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第103項「双子姉妹と登校と幼馴染に事後報告①」

良いお年を!

「いただきます。」

「いっただきまーす」


新前家の食卓には時短ではあるが、限られた時間の中で俺が全力で腕にかけた料理が並んでいる。


「先輩って陰キャ男子なのに料理に関しては本当にピカイチですよね?」


いや、朝から既にこの姉妹にバカと3回言われてしまった俺はこの程度の酷い言葉は別に刺さるものでは無い現状にある。


「確かに陰キャ男子であることは否定しないし自負しているけどさ。なかなか酷いことを言っていること自覚しているか?」


「モチのロンです。私も今まで料理とかしてきた方だと思っていたのに先輩の料理を初めて食べた時は感激しましたよ?本当料理というかそれも含めて家事に関しては先輩ならいつでもお嫁に行けますね?」


「俺が行くとしたらお嫁に行くんじゃなくて、お婿に行くというんじゃないのか?」


「まぁ。なんかそんなことを先輩が言うと何か変な気分になりますけどね?」


「いや。最初に振ったのはお前の方だろが?は、華南さん食べ進んでいないけどどうしたの?」


「あ、いやなんでもないです。なんか先輩と舞美がいつの間にか距離近くなっているなぁと感じて…。まぁ仲が良くなっているのは姉である私にとっては全然良いことなんですけど~。」


何か不満なことを思っているような顔をしている。

昨日俺が舞美さんの読モの仕事のアシスタントマネージャーをやるという事を話した後からずっと様子がおかしい。


原因は俺なのだろうか…。


「先輩と私は前よりは距離は近くなりましたよね?」


「まぁ。今まで舞美さんとはそこまで話す気ことが無かったからなぁ。」


「それにしても先輩の料理にはかないませんよ。先輩は仮に好きな人ができたらその女性が作った料理とか食べてみたいとか思ったりするんですか?それとも俺の料理でお前のハートを射貫いてやると考えている派ですか?」


派というのが良く分からんなぁ…。

「どうだろうね…。まぁ学生の恋愛に求めるかどうかは何とも言えないけど、結婚する相手には最低限3食のご飯作れる人だといいなという思いはあるかもなぁ。まぁ、陰キャ男子が結婚できるとは思っていないから、叶わない可能性の方が高いし、そもそも俺が料理を始めるようになったのは将来一人身になっても健康で過ごせるようにする為に始めたのが原点なんだけどね?」


「へ~。先輩が自分の事について話すことも珍しいのに更に理想と感じていることまで話すなんてレアですね?それにいつから料理を始めたのかは分から無いですけど、学生の時から独身で生活する事になると予想してそれに向けて準備をしていたことがそこらの男性とは考えや価値観が違いますよね?」


「前に聖奈ちゃんから聞いたけど先輩が料理を始めたのは小学生くらいなんですよね?」

華南さんも会話に入ってきた。


「ああ。そうだね。てか、聖奈のやついちいち俺の事話すなよなぁ…。」


「本当かなり個性というかキャラが強いですよね?考え方が典型的な大学生と違う事も多いですし?」

華南さんは言う。


「でも料理が出来る事をアピールしてなんか私達を口説いている訳ではないですよね?」


「そんなわけないよ…。あくまで俺の未来の人生がそうだったら望ましいなというただそれだけの話だよ。今言った事は適当にスルーしてもらって構わないよ?」

舞美さんの言葉に返事しながらも華南さんにも聞こえるように言う


「ふ~ん…。」

2人は俺の顔を見ながら少しにんまりしながら残りのご飯を黙々と食べていく。


「ごちそうさまでした」

「おそまつでした。」


「先輩今日こそ大学まで一緒に行ってもらいますよ?先輩とのビジネス契約書で登下校もボディーガードをしてもらうという内容を盛り込んだのですから、ちゃんと仕事してください?」


「分かっているさ。昨日は仕事の方行けなくてごめんなぁ?華南さん…?」


「いえ、先輩が昨日別の仕事があるという事は1ヶ月前から聞いていましたから、別に問題は無いです。ただ、その会食をした相手が舞美が属している読モの会社の社長さんの娘でその舞美の仕事のアシスタントマネージャーを引き受ける事を聞いて先輩の身体が心配なんですよ?」


「俺の身体を気遣ってくれるなら一人で行ってもらうのは駄目だよな?」


「絶対だめです。それとこれは違う問題ですから。今日はちゃんと大学まで登校してもらいますよ?それに先輩も大学に用事があるって言っていましたし。さっさと行きましょう?」


「分かったわかった。」


「あ、私を置いていかないでくださいよ?」

後ろから舞美の声が聞こえる。


「先輩っていっつも手ぶらですよね?何かバックとか持たないんですか?」

俺たちは家を出て大学までの道のりを歩いている。


今日は午後から雨だと聞いているので、着ている服の内ポケットに折り畳み傘を忍ばせてある。


「俺は基本的に授業の単位は取り終えているから、そんなに教材を用意する必要がある授業は受けていないんだよ?できるだけ先生から配布される資料で授業が進む科目を今は受けているからな?」


「だから、凄い散歩に行くような身軽さで歩いているんですね?」

華南さんは納得するように言った。


ていうかさっきから華南さんと舞美さんの物理的距離が凄い近くてドキドキ感が半端ない。


それにこの両手に華(花)の状態を同じ大学の方向に歩いている色んな学生にみられていて特に男子からの視線が冷たくて痛さを感じる。


「華南さん。舞美さん。もう少し離れてくれると助かる?」


「いや、先輩の仕事って私達の大学の登下校にしっかりくっついてボディーガードをする事なんでしょ?そりゃ先輩の近くに居るのも別に変な状態では無いと思うけど?」


「いや、そう言う事では無くて、さっきから俺の腕が2人の身体に持っていかれているからさ。それに周りの人の目もあるから誤解を生むようなことはしたくない。」


「いいじゃないですか?私達と先輩の仲じゃないですか?」


「いや、そう言う事を言っているのではなく、適度な距離で歩いてほしいというか…。」


大学の正門に着くと仁王立ちしている俺がこの大学で唯一知る男子大学生が腕を組んで立っていた。


「よう?トシ。この短い間で何が起きたんだい?トシの腕には両手に華(花)の状態だが?お前も遂にハーレムの領域に踏み込んでしまったか?あとで、たっぷり話を聞かせてもらうからなぁ?とりあえず現行犯で逮捕させてもらう。良いな?」


「はぁ…。幼馴染を長くやっていると俺の予想を堂々と当ててくるから本当嫌だわ。」


俺は高久丈瑠刑事に連れられ署に送られ事情聴取されることになってしまったのだ。

手錠はかけられていないが、半ば半分拘束状態にある。


ここは警察署ではなくただの大学だというのによ~~~。



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