第108項「久しぶりのクロマツビルへ来訪」
すいません。更新できなくて。
俺は、久しぶりに都内にあるクロマツビルに向かって駅から歩いていた。
前回この場所に来たのは、俺が華南さんの小説家としての仕事のアシスタントマネージャーを担当することが決まり既に名前を知っているさと美さんに挨拶と主な業務内容を教えてもらっていた。
あれから、なんだかんだ2週間くらいが経った。
まぁ、その間にも別の場所で会っているからそこまで凄く久しぶりという感覚は無いんだけどね。
俺は前回さと美さんに作成してもらったこの建物に自由に入ることができるICカードみたいなやつを機械に通す。
「この編集所に来るのって高島さんけっこう久しぶりですよね?」
「ああ。前は確か2週間くらい前だった気がするよ。」
「どうですか?この場所に訪問したのはまだ2回目ですけど、大体建物の場所とか覚えられました?」
「ああ、そこのところは問題ない。基本的に仕事の依頼がされた人に関係する情報は頭の中に入れておくことにしているからな。」
「さすがですね。前に聖奈ちゃんから聞いたんですけど、失礼かもしれませんが、高島さんって本当はもっと学力高いんじゃないですか?」
「いやいや。聖奈の方が頭の回転の早さや学力のレベルが圧倒的で俺は負けるね。それに俺たちの母さんは俺たちよりも数倍も頭の回転が早くてな。本当子供の時とかコンピューターみたいな人だなと思ったこともある。」
「高島さん達のお母さんって確か前にさと美さんも言っていましたけど、悠梨さんって言う人ですよね?」
「よく人の母親の名前を覚えていたな?華南さんの記憶力の高さの方に俺は驚くけどな?」
「そうですかね?一応簡単にメモしておいているからですからね。悠梨さんっていう高島さんの母親がとても勉強ができるというのはそれこそ一番最初に高島さんとこのビルで仕事をした後に居酒屋に行ったじゃないですか?その時にさと美さんが言っていましたよ?」
「そういえば、そんなことも言っていたな。俺もさと美さんの口からあんなことをこぼしていたのを初めて聞いて少しびっくりしたんだよな。」
「それで、話を戻すんですけど。高島さんは学力があってそしていつも冷静沈着に見えます。なんでそんな学力というか記憶力がそんなにあるのですか?」
俺はそんなに冷静沈着では無いと思うけどな…。
それに冷静沈着な人が必ず学力があって記憶力がずば抜けて良いとは限らない。
その冷静沈着なやつな人が全員学力が優秀だととか思うなよ?
俺は平均程度だからな?
「いいや。学力というのを含めた勉強面の事は全て聖奈が母さんから引き継いでしまったのさ。俺は大したことない。なんでか知らんけど。」
「なるほど。高島さんは実際の話、勉強は好きでしたか?」
「う~ん、全然好きじゃなかったな。中学時代も高校時代もアニメとかライトノベルとかずっと見ていたし。大学に入った今でも暇な時間が少しでもあったらライトノベル読んで過ごしているし。」
「でもその割には先輩色んな事について物知りですよね?」
「おいおい!その割にはって何だよ?」
俺は突っ込む
「あ、すいません。失言でした。」
「まぁ、実際小説を書いている立場の人間にそう思われている事は事実だから、まぁ別に良いけどな?俺の事をどう思ってくれても俺はそんなことで怒ることはしないけどな。」
「穏やかな心を持つ先輩を私の仕事のアシスタントマネージャーにして今改めて依頼して良かったです。」
「おう。」
「あら、新島先生とトシ君。お疲れ様です。トシ君は久しぶりだね?この場で会うのはね?」
「ええ、そうですね。てか、さっきから人の視線を感じていたんですけど?やっぱりさと美さんだったんですね?人の話に聞き耳を立てるなんてちょっとどうかと思いますけど?」
「あら、初々しい小説家さんとアシスタントマネージャーさんが向かい合って話し合っている姿が見ていて微笑ましかったらよ?見ているこっちまでドキドキしちゃったわよ?」
少し頬を染めて階段の踊り場に立って言うさと美さん。
「ドキドキ要素なんかさっきの会話でなんかありましたか?特に階段の手すり近くに隠れて若者の話を聞いている傍観者にとっては面白さがあるのか俺には分かりませんが?」
「もう。そんな言い回ししなくても良いのに。トシ君もなんか小説家が書くような少し
遠回しの表現で言ってくるなんて成長したね。」
「なんかお母さんみたいな言い方ですね?」
本当それ俺もそう思った。俺の母さんはちゃんと別に居るんだけどな…。
「ええ、血は繋がっていないけど、トシ君は幼い時から知っているから息子である丈瑠と同じくらい色んな癖とか知っているのよ?」
そこまで自慢げに語らなくても良いのでは?
それにここは俺の事について詳しく知っているのなら具体例として色んな癖じゃなくて食べ物の好みとかそういうものを例に挙げるもんだと思うけどな。
「別に会話している内容が私にとってドキドキしたわけではなくて…。」
「なくて?」
「大学生くらいの20代前半の若い男女が大学としてでは無くて、仕事という目的のために話している輝いた顔を見ているとなんかドキドキしてしまってね?特に新島先生がトシ君に話しかける時に少し口角が上がる部分ところとかさ?見ているこっちがドキドキするんだよ?トシ君?」
なんか俺に振ってきたよ。この人。
「でもなんで口角が上がるんですかね?」
一瞬間があったが、すぐにそれは切り裂かれさと美さんが口を開く。
「トシ君ってさ、本当鈍感だよね?君には前々から言いたかったんだけどね。もう少し自分の周りに居る女性の事を良く見た方が良いと思うよ?」
「その心は?」
「トシ君が無意識に暴走すると悲しむ女性が増えて結局あなたの居場所を失う事になるわよ?」
「あ、そうですか…。何を言っているのか良く分からないですが、気を付けます。」
「本当悠梨さんの息子のはずなのになんでそういうところは鈍感ばか何だろうね?」
この人俺の事をばかだと言い始めたよ。
別にこれを言われるために今日ここに来たわけではないんだからな?
「まぁまぁ。さと美さんもそこまでで良いと思いますよ?高島さんは他の人の事に関する
事なら鋭敏なんですけど、自分の事になると急に鈍感になるというのは今に始まった事では無いので、もう会議始めましょうよ?」
なんか仕事ではお客様に当たる人なんだけど、年齢と学年で言うと一応1つ下なはずなのに凄い言われ方をしているのは俺でも分かる。
先輩をディスっているな。
「ええ、まぁ。そうだけど、でもこれって新島先生も関係することなんだよ?」
「ええ、それは充分承知ですが、とりあえず今日の仕事の話をしてからあとでゆっくり話しましょう。それに前にさと美さんに言われた宿題も提出したいので?」
「あ。あれやってきてくれたんだね?ほらトシ君も行くよ?」
どうやら俺はもしかしたら自身が鈍感であるがためにさと美さんにそれだけを怒られる為にこの場所に来たのではないかと思い始めてい(る自分が居)た。




