圧倒的迷子☆
「なんで王宮に人族がいるんだ!!」
「異世界人だとか抜かしてるそうだ!」
「国王軍大隊長のルギーが匿ってたらしいぞ!」
「あの王と幼馴染みだとか言う奴か!前々から怪しいと思ってたんだ!」
「王は一体何を考えてるんだ!」
案の定、王族をあまり良く思ってない貴族達がここぞとばかりに責め立てた。
ルギーは気にするなと言っていたが、やはりもう王宮を出た方がいいだろう。
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その晩私は荷物をリュックに詰めてルギーへ置き手紙を残しルギーの眠る部屋を後にした。
「はぁ...やっぱり挨拶ぐらいした方が良かったのは分かってるけど、あったら泣く...絶対泣く...」
ーキィ
「あれ、ここじゃなかった」
まったく...王宮が広いから出口間違ったやんけ
ーガチャッ
「あれ、ここも違う」
ーガチャッ
「ここでもない...」
ーガチャッ
「......。」
もしかして......迷った?
いやいやいや!流石にかっこよく去ろうとして迷子とかワロエナイ!!
バレる前に出口を探さないと...!!
ーガチャッ
「違う」
ーガチャッ
「違う!!」
ーガチャッ
「ちg...あれここって...」
ルギーとの部屋?
戻ってきちゃったのか...、ルギーを起こさないように出ないと...
「...ん?」
ーパサッ
「いない...だと!?」
ーギィイイ
「!?」
恐る恐るドアの方を振り返ると
「おかえり?こんな夜中にどこに行くんだ?」
満面の笑みのルギーさんがいらっしゃいました。