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第118項「新たなメンバーでの顔合わせ」

「じゃあ、始めようか。今回は、トシと新島先生に関しては、大学終わってからわざわざ来訪してくれてありがとう。トシの場合はもうほとんど実家に帰るのと似た感覚かもしれないけど」


「ええ。さと美さんにまめの木に15時半集合と言われたので健さんの仕事場が大宮駅の近くに建っていたのかと予想していたのですが、まさか住居横の仕事専用建物を訪れるとは正直想像できなかったですね」


「そう言うと思った。それで今回はさと美はもちろん、新島先生が現在執筆発売している作品の表紙や挿絵などの絵を担当している小山柚乃果さんにも今後のアニメ化に向けての会議の際に基本的に毎回参加してほしいと思って今日のMTGから呼ぶことにしたんだ。トシは確か、中学・高校時代と一緒の学校だったんだよな?」

「そうみたいですね。この部屋に会って少し話をしている際に初めて知りました」


「初めて知ったんじゃなくて単に私の存在を()()()に消していたからでしょ?」


「そうとも言える」

「そうなると、一応顔はお互い知っていることが分かったから自己紹介は割愛して、来年1月のアニメ第1期放送に向けて、俺なりにスケジュールを立てた資料が机の真ん中にあるから一部ずつ取ってくれ」


「了解です。ありがとうございます」


3人の声が会議室に響く。


「それで、現在プロモーションビデオを製作しているんだけど、PVを9月くらいまでにはネットに上げたいのよ?それで、そのPVの製作もしながらもアニメの方の絵も作成していく感じだね。それでまず初めに基本的に絵に関しては柚乃果さんが主導で描いてほしいんだ」


「え、そんな大きな仕事をやらせていただけるんですか?」

「もちろん。俺もさと美も好きなイラストレーターさんが丈瑠とそれなりに仲が良かった柚乃果さんだったとは分からなかったんだよ。だからむしろ是非やってほしいという気持ちがある」


「有難いです。是非やらせてください!!」


柚乃果さんは自分がこの作品のアニメ化の絵を描ける機会をもらえてすごいテンションが上がっているようだ。


見ているこっちからもその嬉しそうな顔を見ていて少し幸せな気持ちになる。


「華南ちゃん、いや、新島先生。これから作品のアニメ化に向けて更に頑張るので今後もよろしくお願いします」


柚乃果さんは椅子から立ち上がり華南さんに一礼をした。


「絵に関してはあとで説明するね?それで脚本の方なんだけど、華南さんは引き続き原作の方もさと美と相談しながら進めて欲しいんだ。アニメ化する際に放送上大きな問題は無いと思うんだけど、映像に声を入れる際にその人たちが使う原稿の作成をしてほしいんだ」


「分かりました」


華南さんはメモをしていく。


「それと今回の作品のアニメ化の際に声優を選ばなくてはならないからこの作品で現れる登場人物の声のイメージを7月末までに決めて欲しいんだ。8月1日にオーディションを行う予定だからそこの把握も頼む」


「分かりました」


「ここまでで質問とかある?」

「あ、じゃあ良いですか。俺は基本的に何をやれば良いんですか?」


「そうだね。トシは既に行っている新島先生のボディーガードと時々原稿の文字入力とかやってもらう事もあるかもしれない。タイピングの方はブラインドタッチで文字入力とかできる?」

「自信は無いですけど、普段から大学のレポートとかでパソコンを使うことがあるので、人並み程度にはできると思います」


それに健さんに前回会った際に課されたレポートだってPCでまとめたしな。

現在の大学生はパソコンに慣れている人が多いはずだがね。


「それは助かるな。まぁ。新島先生の方からアニメ化に向けての仕事はトシにこれやってって言っても大丈夫だから新島先生もよろしく頼むな」


「はい。先輩にやってもらう事はそこまで多くは無いかもしれませんけど、今後相談に乗ることはあると思うのでよろしくお願いしますね」


華南さんが俺の方に顔を向けて伝えてくれる。


「お、おう。分かった。全力でサポートできるようにがんばるよ」

「それは心強いですね? 先輩!!」


「これで、今日の説明は終了だ。夏休みまでは月曜日と水曜日は都内のクロマツビルでさと美さんと原作の方を進めて、金曜日は毎回この時間帯だから16:00くらいにはこの建物の前に来てほしい。もし日によって早く来れそうだったら、トシ連絡頼むよ」


「はい。了解しました」

「それと、最後にこの建物の説明を簡単に紹介しておくよ」


「この建物は2階がアニメ化に向けて映像を描いている部屋と会議スペースがあるんだ。それで1階は声優さんとかを招いてアフレコできるスペースを整えてある」

「健さん、アニメ製作所もあって同じ建物の中にアフレコできる場所もあるってすごいですね」


「俺自身が移動が好きではないのと、すぐにアフレコ時に映像編集や変更ができると良いなと思ったからな」


健さんの仕事に対する熱は本物であることが分かる。


「それは魅力的な場所です」


久しぶりに柚乃果さんが口を挟む。


「今日はこんな感じで解散だ。あ、それと柚乃果さんは隣の映像を描く部屋に来てくれ。説明をする。それと丈瑠がさっきトシを呼んでいたから、丈瑠の部屋に入って少し話でもしてきなよ」

「あ、わかりました。お邪魔させていただきます」


「どうぞ。どうぞ。それと新島先生も少し今後の事で話をしたいんだけど良いかな?」

「了解です」


「あ、それとトシ!丈瑠との話が終わってからで構わないんだけどさ、あとで俺の所に来てくれ。ちゃんと宿題やってきたんだろうな?」


「ええ、ブラインドタッチでちゃんと用紙1枚くらいにまとめてきましたよ?」

「先輩、それはどういうことですか? 宿題って」


「う~ん。ちょっと説明するのは…。気が向いたらあとで説明するよ?」


俺はここで切り抜ける事にする。


「高島があとで説明するってその場で言う時って後からそれについて説明されることは少ないから華南ちゃん。疑問に思ったことはその場で教えなさいよってはっきりと聞いた方が良いと思うよ?」


この女。余計な事を言いやがって。


「私には話せないことなんですか?先輩?」


華南さんは俺に顔を近づけて見つめてくる。


「いや、、そういう事では無いけど、出来れば言いたくない。」


「新島先生、そんな危ない話とかでは無くてトシに別の仕事で少し調べてきた貰ったことがあるからそれを頼んだんだよ?トシは早く丈瑠の所に行っておいで?」


「はい。ありがとうございます。じゃあお邪魔しました。一旦失礼します。」


俺は仕事部屋を出て隣の丈瑠の住居に向かう。


丈瑠の方にメッセージを飛ばして部屋に行くことを伝えるとすぐに返事が来たので大学に入ってなんだかんだ久しぶりに幼馴染の家の玄関に入ったのだった。

次話は丈瑠とトシの男だけの会話回です。

2022年6月15日改訂済み

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