ハイスペック的ルギーさん
「いらっしゃいいらっしゃーい!」
「治癒リキッドが入荷しましたー!」
「安いよ安いよー!!」
「ちょっと!そこのお兄さん!今イチオシの流行服見てかない!?」
流石この亜竜族の城下町とあって露店が出たりと活気づいていた。
「おい、あんま顔あげんな」
そうなのだ。私は一応人族に近いので、帽子の中に髪の毛を全てしまい、顔を隠すためにヴェールを体に巻いている。
これは暑いな。
「もうすぐ着くからな。」
「りょーかい」
~~~
「おはようございます!隊長!」
「おうお疲れ」
ルギー、さっきからすれ違う人(?)達にすごい挨拶されてる...
騎士って言ってたからその人達なのかな?
「ねぇ、ルギー」
「ん?なんだ?」
「さっきから隊長とか言われてるけど...」
「あぁ、俺は亜竜王国軍騎士隊長だからな。」
...まじか。え、そんな凄い人に助けてもらってたのか。通りで剣術とか上手いと思った...。
「なにそれ凄...」
「まぁ、俺なんか体力だけが取得だからな...」
そういうルギーは少し寂しそうに見えた。
そんな事ない...。私はルギーに助けてもらわなければ、死んでいたかもしれない。剣術を教えてくれたり、この世界のことを教えてくれたり...。
普段、私は初対面の警戒している人にはふざけたりして気持ちを隠すことも多いが、ルギーには何故か素のままで話してしまう。
それだけ救われてるってことなんだと思う。1人ではきっと異世界に来たことによってパニックになっていただろう。
なんだかんだ世話を焼いてくれる、ルギーには感謝してもしきれない。
「...ルギーは優しいよ」
「お、おう...なんだ真面目に。気持ち悪いぞ?」
「なんじゃい!人がせっかく褒めたのにー!」
「はははっ、落ち着けって」
ルギーの肩に頭をグリグリってやってやったぜ!
しかし、ルギーにダメージはあまり無かったようだ。くそう。