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第131項「幼馴染の親子からのささやかな贈り物」

定時更新間に合った~~~。


お待たせしました。

華南さんとの花火大会と浴衣回


やっと第1の書きたい部分まで来た…。

「まずは試験お疲れ様だな、って先週の会議の時点でこれは終わっているか…。」


夏休みが始まって早くも1週間が経ち俺と華南さんは快適な空調設備と言う名の冷房が効いたいつもの健さんの仕事専用の建物の中にある会議室で彼の話に耳を傾ける。


「これからトシにとっては学生生活最後の夏休みが始まる。華南さんもこっちに編入してから初めての関東での夏を過ごす事になると思うが、この夏休みの間は来年1月の新島先生の原作小説のアニメ化に向けて作業をしていくつもりだが、2人には仕事だけではなくプライベートの方も充実してもらいたい思い、1週間前に2人に渡したスケジュールは破棄(シュレッダー)してもらって構わない。」


「どういうことですか?」

華南さんもこの話題は初めて聞くようだった。


「君たちはもちろん知っている息子の丈瑠に指摘されこの夏の仕事のスケジュールを組み直すことにした。それを記した紙を配って今から補足説明をするつもりだ。」


幼馴染(たける)の助言もしくはお節介なのか分かりませんが、新たに立てて頂いたスケジュールでこの夏が明けた際に達成するべきことは終わるのでしょうか?」


「ああ。そこらへんも抜かりはない。さと美さんとも相談をしたのだが、ギリギリこの夏のタスク量と2人の休日を事前に知らせたスケジュールよりは確保することが出来た。」


自信満々に汗をぬぐいながら健さんは言う。


「決められた日付までに仕事が完璧に終わることができるのであれば俺は大丈夫です。あとは華南さん次第なのかと…。」


「私は好きでこの仕事をやらせていただいているのでここまで手厚く休日を増やし仕事の方調整をしてもらって申し訳ないです。」


華南さんは軽くお礼をする。


「ああ、いいんだ。俺もなぜか息子にこの間めっちゃ怒られたんだよ…。”華南さんが自分の夢の為にそしてトシがその夢をサポートするために身体を張って日々頑張っているのは分かるし彼らも好きでやっているのだと思うけど、このスケジュールに記されている休息日は大学生活最後の夏休みにしては明らかに少なすぎでしょ?トシなんか高校時代から夏休みを含めて長期休みはほぼ家の仕事の手伝いをしていてその休暇の最後に日だけ俺と遊ぶくらいしかその限られた休日を満喫していなかったんだから、せめてこの夏だけでも仕事と休日のメリハリをつけてスケジュールの再調整は出来ないの?”と強く言われてしまってね…。別に自分の事でも無いのに大切な幼馴染の夏休みを楽しんでもらう為に息子が俺に頭を下げるなんて正直思わなかったよ~~。」


「まじか…よ。」


「その話感動でちょっと涙がこぼれそうです…。自分には全く関係無い事なのに私達の為にそんな頭を下げてまで頼み込むなんて…。」


「丈瑠が言うには”あの2人は働きすぎだから休息をとってもらわないと長くは持たないと思うし、なんといっても俺がトシと遊べないじゃん?余りにも休日が少ないとさ”って言っていて本音はそこかよと思ったけどさ、特にトシな…。あいつにちゃんと感謝しろよ?お前がここ5年間ぐらい長期休暇に仕事以外で外に出て遊んだり出掛けたりしていないと言う話を聞いて俺はびっくりしちゃったよ~~。」


「まぁ、全く休日が無かったわけでは無いですけど、1日中仕事を手伝わなくて良いと言う日は丈瑠が言うように各長期休暇の最後の日だけでしたね…。」


「先輩、良かったですね?素敵な幼馴染が居てくれて…。そして私は好きなことをやらせてもらっているのに…。彼は私にまで配慮してくれて…。」


「とりあえず、次に丈瑠に会ったら良くお礼を言わないとだな…。」


華南さんも頷き次に丈瑠に会ったらどこまでのお礼をすれば良いか分からないが、何かしらしないとな…。


「それで新しく作成したスケジュールの紙はこれだからよく確認してくれ!」


そう言って渡されたスケジュール表を見るとそこにはお盆の時期に1週間くらいの休みがありなんと今日これからの16:00以降は休みと言う事になっている。


「なんか休み多くないですか?大丈夫ですか?」


「大丈夫だ。ここに来てもらう日程は前のスケジュールより少ないが1回1回の会議や作業を行う時間が1日規模の仕事として多くなる感じだなぁ。なので、基本的に会議がある日はこの建物に9:30迄に集合してもらえると助かる。終わりは17:00までに終われるように各日の仕事の内容を組む予定だ。」


「分かりました。ありがとうございます。」


「それで、今日の話し合いはこれで終わりだ。」


「え、もう会議終わりですか?活動を行う日程が少ないんですから今日からでも早めにやった方が良いと思いますけど?」


「まぁ、待て待て!落ち着きたまえ…。トシ。今日はこの付近でイベントがあるんだ。なのでそれに2人で行ってきなさい!」


「この辺で今日イベントなんかありましたっけ?」


俺は過去の記憶をたどりながら思い出す。


「トシ。思い出すんだ!まだ、高校生くらいだったときに毎年7月の第4土曜日にはこの近くで花火大会があるだろ?」


「ああ、ありましたね…。すっかりそんなこと忘れていましたけど…。」


「花火大会ですか…?」


「ああ、毎年この7月末にこの当たりで大きな花火大会が開催されて出店なんかも並ぶ夏の大きな祭事なんだよ!」


「わあ!想像する時だけでもわくわくするような光景が見えてきますね?」


「トシや丈瑠が高校生だったときは高島家と高久家で一緒になって2階のベランダで見たりして交流会をやっていたよな…?」


俺は健さんの説明を聞きながらあの時の事を振り返る。


この両家の交流会は花火大会以外にもBBQとかも行われることがあったが、この時期の風物詩と言えばやっぱり花火だろう。


中学・高校生の時は丈瑠と妹の聖奈の3人で花火大会の会場近くの空き地で見てその後家に戻って夕食を食べ、俺ら子供は遊び両家の父親は夏の夜の少し涼しい風にあたりながらベランダでお酒を飲んで話をしていた光景が少しずつ思い出されてきた。


「だんだん思い出してきました。高校生くらいまでは合同交流会やっていましたよね?」


「やっと思い出してくれたか?丈瑠とトシと聖奈ちゃんが大学、高校と進んでからも両親達で開催はしていたんだよ?今年も朝さと美さんに聞いたらやるって言っていたから花火を見終わったら来いよ?」


「はい。分かりました。花火の開始時間は何時でしたっけ?」


「19:00よ。」


「うん?なんか健さん以外の声が聞こえたような…。」


白いワンピース姿の天使ではないけど超絶ハイスペック容姿端麗透明感抜群の俺の妹が部屋に入ってきた。珍しく髪を下ろしていて目新しい感じがする。


「あれ、聖奈ちゃんだ~~!お久しぶり~~。」


「華南さんもお久しぶりです。それと、おにい。ちょっと華南さん借りて良い~?」


「”借りて良い”って別に俺の所有物でも無いから全然かまわないけど、そもそも何で聖奈がこの部屋に居るのさ?」


「え?おにいの顔を見たくなったから健さんに頼んでこの部屋に入ってきた!?」


嬉しいと言えば嬉しいけど、それだけの理由で健さんも良く部屋に通したな。


「そこなんで疑問形なのか分からないけど…。健さんに頼んでよく許可出たな…。」


「聖奈ちゃんはもう長い付き合いだからね。別にいつでもこの部屋に入るってことだけ言えば入ってよい事になっているからね~~。」


「健さん。俺の両親より圧倒的に甘いな…。」


「まぁ、私の娘ではないからね…。」


「そりゃあそうですよね…。それで聖奈は何しに来た?」


「うわ~。私の兄に対する可愛い妹の愛を無視しないでよ~~。今日花火大会であることは健さんからさっき聞いたと思うけど、せっかく花火大会という大きなお祭りに行くんだから女性は着飾る必要があるでしょ?それをする為に華南さんを一時的に回収するために私は来たのよ?借りていくよ?おにい、いや未来の彼氏さん?」


彼氏って何?ついに俺の人生を買い取ってくれるリサイクル業者でも来たのか?


「え、私、聖奈ちゃんに連れていかれるの~。何されるの?」


「大丈夫ですよ?普段から綺麗な華南さんに更に磨きをかけて大人っぽい美人な女性に仕立て上げてこの鈍感兄貴(ドンカンボーイ)に見せつけてやるんですよ?」


「な、なるほど…。」


華南さんはこの後に起きる事に見当がついていないようで、次の言葉が出てきていない。


「じゃあ、おにい。華南さん借りていくね!1時間くらいしたら返却するから?楽しみにしていてよ?」


「お、おう…。」


華南さんは聖奈に促されてこの会議室を出ていった。


「聖奈ちゃんって昔はあんなにトシの事好きっていう感じでは無かったよね?」


「俺が高校生くらいの時はあいつとそこまで仲良くなかったんですけど、大学生になってから急に兄妹間の仲が改善されたんですよね?でもなんでここまで改善されたのかが分かっていないんですけどね…。」


「トシが実家を出てからだよね…。聖奈ちゃんが見せていた刺々しさがが落ち着いて急に丸くなってやさしさ溢れるスーパー美少女になったよね~。」


「そうですよね。あいつは母さんの血が流れて居るのでハイスペック過ぎていつでも嫁げますね…。」


「聖奈ちゃんってあれだけ悠梨さんの血が流れているのに彼氏とかと歩いているところは見たこと無いよね~。前に好きな男子とか居ないの?って前に聞いたら、”男子は基本バカばっかりなのでおにいちゃんより魅力的な人が見つかれば少しは考えるかもしれませんけどね…。”って言っていて彼女の理想の男性はトシを基準としてそれよりも上の人が良いという事だよね?」


「まぁ、そう言う事なんですかね…。俺は妹ほど完璧ではないのでむしろ条件レベルが低くなって良いんじゃないですか…。知りませんけど…。」


俺は既に恋人(かれし)くらいいるものだと思っていたけどな…。


「いや、君たち兄妹はどっちも俺が知っている範囲ではかなりレベルが高すぎるよ。特に身体能力や動体視力が抜群に良い男なんて昔は厳がそうなのかと思っていたけどトシが生まれてからは圧倒的に父親より高い能力だと思うよ?」


「買い被りすぎですよ?でも両親以外に俺の事を普段から見てくれているのは本当にありがたい話ですよ。それで、話は変わるんですけど、今日丈瑠は花火大会の方はどうするとか言っていました?」


「そうそう。それでトシに頼みと言うか、丈瑠も付き合っている恋人と花火大会に行くって朝言っていたから相手がどんな人なのか華南さんとデートを楽しみながらで良いからさ見てきてもらえないか?」


そもそも俺と華南さんはデートする事になっていることにまず驚きなんだけど。

俺で大丈夫なの?


「わ、分かりましたよ…。次に会ったら伝えますね…。」


「よろしく頼むぜ!トシ…。それと華南さんとのデートしっかりエスコートしろよ?長い幼馴染同士の好でこれだけお膳立てしたんだからな?良い進展を待っているぜ?」


「裏でやってくれたのはありがたいですけど、自分の息子の方にもちゃんと父親としての仕事をして下さいよ?」


「もちろん。困った時はするつもりだが、あいつは俺の助けが無くても乗り越えていける

だろうから大丈夫だ。」


「そうかもしれませんね…。健さんの息子もハイスペック美男子ですもんね…。」


俺と健さんはそのまま話を続けながら華南さんが戻ってくるのを夏の夕暮れになって吹いてくる風を感じながら待ち続けたのだった。


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