誰が火サスばりの断崖絶壁だって??
よしこれで!相手は目が見えないからやれる!!
「せいっ」
ーバシッ
「ぐっ!?」
なんで尻尾で私を攻撃できた!?
視力は奪ったはずなのに...
ん?視力?
...いつだか読んだ本にネズミは元々視力が悪いから嗅覚と聴覚が優れてるって書いてあったのを思い出した。
思い出したくなかったぁああ!!そりゃそうだよ!!元々視力悪いなら今更見えなくなったところで戦えなくなるわけじゃないよ!!
「スンッスンッ...ギィイイ!!」
うわわわわ!!迷わずこっちに来てるし!!
あああ、あと他に!!
するとふと視界に入ったのは私のリュックだった。
リュック...なんか使えそうなのってあったっけ...
とりあえず、リュックに使えそうなのがあるか見に行こう...!
そーっと...そーっと...
「スンッ...ガアアアア!! 」
「あぁぁぁぁ!ですよね!分かります!!!」
ーダッダッダッダッ
ーガシッ
なんとかリュックは手に入った。
外ポケ...何入れてたっけ...
ードッドッドッドッ
「グァアアア!!!」
あぁやばいやばいやばいやばい!!!
「~~~ッ!」
思わず外ポケに手を突っ込んで触れたものを引っ張り出した。
ーガサッ
「...ビニール袋!!」
触れたものはビニール袋だった。ちょうどビックマウスの顔に張り付いたようでビックマウスは頭を激しく降って落とそうとしている。
「...今だ!!」
短刀でビックマウスに斬りかかろうとすると
ーガサッ
「ギィ...」
と、取れたぁ!?
タイミング最悪かよ!!
「ああああああ!!!」
ーガサッ
ーギュッ
取れたビニール袋を拾い急いでビックマウスの頭部分を覆い、固結びする。
「せぇえええい!!!」
ーザシュッ
「ギィギァアアア!!!!」
ビックマウスの首目掛けて短刀を振り下ろす。
ービシャッビシャビシャッ
ビックマウスの首から勢いよく血が溢れてきた。返り血を気にせず、何度も刺すうちについにビックマウスは動かなくなった。
「...かっ...た?」
「やった...やったぁ!!生きてる!!
」
もうほんとに全部ダメかと思った...
ーピロンッ
『レベルアップ 彗 Lv.9』
「おぉぉ!!一気に上がった!!」
ーガサッ
「!?」
モンスター...!?もう1回ビックマウスだったら次は負ける...
「彗、待たせたな。水汲んでたらモンスターが川から出てきてそいつと戦ってた...ってなんでそんな血だらけなんだ!?」
無言でビックマウスを指さした。
「...ビックマウス!?なんでこんな所に...」
やはりここはビックマウスの生息地ではないらしい。
「よく勝てたな...」
「ギリギリでつた...」
「やったじゃねぇか。じゃあその血、乾くと取れにくくなるから川で洗いに行くぞ。」
「あいさー」
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「あ、ねぇ、ルギー!私レベルアップしたよ!」
「いくつになったんだ?」
「んーとね、9!」
「おっ、結構上がったじゃねぇか」
「うん!1人でビックマウス倒すの怖かったのー!だから褒めて褒めてー!」
そう言いながら褒めてもらおうとルギーの方へ抱きついた。
「ちょっ、返り血だらけで抱きつくな!早く服脱げ!そんで川で洗ってこい!」
ルギーに上着を剥ぎ取られると早く川で洗ってこいと背中を押された。
「とか言って私が川で体洗うの覗く気でしょーww」
「覗かねぇわ!」
「そんな事言っちゃってー、誰も私の魅力にはあがらえないのさwww」
「抗えないな...魅力って...俺はそんな崖みたいな胸には興味ねぇよ」
「おっと貴様...言ってはならない事を言ってしまったようだな?」
人が気にしてることを...!ルギー許すまじ
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「ごめんって」
ルギーが苦笑いしながら謝ってくる
「いーやー?別に崖ですしぃー、まだ高校生だからこれから成長期来ますしぃー」
「いや...17はもう止まってるんじゃ...?」
「はぁああ?」
ポカポカとルギーの胸板を叩いていると
「ほら悪かったって...ビックマウスの肉でシチュー作ったから食え?な?」
口元にスプーンを近づけられ思わず食べてしまった。...やっぱりルギーのシチューは美味しい。
「美味いだろ?」
「...ん。」
美味しいと言うと優しく頭を撫でられたので、何に怒っていたのか忘れてしまった。仕方ない、シチューに免じて許してやろう。




