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第111項「時間があるので都内をぶらつく②」

アクセス数増加とブックマークありがとうございます。

「先輩いま歩いている道、ほんとに明治神宮に向かっている道なんですか?」


「ああ。間違いないはずだ。」


「でも先輩スマホのMAP先生見て確認していないじゃないですか?顔には出していないけど、実は先輩自身も道に迷っているとか勘弁してくださいよ?」


俺はボディーガードという仕事で色んな道を歩いてきているからな。

特に都内の23区の道や通りはおさえてあるから間違う事は地球がひっくり返らない限り無いだろう。


「いや、それは無い。基本的に都内の大きな通りの地図はこの少ない脳の中に入っている。」


「確かに先輩の頭小さいですよね?だから脳も小さいんですか?」


「…かもな。あの俺らが歩いている進行方向右斜め前にあるあの大きな塔が通称ドコモタワーと呼ばれる高い建物だ。あれが近くで大きく視界にあるという事はこのまま右斜めに進めばJRの代々木駅だ。進行方向を真っ直ぐ進みJRの下を通って左側に進めば明治神宮の敷地ももう間もなくだ。」


「先輩って意外と道とかに詳しいんですね?」


「まぁな。仕事上一度使ったもしくはこれから使うであろう道や通りは基本的に頭の中に入れておくようにしているんだ。だから、俺は目的地に行くまで基本的に地図は開かないことが多い。」


「それ、自慢ですか?」


「自慢ではない。事実を述べたまでだ。」


「わ~。先輩すごいすご~い。」


「別に無理に褒めなくて良いぞ?しかも超棒読みだし。」


「あ、ばれていました?てへへ…。」


「何が、てへへだ。」


可愛すぎだろ。その顔。ずるすぎ。まじ目に毒…。(良い意味で)


俺らは明治神宮の敷地に入り、本殿を目指す。


「前から聞きたかったんですけど、先輩ってどういう女の子が好きなんですか?」


「すごいざっくりとした質問だな?どういう女の子というのは?性格とかの事をこの場合さしているのか?」


「いや、先輩は彼女(こいびと)の求める条件が”最低限3度の飯が作れる人が良い”というのは知っていますけど?」


「え、ちょっと待って?なんでその情報華南さんの耳にも入っているの?」


「いや、前に聖奈ちゃんから教えてもらったんですよ。私もこれを聞いた時はちょっと笑いそうになりましたけど、でも大事な考え方ではあるのかとも思いました。」


聖奈のやつベラベラ話しやがって。


「それ本心か?」


「いえ、正しく言うと先輩は過去に恋人が一度も居たことが無いのに。初めて先輩の恋人になる人に最低限3食のご飯が作れる人という条件を提示するいうのはあまり学生恋愛でそう述べる人は居ないと思ったのと同時その条件で絞った際に果たして先輩に本当に恋人ができるのか疑問ですけどね?」


「周りにとって重要視する事柄で無くても俺にとっては重要な問題だからな。」


「先輩は私が知っている範囲で一人暮らしの男子大学生の中では料理も含めて一番家事をこなしていると思いますよ。でもなんでそれを相手の人にも求めるんですか?普通の男子大学生なら恋人に求める条件なんて大体、顔が良いか優しいかって答える人が多いはずですよ?」


「ほう。そういうものなのか…。まぁ個人的な考えでしかないが、俺ははっきりと言って自称日本陰キャ男子の会長だ。」


「あ、そのネタまだ続いていたんですね…。」


少し呆れながら返事をする華南さんを見ながら説明を続ける。


「つまり俺にとって基本的に学生恋愛とははっきりと言って無縁だと思っている。」


「いや、先輩は普通に見た目も良いし仕事熱心で女子力も含めて生活自立力も高いしそんなことは無いと思いますけど…。」


ウソの言葉だとしても少し華南さんに言われて少し嬉しくも想っている自分が居るが、顔に出さない。


「ただ、両親には学生時代に恋人が出来なくても許すが、結婚は()()してもらうからなと言われている。」


「恋人は出来なくても結婚はしてもらうってなかなかヘビー級な要求ですね。そんなことを言う両親には最初に先輩と契約書を結んだ時に見た感じ思わなかったですけどね…。」


「まぁそう見えなくても俺は直接言われたからな。両親に。ただ、そうなると世間の大学生が恋人に求める条件として”顔が良い”とか”優しい”は学生恋愛の場合はそれで選択するのは良いかもしれない。どうせ別れるからな。」


「せんぱい、学生恋愛をしている日本中、もしくは世界中の学生カップルに一度謝った方が良いと思いますよ?」


「謝る必要は無い。基本的にそのまま結婚まで行きつく割合は全体のうち2%程度だ。」


「その”%”がどこからの情報なのか気になる所ですけど、まぁ続けてください。」


「そして、仮に結婚してもそういうカップルは基本的に離婚率が高いという情報もある。」


「私も聞いたことはあります。その話。なんか先輩きょうお熱いですね?」


「そんなことは無い。いつも通り冷静だ。そうなると仮に結婚相手となると真剣に決める必要があるからな。まぁ。俺は両親のその言いつけも普通に破りそうな気がしてならないけどな…。結婚なんか無理に決まってるだろ…。陰キャ男子の場合。あの2人は学生時代陽キャだったから苦労はしなかっただろうけど…。」


「先輩って本当仕事の時は困難でも立ち向かうことが多いのに自身のそういう部分に関しては本当意気地なしというか…。話を聞いている後輩からすると呆れるというか。先輩は鏡を一度自分の顔を見た方が良いですよ?自分の目で確認してみたらどうですか?」


「見なくても俺の顔が中性的なのは分かっているから確認するまでも無い。」


「せんぱいって面倒くさい性格ですね?(普通に顔もカッコいいのに。)でも先輩が恋人もしくは結婚相手に求める条件として挙げていた”最低限3度の飯を作れる人”という考えは生活をする上では大事だと思いますよ?それにこれからは夫婦2人が家事も育児も出来て当然の時代が来ますからね?」


「そうだよな。俺はそれも言いたかったんだった。」


「大事なことだと思っていることを後輩に思い出させてどうするんですか?」


「そうだな。ごめん。」


俺らは砂利の道を歩きながら神宮本殿の姿を目に入れる。


「あれだよ?明治神宮は?」


「敷地広いですね?」


「せっかく来たし、お参りしよっか?」


「そうですね。ちゃんと5円玉入れてお願い事をしたいですね。」


俺らはお賽銭箱にお金を入れて合掌をする。


「華南さんは何をお願いしたの?」


「え、そんなこと言えるわけないじゃないですか?そ、そういう先輩は何をお願いしたんですか?」


「あ、俺は、仕事を失って無職になることがありませんように。ってお願いした。」


「せんぱい、その心配は無いですよ。ちゃんと先輩の雇用は守りますよ?これからず~と。」


「どういうこと?」


「せんぱ~い。せっかくですしおみくじもやりましょうよ?」


「そうだな。」


おみくじとか10年ぶりかもな。こう言うのは自分からは引かないと決めている。


結果…。俺は安定の”吉”だった。


「仕事」はこのまま頑張れば良い

「健康」はそのまま維持しよう

「恋愛」は君には学生恋愛は無理だが、結婚したいと思う人が1年以内に見つかる。

その人は自分の周りに居るから良く注視せよ


と書かれていた。


俺の周りに結婚したいと思う人が1年以内に現れるなんてなんかウソっぽい情報な気がしてならない。


それにおみくじでまさか「学生恋愛」は君には無理だとはっきりとおみくじで書かれているとは俺の想像を超えていた。


このおみくじを書いた人に悪意を感じる。しかもこの部分だけボールペンで書かれているし。


「先輩はどうでしたか?」


「安定の吉だね?そっちは?」


「大吉ですね。やったー!」


「へぇ~。良かったじゃん!!」


「私の後ろには何か大きなものが居るのかもしれませんね。先輩恋愛のところどうでしたか?待ち人は来そうですか?」


「来ないって。華南さんは?」


ウソだけど。人に言う必要は無いだろう…。


「え、私も言うんですか?」


「え、この流れで言わないのはどうかと思うけど。まぁ良いわ。どっちでも。」


「どっちでも良いという言い方は無いでしょ?でもすいません教えられないです。自分で振っておいてあれですけど…。」


「まぁ。気にしていないよ。そろそろ暗くなってきたし帰ろうか?」


「はい。そうですね。私の想い人はもう近くに居るか。本格的に狙うのはもう少し待てか....(小声)。」


なんか俺の後ろでごにょごにょ言っている華南さんがいるが、良く聞こえないのでスルーするとしようか。


「華南さん、夕飯何が食べたい?」


「かりんとう饅頭。」


「それ、お菓子だろ?華南さんが好きなのは分かるけどさ。」


「覚えてくれていたんですね。今のはボケですって。カレーですかね?」


「じゃあ駅に着いたらスーパーマーケットで具材でも買おうかな。華南さんも少し持ってくれると助かる。」


「可愛い後輩に大きな荷物を持たせるんですか?」


「分かった。腕の力が無い後輩にはやっぱり持たせられないな。じゃが芋とか超重いし。荷物持たせて執筆できなくなって新島先生のファンに怒られるのも嫌だからな。」


「冗談です。持てますよ~。作家だって荷物くらい運べますし私が非力みたいな言い方じゃないですか?」


「おう。それは頼もしいな~。はたして本当に持てるのか。それに新島先生が腕を痛めて原稿が書けないとなっても俺の仕事が減るしなぁ。」


「後輩じゃなかった。作家が少しビジネスパートナーである高島さんに少し気遣いがあって嬉しいなと思って感動していたのにその感動を返してくださいよ?」


「そのうち返すから。とりあえず帰るぞ?遅く帰ると舞美さんがまたうるさいからな。」


「それは言えてますね…。」


俺らは夕方のオレンジ色から暗闇に染まりつつある代々木駅に向かって歩いて寄り道に幕を下ろし家路に着いたのだった。





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