第120項「身近の人にレポート提出と帰宅時に妹に遭遇する」
忙しすぎてここ何日か更新できなくてすいません。
俺は丈瑠と別れ健さんがいる仕事場がある建物に再び入る。
自分の住居以外にこんな大きな仕事場を設ける事ができるなんてさすがお金をかなり稼いでいる人は素直に凄いなと思う。
扉を開けて廊下を進むと健さんの声が聞こえてくる。
「よ~う。トシ。丈瑠との話は済んだのか?」
「はい。もうあっちの方は済みましたよ?」
「そうか。じゃあ早速本題に入ろうか?そこの部屋の椅子に座って良いよ?」
「は、はい。失礼します。」
「それで、最初に例のレポートを出してもらおうか?丈瑠の方から大体の話は聞いてはいるけどトシの言葉からもあの時の話を聞きたいかな?」
俺は簡単に書いてきたレポート用紙を健さんに手渡し健さんはそこに書かれている文章に目を光らせる。
まさか、自分の大学の課題以外の場面でレポートを書くことになるとは思わなかった…。
さらに言えばいくら幼馴染であるとはいえ他の人の親から休日に女性と出掛けてきてどういうふうに過ごしたかやその時の自分の感情を思い出しながら書くことになるとは予想をしてなかったし。健さんの立場から言えば自分の息子ではなくその友人の恋愛事情を知りたいがためにこのような事を課すのも構造的にどうなんだろうと思うものがある。
「う~ん。文章は読ませてもらったよ?なかなかしっかりとした良くまとまっているレポートだと思うしこの紙1枚でその時の楽しんでいる光景が目に浮かぶよ?」
「は、そうですか…。」
一応健さんに提出する為に普段の大学で提出を求められるレポートと同様の執筆を心がけたお陰なのか4つの段落で構成されたこの文章群を読んで理解ができ筆者の考えが初めて呼んだ人に伝わる文章が出来ていたというのは大学生が4年間の学習時間の中で書く必要が出るレポート力が上手く反映されたようで少し嬉しくも感じる。
「じゃあ。単刀直入に聞こうか?デートは楽しかったか?」
「そうですね。結論から言うと思っていたよりは楽しかったです。」
この気持ちに嘘は込められていなくて華南さんとあの日あの時間一緒に行動出来て楽しかったという心の底からの気持ちで間違いない。
「どう楽しかった?」
「そうですね。丈瑠や健さんに提案された時は妹以外の女性と出掛けるってなった時に相手をお出かけに誘うという時点から緊張しましたけど、こちらが誘ったことに対してそれを受け入れてくれてそして当日行く前にその日にどこに行くのか、何をするかといった計画する時も女性とのお出かけの時はどこに出かけるのが正解なのか分からなかったけど、自分が提案してくれたプランに理解を示してくれたことは素直に嬉しかったですね。更に当日駅に集合した時も華南さんの普段から見ている仕事の時以外の服を見た時は少し新鮮さを感じましたね。お出かけする時も普段の仕事の時とは違った心地よさがあったし現地に着いた時も途中華南さんが暴走して少し大変だった時もあったけど帰りの電車の中でその日の出来事を振り返った際にけっこう充実した1日を過ごせたし新しい発見や嗜好も分かったのは面白かったですね?」
「なるほどね~~。あの1日のお出かけの中でトシが相手の普段とは違う部分を見つけそれを理解し新鮮味を感じる事が出来て一緒に過ごしてみて楽しいとさっき聞いた時も表情を見た時に分かったから華南さんと一緒に休日を過ごしてみて楽しかったと思ったならその気持ちはこれからも大切にした方が良いね?」
「そうですね。」
「じゃあぶっちゃけの質問をしても良いかな?」
俺は丈瑠と同じように変な質問が来ないように願いながら構える。
「華南さんとはどこまで進んだ?」
息子と同じ質問をしているよ?
しかもこの話は既に丈瑠に質問されて答えているのでその事を健さんも既に知っていて改めて聞いているのか、まだ耳には入っていないのかどっちだろうか…。
「どこというののは…?」
「恋のABCの事だよ?知らない?この言葉の意味?」
この言葉が通用するのは今の若者には難しい物がある気がする。
この言葉を用いて若者が会話している光景なんて見たこと無いぞ?
「言葉自体は知っていますが、さすがにその言葉を持ってくるあたり昭和から平成の初期に若者だったときの人が使う言葉ですよね?」
「そっかぁ。今の若い子には通じないか。じゃあ今の若者の恋愛を表現するならば恋のHIJKか?」
知らない言葉が出てきたなぁ…。
「その言葉、俺知らないですね?」
なんだ。
「本当?この間友人が言っていたんだよ?俺も調べてみたら昔とは結婚まで至るケースが違う事が分かったんだよなぁ。まぁ、若者の1人ではあるけどトシは流行に疎いし鈍感だから分からないのかもな?」
流行に疎いし鈍感なのは否定しないけどなんか少しディスられている感じがするのは気のせいだろうか…。
「別に健さんが変に期待している事なんてないですよ?普通にご飯食べて映画見て少しウィンドウショッピングをして帰っただけですし?」
「ほほう!ご飯を食べさせあいっこしたり予約していた映画で座る座席がなぜか無くて特別扱いでカップルシートに座る事になって華南さんの手に触れて女の子のぬくもりを感じたりしなかったのかい?」
待って。この人。怖すぎるんだけど。
今言った事大体合っているし。この推理を俺に見せつけてくるように話している姿も丈瑠と同じ匂いを感じる。
さすが、考えていることは親子だから同じなんだなと思った。
「え、そ、そんなことはないですよ?ハハハッ!!」
俺は極力顔に出さないようにしながらも頑張ってこの場を切り抜ける方法を探す。
「そうかな~?いつも何か知られていないことを隠したいときや嘘を通したい時にメガネの話の部分を触る癖はやめた方が良いぞ?バレバレだ。本当はキスとかまでは行ったんじゃないのか?」
まさか、健さんにも俺が嘘をつくときにしてしまう仕草に気が付いているとは…。
さすが、18年以上幼馴染をやっている子供の父親であるなと感じる。
「さ、さすがにただ一緒に出掛けただけでキスまで行くなんて出来ませんしそれは相手にも失礼な行為なので出来ませんよ?」
「その言い方だと本当は華南さんの口元を奪いたかったんじゃないのか?」
「健さん。あんまりからかうのは勘弁してくださいよ?鈍感な俺にそんなことができるわけないですよ?」
「一応自分が鈍感であるのは認識しているのね…。さっきの話は冗談だって?トシがそんな大胆なことできる人間ではないことは知っているさ?」
「は、はい…。」
俺は大きな溜息をつく。
「それで、華南さんの事は少しは意識するようになったみたいだね?仕事の時もなんだかんだ一緒に居るみたいだしな?どう彼女を独り占めにしたいといった独占欲とか少しは生まれた?」
「う~ん。それはないですけど。いままで仕事での華南さんしか知らなかったので全く仕事がない日や外に出るってなった時の服装やそれ以外にも仕事のこと以外の話をすることができたのは楽しかったですね?」
「なるほどね。それで、次に休日の予定があったらどこかに出掛ける事を誘うの?」
「まだ決めていないですけど、試験が明ければすぐに夏期休暇なんでそこでどこかに仕事の合間とかにどこかに出掛けられたら良いかなとは思っていますね。」
「そっか。華南さんも作家さんであるけど一人の女子大学生なんだし今年編入してきて関東で迎える夏期休暇は初めてだろうからいろいろどこかに連れて行って楽しんで心の距離とか近くなれたら良いよね?」
「はい。出来る限りの事はしたいですね。」
「よし。暗くなってきたしそろそろこの話も終わりにしようか?今日はこの後どうするんだ?」
「普通に帰りますよ?」
「実家に寄っていかないのか?」
「連絡もなしに急に帰ったらびっくりするかもしれないですし今日はやめておきます。それに毎週金曜日はこの事務所に集合ならその時に会えば良い訳ですし?」
「たまには両親にも顔を見せてやった方が良いぞ?特に悠梨さんと聖奈ちゃんは?」
「そうかもしれませんね。まぁ夏休み中に一度実家の方に戻れるようにスケジュール調整しますよ?」
「それが良いよ。たぶん外に華南さん居ると思うから帰って良いぞ?」
「了解です。失礼しました。」
そう言ってこの部屋を出て玄関の扉を開けるともう陽は墜ちて当たりは暗くなりつつあった。
「あ、せんぱい~~。帰りましょう?」
「そうだな?帰るか…。」
「じゃあ健さん。仕事お疲れ様でした~。また来週金曜日よろしくお願いします。」
「おう。気をつけて帰れよ~~。」
俺らは駅に向かって歩を進める。
隣に立っている俺の実家の方はまだ1階の事務所に電気がついているという事はまだ仕事が終わっているのでは無いのだろう。
「せんぱい~?」
「なんだ?」
「お腹すきました~~。」
「俺もだ。どっか帰り道で食っていくか?舞美さんは今日居るんだっけ?」
「舞美は確か読モ仲間と飲み会って言っていた気がしますというか舞美のスケジュール管理やっているのってせんぱいですよね?」
「ごめん。思い出せなくて。」
「まぁ、別にいいですけど?」
そう言って華南さんは俺の腕に絡みつく。
「華南さん?あんまり近いと歩きづらいからもう少し離れてくれると助かる…。」
「ええ、いいじゃないですか?誰も見ていませんし?」
「そういう問題ではない…。」
「ただ、単に歩きづらいんだ?」
「せんぱいの太いものにまとわりつくのは駄目なんですか?」
暗い中にある道でも華南さんが上目遣いでこちらを見ているのが分かる。
「駄目では無いが公共の場では勘弁してほしいし俺も恥ずかしい。」
「じゃぁ。家の中だったら私がせんぱいの身体にくっついても良いんですか?」
「それも良くないけど、家の外でやられるよりはまだましかな。」
「私が歩いている道の前でイチャイチャするなんて良い度胸なんじゃないの?おにい?」
聞いたことがある声だと思って前を見るとセーラー服姿の聖奈が居た。
例え暗くてもこいつが美人女子高生であることが分かる。
「お、聖奈かぁ。おかえりと言うべきなのか分からないけど…。」
「おにいはなんで華南さんとこんな場所に居るの?仕事関係?」
「健さんの仕事場に用があってそこに行っていた帰りだよ?」
「あ、健さんのあの仕事場に用があったんだね?夕食はどうするの?」
「帰り道のどこかで食べようかなと今華南さんと話していた…。」
「じゃあ、家に来れば良いじゃないの?確か今日お父さん居ないしお母さんしか居ないけど?夕飯は私が作る事になっているから2人とも食べていけば良いじゃん?なんなら泊っていても良いし?」
「さすがに明日も朝から仕事だから泊まるのは難しいが食事はさせてもらう?華南さん?」
「聖奈ちゃんがいきなり私達が家に入って迷惑でなければお言葉に甘えてそうしたいかも。」
「全然。いつ来ても大歓迎ですよ?じゃあ行きましょうか?私とおにいの家に?」
こうして俺と華南さんは俺の実家に急遽帰宅し夕飯を聖奈にご馳走してもらう事になったのだった。




