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冒険者って本当は冒険しないんですね(笑)  作者: 丸山ヤスコ
序章 プロローグ
1/97

出会い

はじめまして、丸山ヤスコです。主人公最強系を書きたくて書いた小説です。少しずつ無双させる予定ですので、ご期待下さい。

「誰か助けて!」


「ぐへへ、金目のものと女子供を攫え!」


ここは小さな小さな田舎の村。山中にあり、他の村や国とは隔離されている。その村は今、山賊達に襲われている最中である。田畑は荒らされ、家の所々から炎や煙が上がっている。


その村に住む少年、アルト・ステルト、7歳。


アルトは外から聞こえる怒声や悲鳴を耳に入れないように、そして絶対に山賊に見つからないように、古屋の隅っこで耳を塞いで、息を殺しながら身を潜めている。


怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。


「助けて!」


「やめろぉ!…ぐわぁっ!」


女性を攫う山賊達に立ち向かう男性がナイフで斬られる。


死にたくない、死にたくない。


自分は隠れることしか出来ない。山賊を倒す力もない。立ち向かう勇気もない。


そんな自分が嫌だ。でも、死にたくない。


そんな葛藤に揺れている時だった。


「なんだ?この古屋。誰か居るかもしれねぇ」


来た。


僕は息を止める。


ミシッ、ミシッ、


少しずつこっちの方に近づいてくる。


嫌だ、見つかりたくない、殺されたくない!


必死で息を堪える。いつのまにか目に溜まっていた涙が床に落ちる。それすらも音がするんじゃないか、そして闇に映える白髪が山賊に居場所を教えてしまうのではないかという恐怖に駆られる。


「どうやら誰もいねぇようだな」


山賊が独り言を言って古屋を出ようとする。


「良かった…」


アルトは安堵した。バレなかった。生き延びた、と。


しかし、


「なんて言うと思ったか!ああ⁉︎」


「うわぁっ!」


突然アルトを襲う衝撃。


物陰に隠れていたアルトは物と一緒に蹴り飛ばされ、古屋の壁を突き破って外に放り出された。


バレていた。


「さぁて、子供は誘拐するように言われてんだ、一緒に来てもらうぞ?」


嫌だ、死にたくない、誰か助けて!


アルトは急いで周りを見る。


しかし、大人はみんな山賊にやられている。

女性は誘拐され、男性は傷だらけで倒れている。

他の子供も次々と誘拐されていく。


誰も、助けてくれない。涙を零したところでこの村と一緒に壊れていくのだ。


ああ、ここまでだ。僕の人生。


アルトは人生を諦めた。僕はここで終わるんだと。


山賊に無理矢理引っ張られる。


アルトが、村人が、人生を諦めていた、その時だった。


「そこまでだ!山賊共!」


この村に、4人の英雄が現れた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


その人達は冒険者だった。


冒険者、それはこの世界の真理を追求する者。未だ見ぬ世界の側面を見つけるために、日々自ら道を切り拓き、未完成な物語を紡ごうとしている者である。


その人達は瞬く間に山賊共を制圧し、怪我を負った村人や攫われようとしていた村人を救ってくれた。

たまたま通りすがっただけだと言って、この村を救ってくれた。


「冒険者…、かっこいい!」


自分の命を救ってくれた。7歳の男の子が憧れを抱くには十分すぎる理由だ。


「俺もいつか、冒険者に!

でもこのままじゃ全く力が足りない。それに悪に立ち向かう勇気も。このままじゃ大きな街に出た時に田舎者って馬鹿にされてしまう!

よーし、鍛えて鍛えて鍛えまくるぞ!」


アルトは堅く決心した。大人になったら冒険者になる。そして困っている人を全員助けると。


「あ、あの!冒険者のみなさん!」


アルトは勇気を出して冒険者達に声をかける。


「ん、どうした少年!」


「僕を強くしてくれ!」


キョトンとする冒険者達。しかしすぐに笑顔に戻った。


「そうか、強くなりたいか!俺はシルザ!よろしくな!」


これがアルトとシルザの出会いだった。

読んでいただきありがとうございます。次回もよろしくお願いします。

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