いま、行く~。」

俺は返事をしてお爺さんと部屋を出る。


食卓に着くと豪勢な献立だった。


焼売、エビフライ、とんかつに豆腐と油揚げとわかめの味噌汁、白米にきゅうりとキャベツの塩こうじ和えという普段一人暮らしだったら揚げ物なんてほとんど作らないから嬉しかった。


「はい、召し上がれ~。たくさんあるからしっかり食べるのよ~。」


「いただきま~す。」


俺は味噌汁からすする。やばい。やっぱこの味だわ。


これを飲むと本当に実家に帰ってきたと感じる。


俺が最後の晩餐に食べたいものだ。


相手に求める結婚の条件として味噌汁を美味しく作れる人も条件に加えようっと。


「どう?トシ。味噌汁の味は?」


美味(びみ)美味!!」


「そう、それは良かったわ。揚げ物も食べてね。あんた、揚げ物とか前にあそこの部屋では作らないって言っていたから全然食べていないと思って作ったのよ。」


さすが、良く分かっていらっしゃる。

マジ母親、神。


「おう、そうだ。聖奈は今日どうだったんだ?トシと出かけてから来たんだろ?」


親父は口を開いた。


「楽しかったよ~。帰りに美味しい店教えてもらったから、これでバレンタインの件はチャラで良いわ。お兄ちゃん。」


聖奈はそう返事をする。


「お、おう。分かった。ありがとう。」

俺は返事する。


「そうか、兄妹でデートか。良いね。悠梨さん今度俺らもどっか行こうよ~。」


悠梨さんと言うのは俺の母親の名前だ。


妹の聖奈のスペックさや顔はほとんどこの人から来たと言っても過言じゃない。


俺が母さんから遺伝を引き継いだものは料理くらいだけかもしれない。


「あら、いいわね。子供たちに触発されて私達もお互い予定が空いている日に行きましょうか?」


「いいね、今度行こう。」


この両親本当仲良いなあ。

嫉妬するレベルで。


俺は概ね食べ終わり最後に味噌汁でしめる。


やっぱり母さんの味噌汁は世界一の旨さだと思う。


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