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第107項「新前華南side㉕ 妹に嫉妬」

私はかけ布団から出て、寝間着のままボーといつも執筆している椅子に座りまだ日差しが出ていない窓の外の景色を見つめる。



昨日、高島さんは以前から仕事を請け負っていた女性社長さんから前回の仕事のお礼の為の食事をする為に出掛けて行った。


舞美と高島さんが一緒に家に帰ってきたのにはとても驚いた。


その後今日の食事回で新たに依頼をされた内容について聞いたところどうやら昼間に会った社長さんは舞美が所属している読モの事務所のトップの人であることが分かり舞美の仕事のアシスタントマネージャーをやってくれないかと高島さんに依頼したらしい。


それを高島さんは了承し引き受ける事になったのだ。


高島さんと舞美が一緒に帰ってくる姿を見たのは初めてで一番最初に知り合った時よりは仲も良くなっている事は喜ばしいが、余り人との関わりを受け入れない高島さんが舞美とも話せるようになったのは恐らくだが、舞美の押しに負けたのかもしれないなぁと思った。


舞美が私の仕事の引継ぎを高島さんにしてもらったあとに彼女がやりたいと思っていた読モの仕事を本格的に始めたことは本人からも聞いていたが、その彼女の仕事のアシスタントマネージャーをやることになったのが、高島さんになったことを知った時は半分嬉しさもあったが、半分嫌な気持ちもあった。


半分嬉しい気持ちというのは、姉妹で全く別の仕事をしているが、それぞれの部分で私達が絶対的に信頼を置きかつ仕事に対して誠実な人である高島さんと仕事ができ、姉妹で別の

助手の人にならなかったことは良かったと思う。


半分嫌な気持ちというのは、高島さんが私達姉妹の仕事に付くということはそれだけ彼の負担も大きくなるという事だ。彼は別にこの2つの仕事だけをしているだけではなく他の仕事も並行してやってくれているのだ。


また、高島さんが私との仕事のアシスタントマネージャーをしてもらう曜日は月・水・金の週3日であることから舞美が入れられる仕事の曜日は火・木・土・日の4日になるという事だ。


そうなると私と高島さんの休日の日が合うタイミングが限りなく少なくなる恐れがあるのだ。


私としては仕事や大学に行くときの高島さんだけではなく彼のプライベートについてもっと知りたいのだ。だから、その時間を生み出す事がこの先出来るのかが心配な部分もある。


なぜなら、私はこの前の休日に高島さんとお出かけに行った時に彼に対する気持ちが確実に”好き”に変わっていることを自分でも感じたからだ。

昨日の夜、私にとってはかなり大きな爆弾を聞いてから私は余り眠れないまま朝を迎えてしまった。


別に高島さんは私の所有物では無いし恋人でもないけど…。


何か妹に自分が大切にしている物を奪われるのではないかという恐怖心が芽生える。



気分を入れ替えるために自室を出てリビングに入るとスポーツウェア姿の舞美が柔軟体操をしていた。


「あ、おはよう~。華南?目の下くまだらけだけど大丈夫?」


「あ、おはよう。舞美。大丈夫よ。最近疲れが溜まっているだけよ。」

本当は妹に気になっている人を奪われるのではないかと恐怖心と戦っているとは妹でも言えない。


「そのかっこうはこんな朝早くからどこかに行くの?」


「高島さんと毎朝、マンション近くの公園で走っているからね。今日もそこに行くんだよ?」


「え、あ。そうなんだ。私も一緒に行っていい?」


「華南は朝は執筆するとか前に言ってなかったけ?」


「え、あ、そうだけど。最近大学前の階段を登るのが大変で自分の体力の無さに情けなく思っているんだよね…。」


「ふ~ん。すきにすれば?」


意外と辛辣な言葉を投げかけられ私は部屋の中から動きやすい服装を引っ張り出す。


少し小さいが、その場しのぎの服としてなら充分だろうと思いそれに着替える。


再び部屋を出ると舞美は玄関の所で運動靴を履いていた。


運動靴なんてあるかなと思いながら靴箱を探し凄い奥の方に眠っていたものを取り出して家を後にして舞美を追う。


「華南さその~。胸周りのところまた大きくなったんじゃない?」


「そんなことは無いと思うよ?私は舞美の方が充分大きくて魅力があると思うけど?」


「それ、胸が他の人に比べない私に皮肉で言っているでしょ?」


「標準くらいはあるでしょ?舞美だって…。」


「うううう…。なんか私が読モのはずなのに立場が逆になっている気がするんだけど…?」


「まぁ私は読モより文章を書く方が好きだけどね…。」


「はいはい。文才少女。おつ。てか、高島さん集合時刻になって10分過ぎても来ないとかどういう神経しているのよ。もう家に突撃するよ?」


「ええ、さすがにそれはまずいと思うけど?


「じゃあ私だけでも行くわ。」


「いや私も行く。」



前に高島さんから受け取った家の合カギで扉を開けて部屋に入る。


前に私が入った(正確に言うと連れてこられた)のは雨に濡れて看病してもらった時以来だ。


あの時から部屋は相変わらずイメージしていた一人暮らしの男子大学生にしてはかなり綺麗に掃除されていてリビングのものとかも整理整頓がなされている。


廊下に戻り高島さんが居る部屋の中に恐る恐る入る。


私は起きてくるまで廊下の前で待っていれば良いと言ったが、舞美はそのまま部屋に進入したので舞美についていく。


不法侵入として捕まるのではないかと今になって心配になる…。


そして舞美は高島さんが寝ている布団の中に潜り込もうとするが、私は全力でそれを止める。


さすがに舞美のように男の子の布団の中に潜り込みたいという勇気は無いが、初めて見た気になっている男子の寝顔を拝めたのは嬉しいし、写メに収めたい。


ああ、スマホ持って来れば良かった…。


私の目に高島さんの寝顔を焼き付けることにする。


布団に寝ている高島さんを両側から囲むように床に座る。


布団って普通畳の上に敷くものだと思うんだけど…。


床に敷いたら冬とか超寒そう…。


そんなことがあったら私も舞美のように彼の布団に潜り込んで温めてあげれば良いのかもしれないが…。そんな度胸は私には無い。


高島さんの目が開くと私達2人は身体を伸ばして前かがみになる。


高島さんは数秒前まで寝ていたのでメガネをかけておらず裸眼の姿だ。


たぶん初めて裸眼の時の高島さんを見た気がする。

メガネ姿も良いが、かけていない時もかっこよさがあってカメラに収めて永久保存版にしたい気持ちが舞美の方からも感じられる。


高島さんはずっときょろきょろしていたが、だんだん状況が理解できるようになったようだ。


起床して最初に言われたのは


「え、なにしているの?」


だった。


「先輩がいつまでも起きてこないからですよ?2()()()()で私との朝の運動に遅れてくるととか契約違反ですよ?厳重なお仕置きが必要だと思うんですけど?」


「そ・れ・に・先輩今日大学の授業があるのとキャリアセンターに用があるって昨夜言っていましたよね?そしてわたし、一緒に登校しましょう?って言いましたよね?そこまで中々起きられないんだったら仕事もっと減らしてくださいよ?ていうか、先輩は大学生何ですからね?あなたはそこらの会社員と同じくらいもしくはそれ以上働きすぎなんですよ?」


舞美に続いて私も続く。



「2人のそれぞれの言い分は分かったからとりあえず各々の体重が俺の身体に乗かっているのはさすがにきついのと正直言って色々倫理的に大問題だからどいてくれると助かる。」


「それって私達の体重が重いっていう事ですか?女性にそんなことを言うのは法律で言うなら罰金ものですよ?」


この部分は舞美と言いたいところが被った。考えている事はやっぱり双子なのか同じようだ。


「いや、そんな法律日本には無いだろ?」


おいしい突っ込みどうも~~。


「でも女の子にとっては年齢と体重について聞いたり発言したりするのは立派な()()()()だと訴えられても文句は言えないですよ?」


「本当にタブーな部分なんですよ?学校の授業で習いませんでしたか?」


私達は更なる追撃をやめない。


「そんなこと学校で教わらないだろ?まぁそれについて触れてしまった事はごめん…なさい。」


「よし。許しましょう。」


私達は高島さんの布団から離れてあげた。


「それで、思ったんだけどさ、なんで華南さんも舞美さんと同じ服装を着ているの?」


「え、だって毎日舞美と朝運動をしているんでしょ?だから私も混ぜてもらおうかなと思いまして。最近大学の前の坂を上がるのがしんどくて自分の体力の無さに情けなさを感じているからですよ。」


「なるほど。」


「先輩どうですか、先輩好みの黒髪ロング美少女のスポーツウェア姿はどうですか?」


私はからかうように言う。


「ああ、いや、美人は何を着ても絵になるなという事が改めて分かった気がする。」


「それだけですか?なんかもっと良い感想とか無いんですか?先輩と朝から運動できると思って前に購入した服に着替えたんですよ?」


「いや、もう目をそらさないとそろそろ自分の命が危なくなるというか…。でも華南さんて普段からかなり仕事をしているからそんなに体力は落ちているようには見えないけど?」


いや、私だって高校生の時と比べたら充分に落ちていますよ。本音を言うと先輩の走る姿を見てみたいというか…。それに.......。」


それに…。高島さんの事好きなんですという言葉を言うのが恥ずかしくて後に続かない。


「それに?」


「もう何でもないですよ!!鈍感ボーイな先輩には全然気づいてもらえないのでもう良いです。ばか!」


私は呆れるほど鈍感な先輩にこの気持ちがなかなか伝わらないことに腹をたて勢いのままに言う。


「なぜ?俺は怒られているの?舞美さんよ?」


「私も分かりませんね。それにさっきから私のスポーツウェア姿をじーと見ないでくださいよ?」


「いや、見ていないし。仮にそう思われたくないならこの部屋に来なければ良いじゃん?」


「先輩って本当バカですよね?大バカ野郎ですよね?本当ラノベの主人公かよって言う感じですよ?先輩を一言で言うなら鈍感陰キャ男子(ボーイ)って言う感じですね?」


「先輩、早く起きてくださいよ?もう時間も無いので朝の運動はやめて夜の運動をしましょうよ?」


高島さんの部屋を出て中に残っている舞美が余計なことを言っている。

この妹の警戒は緩めてはならない。


「は?何を言っているのか分からんが、早くこの部屋を出てくれ。俺が着替えられないだろ?」


「私は先輩が裸のままでも平気ですけど?」


「いや、俺が嫌なんだって…。」


「先輩意外とあれなんですね?」


「は?どれだよ?あとで美味い朝ご飯をお見舞いしてやるから朝はそれで勘弁してくれ?」


「は~~い。待っていました。先輩が作る朝ご飯!!」

朝ご飯は先輩がいつもより豪華なものが食べられるっぽいのでそれで今は許す。


高島さん、私のこの気持ちになんとしても応えてもらいますからね?


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