旅だ!冒険だ!兄ちゃん探しだ!!
「おい...いつまで布団に隠れるつもりだ...?」
「い、いや...ちょっと...」
うおおおおおお!!なんだこれはっずい!!
昨日の号泣を思い返したらほんとありえんわ!恥ずか死ぬ!!!
「ほらいい加減出てこいって」
ーバッ
「うわっひゃぁあ!!」
「どんな奇声だよ」
~~~
ルギーと話し合った末、私はやはり兄ちゃん探しの旅に出ることにした。
「遂に明日出発かぁ...」
この国は人族を嫌っている亜竜が多いが、王宮の人は優しい人が多かった。
ルギーもルイスさんもベルドバドルさんもとても良くしてくれた。
いつか、恩返しできたらいいなぁとか思ってたり...。
~そして出発当日~
「皆さん、本当にありがとうございました。」
「また来てねぇ!今度は一緒に呑みましょ彗ちゃん♡」
「はい!楽しみにしてますねルイスさん!」
「他の貴族のこともあって、出発が裏口からで悪いな。気をつけてけよ。」
「いえ、ここまで整えてくださりありがとうございました。ベルドバドルさんもお元気で。」
なんやかんや、ルイスさんともベルドバドルさんとも話せるようになって良かった。
そして最後に...
「ルギー...」
...ん?なにか違和感...が...?
「あ、あれ、ルギー...」
「どうした?」
「なぜあなたも荷物を持っているのでしょう?」
「旅に出るからだ」
...……...?
「えっと...?」
「あらやだ、ルギー、まさか彗ちゃんに言ってないの?」
何も聞いてないぞ...?
「ルギーも彗ちゃんと旅に出るって申請出してたのよ。」
「...え!?騎士の仕事は!?」
「あぁ、そろそろ少尉から大佐にならないかって話が出ててな。それで隊長から一つ上に昇進したんだ。」
「隊長の上...というと幹部レベル?」
「だな。」
「わぁおwww」
「で、ルギーったら隊長が変わるのと同時に遠征として他国の様子を見に行くって申請出したら、それが通っちゃったのよ。」
「まぁ、異世界人の調査もして欲しかったところだからな」
「え、ルギー!なんで言ってくれなかったのさ!!」
「いや、お前だって黙って出ていこうとしただろ。その仕返しだ。」
「なんてこったい!」
「という訳で、よろしくな?」
「...うぃっす」