第130項「期末考査明け連日勤務2日目~with舞美 水着回編②~」
昼食を食べ終え、他の読モの人達も会社が用意してくれた水着を持って更衣室に入っていく。
「先輩、さっきスタッフさんに聞いたんですけど、今回の水着は新製品の宣伝の為に準備した物らしくて読モのオフショットシーンという事で世に出回るらしいんですよ?」
「わざわざ、今日の撮影後のオフショット撮影の為だけに準備してくれるとか用意周到すぎだな」
「そうですよね?それであそこに水着が何着かあって好きなものを選んで着てみて良いらしいんですけど…。先輩は女の子にどういう水着を着て欲しいとか在りますか?」
指をさす方に色んなデザインの水着が並んでいるようだ。
「実戦で戦うという時になった時に動きやすい物とか?」
「やり直しです。私はそう言う回答は求めていないです…。大体水着姿で戦う事なんてないですよね?先輩がどう返事をするのか一瞬でも期待した私が愚かでした。もう1回やりますよ?」
「これは何かドラマか何かの撮影のシーンなのかよ」
「私は普段から先輩と関わっているから先輩が“ザ・草食系男子”なのでそう言う返しが来ることは予想しましたしこの場では許しましたけど初めての恋人ができた時に今のような質問が飛んで来てその返しは絶対ダメですからね」
「そうなんだ」
「そもそも先輩は仕事一筋で例え恋人を持ったとしてもすぐに破局する事が間違いないのでこんなやりとりを今の私以外にする人なんていませんでしたね」
まだ恋人すら居たこと無いんだよな…。
だから、付き合ってどのような流れで破局に至るのかが見当つかない…。
「おまえ、本当はその嫌味が一番言いたいことなんじゃね~の」
「さぁ?どうでしょうね…。もう一度やりますよ?さっきの質問から答える流れ。先輩の本音では無くて自分が役者のように演じるでも良いですから」
「役者のように演じる意味があるのか知らないけど…。分かった…。それでこの場が切り抜けられるなら」
「行きますよ?せ~ん~ぱ~い~~!!もし海とか行ったときに女の子にどういう水着を着て欲しいとか在りますか?この中にある物を言ってくれても良いですよ?」
一番最初にこのやりとりを始めた時に比べかなりテンション高めでめっちゃかわい子ぶっているのが鼻に付く気もするが、今は妥当な質問を返そう。
「出来れば露出が少ないのが良い…かな」
「それはその人の肌を他の凶暴な男に見せたくなくて自分だけがその相手を独占したいという意味ですか?」
言い方な。
「俺が女性に着てくれたら良いと思う服の種類とかもできるだけ派手では無くてあっさりとした方が好みだから水着もその方が良いかなと思うけど、あくまで俺の意見だからその女性が着たい水着を着れば良いんじゃないの?」
「露出が少ないと言うのは恐らく先輩の好みなんでしょうけど、女性は基本的に気になっている男子に最初の質問を振る時には男の子の好みを知りたいから聞いていると思うのですよ?だから自分が着たい物を着ればよいと言うのは“思考と責任の放棄”でしかないんですよ?」
「はぁ、じゃあはっきりとこれが良いって主張した方が良いという事か?」
「女性でも人によって考え方色々でしょうから全員に共通して当てはまることなのかは分からないですけど、気になっている男性にはっきりこれが良いと選んでもらった品を着る方が彼が選んでくれたんだから着ようと試みる人は多いのかなと思いますよ?」
「なるほど」
女心は分からない…。
「それで、先輩は私が両手に持っている水着のどちらを着て欲しいですか?もしどっちも着て欲しいというのであれば普段仕事でお世話になっている対価として特別にどっちも着ますけど?」
「え、別に対価なんて要らないけど?俺だってちゃんと会社側からお給料貰っているから別に…。」
「先輩、対価と言うのは何もお金だけではないと思いますよ?それで、どちらを私に着せたいのですか?ここは自分の意見を言えばいいんですよ?」
「着せたいって言い方な…。お前は人形かよ」
「今だけなら先輩専用の人形になっても良いですけど?」
「むしろこっちが手に負えないから勘弁して…。もっとお利口な人が良いんだけど」
「ここで急にまじな意見を言うのやめてもらえます?けっこう恥ずかしいし拒絶されたような悲しい気持ちになったんですけど~?」
「はいはい。分かったよ、選べば良いんだろ」
「凄い投げやりな感じもしますけど、最初から大人しく選んでいればいいものを」
「どちらかと言えば俺から見て左側かな…。これの方が色やデザインとかは俺の好みだね…。まぁ、でも舞美さんは現役の美人読モなんだから何を着ても世間の男性には可愛いオフショットシーンだと評判になること間違いないと思うよ」
「その世間と言うところわざと強調しているのですか?俺は世間の男性とは違いますけどね…。とも感じ取れるのですが」
「さぁ、どうだろうね」
「まぁ、とりあえずは先輩がここで選んだ水着を着てみます…。15分くらい経ったら更衣室の外に集合でお願いしますよ?絶対先輩を虜にしますから、期待していて下さいよ?」
「はいはい」
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俺は、なぜか用意されていた普段絶対身につける事はない赤一色の海パンに着替え、サングラスが売られている自販機を見つけたので1000円程度のそれを購入する。
日焼け止めは俺の手元や今まで着ていた服には入って無かったので、諦めて太陽で体を焼く事を決めた。
俺は壁に寄っかかりながら熱く突き刺さる日差しと紫外線を浴びないようにする事に意識をおくために購入したサングラスをかけて舞美さんが出てくるまで待つ。
「せ、せんぱ~い!お待たせしました~~!どうですか?希望していた露出度少なめの水着を着てみたのですが、感想は?」
さすが、現役で活躍している読モらしい腕と脚が綺麗に伸びていて整った線のように俺の前に立っていて思っていたより無意識に細かく確認している自分が居た。
「それで、先輩どうですか?けっこうじっと私の事見ていますけど?少しは虜になりましたか?」
「どう感想を言おうか迷っているけど、決めた」
「舞美さんが着たいものとは異なったかもしれないけど、おれはこのくらい落ち着きがあるデザインの方が個人的に好きだから俺の好みに合わせてくれたのは素直に感謝述べるわ、ありがとう」
「もっと褒めてくれる感じなのかと思いましたけど、先輩らしい無難な回答ですね…。先輩が選んでくれた水着はワンピースタイプですね…。選ばなかった方はオフショルダー・ビキニですね。先輩は肩が出るのはちょっと無理っていう感じですか?」
「それを着たいと思っているなら着替えてもらっても良いけど俺はその姿を見ていられる自信は全くないなぁ。たぶん直視できない気がする」
「そうですか…。私的にはオフショルダーの方を見せたかったんですけど絶対駄目ですか?」
「分かったよ、俺好みのデザインを着てもらったし、このビーチは貸切だからそこまで多く人が居る訳でもないし舞美さんがそれを着たいと思っているのなら俺はなんとかがんばる」
「先輩ってなんだかんだ許してくれますよね?」せっかく準備してもらったなら着てみたいと思うのであと15分くらい待っていてください。今度こそこれで悩殺しますから。苦手を意地でも克服してもらいますから!!」
そんな親指を立てて言わなくて良いから…。
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舞美さんが2着目の水着に着替えたいと言うので、それを待ちながら海に足を入れて水がまだ冷たいと感じながら待つこと再び15分…。
背後から砂浜を歩く足音を感じながら、舞美さんの声が聞こえる。
「お待たせしました~~。どうですか?やっぱりこっちの方は苦手ですか?」
そこにはさっきの露出が薄めのワンピースタイプとは異なり両方の肩とお腹が大きく見えていて手と脚に負けないくらい綺麗な女性らしい肌が見え出る所と引っ込むところの緩急がかなり整っている事が舞美さんがかなり美人であることを裏付ける。
「お、お、直視するのは難しいが、色とかはよく似合っていると思うよ?」
「最初から直視してもらえないのは残念ですけど、このあと日焼け止めクリームを塗ってもらうのですぐにこの水着姿を見る事の抵抗も無くなり慣れてきますよ?」
「え!? 日焼け止め俺が塗らなきゃダメなの?」
まじかよ? なぜ俺がやるの?
「当然です。海に男女で行ったら男性が女性の肌に日焼け止めクリームを塗るのがセオリーですよ?」
「まじか…。嫌と言ったら?」
「先輩に対してかなりフレンドリーなカメラウーマンの女性に来月分の先輩のお給料分を私の給料分に加算してもらうように頼みます」
「差し引かれるだけではなくて俺の給料になるはずの金が舞美さんの給料に入るのは癪だな?脅されているのかな」
「だから素直に塗ってほしいんですけど、更に圧力かけましょうか?」
勘弁してくれ。めんどくさ。
「分かったよ?塗ればよいんだろ?クリームを貸してくれ」
「素直に理解してもらえばそれで良いんですよ…。これです。前も後ろもやってくれると嬉しいです」
俺らはビーチチェアに移動して舞美さんは寝転がる。
「先輩、できるだけくまなく塗ってくださいね?」
「へいへい…。前は自分でやってくれよ」
俺は長い筒状のプラスチックに入っている日焼け止めクリームを背中や脚、腕に液体を落としていく。
「普通の男子なら前もやってほしいと頼んだら張り切るのに先輩はその許可を破棄して良いんですか」
「別に良いんじゃね?日焼け止めクリームは後ろが届かないからやるけど、前は自分でやってと思う」
「草食系は張り合いが無くて楽しくないですね…。あ、後ろの方はクリームを塗りこむところまでやってくれると嬉しいです」
「わかった」
俺は黙々と言われた通り塗りこむ作業をしていく。
「ありがとうございました。せんぱいもそのクリーム塗ってよいですよ?なんなら私がやりましょうか」
「大丈夫と言いたいけど、背中だけお願いしたい」
背中に塗りこんで貰い残りは自分でやる。
「じゃあ、先輩行きましょう!この歳になって海に来ることがあるとは思っていなかったので全力で楽しみましょうよ!」
俺に手を差し伸ばしてきた舞美さんは日差しによって自慢の栗色の髪が一層映えている事を改めて感じながら俺はその手を使わずに自力で立ち上がる。
このあと俺らはビーチボールやったりすいか割りしたりもちろん海に入ったりして涼を味わうことができたのだった。
舞美さんの水着姿がどういうふうにオフショットカットとして撮られたのか分からないが、きっと人気に火がつくことは間違いないと思う。




